Vol. #
97
今年もたくさんの家電をご紹介してきましたが、2024年最後を飾るのはテーブルランプ「ターン」です。秋にヒュッゲな暮らしを学ぶために日本発のポータブル照明のブランドを展開する「アンビエンテック」に取材し、その際にほれ込んで、今年の自分へのご褒美として購入したものです。ヒュッゲについての説明と共に、「ターン」の魅力をご紹介したいと思います。
デンマークのライフスタイル“ヒュッゲ”とは?
デンマーク語で「人と人とのふれあいから生まれる、温かな居心地のよい雰囲気」という意味の、他の国の言語では置き換えられないデンマークの個性を形成している言葉がヒュッゲです。デンマークは2017年に世界で最も幸せな国に選ばれたそうですが、そのライフスタイルこそが『ヒュッゲ』なんですね。中でも、夜が長い北欧デンマークの人たちにとって、居心地のいい雰囲気を作るために欠かせないのが、明かりです。
実は、私自身がこの言葉を知ったのは、今から6年くらい前でしょうか。NHKの「世界はほしいモノであふれている」というテレビ番組でヒュッゲを紹介していて、すっかり憧れてしまったのです。日本では、LEDシーリングライトや蛍光灯ランプで煌々と部屋全体を照らすことが当たり前になっているけれど、デンマークではなんて優しく穏やかな空間を大切にしているのだろうと。
横浜に昨年オープンしたショールーム「Ambientec GALLERY」では、ドアを開けると壁の棚一面にポータブルランプの名作の数々が並んで、まさに圧巻。奥のスペースでお話しを聞いたのですが、そこには部屋全体を照らす明かりがほとんどなく、個々のポータブルランプが必要なところを照らし、落ち着いた空間を作っていました。それが何とも心地よく、いいんですよね。最初はちょっと暗すぎるかなと思ったけれど、時間が経つにつれて、心も体もリラックスできて、「ああ、これこそがヒュッゲなのだな」と思わされました。取材時にうかがった「夜は夜らしく」という言葉も心に残っています。
デスクライトにも、寝る前のベッドサイドの明かりにも
取材時にメモを取ろうとする際に、広報の方が近くに置いてくださったのが、テーブルランプ「ターン」でした。部屋全体を照らしていなくても、ノートと手元を十分な明るさで照らしてくれるので、全く困ることはありません。しかもその美しいデザインにすっかりファンになってしまったのですね。このターンのデザイナーは、New York City Parsons School of Design卒で、工業デザインを専門にするSmart Designを経て独立し、現在はニューヨークを拠点に活動されている田村奈穂さん。すべてのパーツを、金属のかたまりから削り出して構成されていて、回転しながら削り出す様子から「TURN(ターン)」という名前が生まれたのだそうです。
ターンには、ブラス(真鍮)、アルミニウムブラック、ステンレスの3種類があり、今年の自分へのご褒美に購入する際に、どれにしようか迷ったのも事実。でも、結局、少し高くても最も品があり、重厚感があって愛着がわきそうなブラスを選びました。コードレスなので、使いたい場所に持ち運んで使うことができ、部屋の中だけでなくプールサイドやベランダでも、水を気にせず使用できる防塵・防水機能を備えています。
シェードの天面にポンと触れるとあかりが点き、触れるたびにあかりの表情が変わるのも大きな魅力です。キャンドルのようなほのかな光から、食事を楽しむ光、テーブルの上を照らす光、部屋に明るさを足す光へと4段階に調整できるのですが、単に、明るさが4段階になるわけではないところが大切なポイント。光の明るさに応じて色温度が変化するので、とても自然で心地よいのです。天面を長押しすれば消灯する仕組みでランプに一切のノイズがないから、使っていないときでも、ただそこにあるだけで美しい佇まい。もうね、見るたびにため息をつくくらい気に入っています。
見るたびにうれしく、愛着がわく一台
仕事用のデスクには、これまでLEDスタンドを置いていたのですが、思い切って処分し、夜に持ち帰りの仕事をする時にも、このターンを使っています。寝室の一画がこの仕事スペースなのですが、天井のLEDシーリングライトは限界まで光量を絞って、色温度も温かいものになるように調整。眠くなっては困りますが、でも心を落ち着けて原稿が書けるのはなかなかいいものです。
終わったらベッドサイドに移動させて、キャンドルのようなあかりにし、好きな音楽をかけるとさらに素敵な空間に。ほら、これこそヒュッゲですよ。まだ、食卓に持って行ったことはないのですが、この年末にはリビングやダイニングの照明を落として、ターンのあかりでゆったりとお酒を楽しむ時間を持ちたいなと思っています。
製品DATA
- ブランド:アンビエンテック
- 商品名:「TURN(ターン)」
「神原サリーの愛しの家電語り」は、毎月2回更新。次回もお楽しみに!
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