こんにちは。美容エディターの伊熊奈美です。

今回は、こんな質問にお答えします！

伊熊さん、教えてください。
コンディショナーとトリートメントってどう違うんでしょうか。なんとなくコンディショナーよりもトリートメントのほうが効果があるような気がしますが…。また、最近いろいろなトリートメントが出ていて、どれがいいのやら、混乱気味です。よい選び方はありますか？

えでぃ・41歳

トリートメントとコンディショナーの違いは「髪のどこに作用するか」

えでぃさんの「なんとなく」はある意味正解なんです！
まずは髪の構造を思い出してみてください。毛髪は外側がキューティクル、内側がコルテックス、そして中央がメデュラという３層ののり巻きのような形状になっているのを見たことがありますか？

製品によって違いもありますが、大まかにいうとコンディショナーやリンスは髪の外側のキューティクル周辺を補修、トリートメントは外側のキューティクルも内側のコルテックスの空洞も両方補修するものをいいます。

リンス、コンディショナーには保湿成分や油性成分、シリコーンなどがコンディショニング成分として含まれていて、パサつきを収める、触れたときの指通りをスムーズにする、乱れたキューティクルを補修するなどの作用があります。

トリートメントにはそれらに加えて毛髪の内部に浸透して補修する成分が入っているので、空洞化や酸化して分断された髪の「結合」を補修へと働きかけます。

トリートメントはコンディショナーの役割も兼ねているので、最近では最初からコンディショナーはラインナップされず、シャンプーとトリートメントだけを発売しているメーカーも増えています。コンディショナーと銘打っていても、機能的にはトリートメントということもあります。

また「ヘアマスク」の場合は、使った後にコンディショナーやトリートメントで整えるものが多いです。メーカーによって考え方や処方に違いがあるので、まずは説明をよく読んで正しく使いましょうね

サロントリートメントの一部をホームケアに応用されている！

ヘアケア界ではここのところトリートメントが熱〜いブーム中。
年々ラインナップが充実し、新しい使い方のアイテムが増えているんです。

こういうタイミング系トリートメントはもともと、ヘアサロンのトリートメントで行われているプロセスの一部を、ホームケア用に応用したものだと思うのですが、髪の空洞化しているところだけにトリートメント成分を補充する、というようなプロ級のハイスペック機能を持ち合わせていることが多いのが特徴。しっとりとした保湿感はあるけれど、髪全体は重くならないというスマートなアイテムがこのタイプを中心に増えています。

また実際に使ってみると、いつもと勝手が違って面倒、というよりむしろ「子どもと一緒に入る」「スピーディに終わらせたい」などの、みんなの多様なお風呂事情や好みに合わせやすいのもいいところだと思っています。おすすめの最新タイミング系トリートメントをいくつかご紹介します。

シャンプー前の濡れた髪になじませて数分置くトリートメント。週に３回程度が使用目安。

（左）クエン酸が髪内部の切断された結合にアプローチしてダメージ補修する、シャンプー前の導入エッセンス。ボンドリペア 導入エッセンス ￥1969（編集部調べ）／ロレアル パリ　

（右）蓄積したカルシウムと毛髪内部の結合にアプローチ。5分放置後、シャンプーを重ねて使用。プルミエール ダメージ リペア コンサントレ 250ml ￥8580／ケラスターゼ

シャンプー（１）とコンディショナーorトリートメント（２）の間に使うトリートメントだから「1.5」といわれるタイプ。
内部の空洞化を埋める成分を髪の表面からじわじわ送り込み、さらにそのあとコンディショナーやトリートメントの外部補修成分でコーティングしてしまうという導入美容液で、液体のシャバシャバしたウォータータイプが多く見られます。
これも、最後には同じトリートメントを使っているのにどうしてこんなに違うの？　というくらい、髪１本１本がしっかり強化されたように感じます。

（左）コラーゲンの浸透にこだわった二層式のウォータートリートメント。洗い流さないトリートメント兼頭皮ケアアイテムとして、アウトバスでも使える。マイブースターズ コラーゲン ブースターミスト 90ml ￥1848／ネイチャーラボ 　

（右）大人気のウォータータイプのトリートメント。髪に芯が生まれるような感覚も頼もしい。AQ ブースティング トリートメント ヘアセラム 200ml　¥5500／コスメデコルテ

シャンプー、コンディショナーの後、最後の仕上げとして使うアフタータイプは、仕上がりにツヤを求める人におすすめ。長い放置時間は必要なく、さっとつけて洗い流すだけで表面にツヤをのせられて、指通りも軽やかな仕上がりを求める人や、素早くお風呂から出たい人にもぴったりです。

週に３回使用で自由にツヤ感をプラスオンできる。
（左）コンディショナー終了後に使用。植物成分が毛髪の内側の補修から外側までのケアをたった10秒で完了。ボタニカル リペア ボンドビルディング フラッシュ トリートメント 150ml￥6710／アヴェダ　

（右）ブルーアガベや酢の成分がハリコシを与えると同時に髪のpHも調整。ハリコシもアップ。リンシングビネガー ピュアリフレッシュ うるツヤモリンガ150ml￥1320／イヴ・ロシェ

タイミング系トリートメントもブラシでなじませて

トリートメントをまんべんなくなじませるにはブラシを使うのが断然おすすめ。
さらに、細かく毛束をとって、押し込むようにすると、よりトリートメント効果が高まります。現在、私が実際に使っているのはこの２本。

（左）まるで指で頭皮をなぞっているような感覚が心地よいブラシ。ドライヤー時にもおすすめ。マぺぺ フィンガーフレックスブラシ ￥1210／シャンティ

（右）ドライでもウェット毛でも使えるスキャルプ用ブラシ。頭皮の汚れも毛穴と毛穴の間に入りこみ、くまなく落とせる。エス・ハート・エス スカルプブラシ ワールドプレミアム ロング ￥7700／サントレッグ

タイミング別のトリートメントを使うなら、まず説明をよく読むところからスタート。
自分のライフスタイルと髪質に合うものを探してみてくださいね！