LIFE

「ESS by Think Self-Love Audition」インタビュー

長谷川京子さんが考える、”美しい人”の定義。自分の内面をのぞきこんだ人だけが持つ輝き

2024.12.16

この記事をクリップする

長谷川京子さん ESS byインタビュー

女優の長谷川京子さんが2021年に立ち上げたランジェリーブランド「ESS by(エス バイ)」。2024年11月には、オーディションで選ばれた一般人8名を起用した広告が大きな話題に。
今回LEEwebでは、「ESS by」が、創設時から変わらず掲げてきたブランドコンセプトの”自愛“について、また長谷川さんが発信し続けている「Think Self-Love(自愛とは何かを考え続ける)」というメッセージについて改めてお話をうかがいました。
また、かつて『LEE』で2014年から2021年までの7年半にわたり連載を手掛けていた長谷川さん。母としての素顔がのぞく”食“にまつわるエッセイが毎月好評で、それを一冊にまとめた単行本『おいしい記録』も刊行。長谷川さんの最新のおいしいもの事情や子育てについても聞きました。

”美しい人”の定義ってそもそも何だろう、と考えるきっかけに

長谷川京子さん ESS by オーディション一般モデル広告ビジュアル

この夏、開催された「ESS by」の広告モデルを選ぶオーディション「ESS by Think Self-Love Audition」。400名の応募者の中から選ばれた8名の方の広告ビジュアルも印象的でした。

選ばれた8名の方は、身長も年齢もキャラクターも全く違うのですが、皆さん、本当に心から美しいと思いました。この美しさは一体何なのだろうと撮影の後もずっと考えたんです。“美しい人“という定義って、そもそも何なのだろう、と。
そして、小池真理子さんが書いていた文章を思い出したんです。『妹たちへ』という、多くの素敵な先輩たちによって綴られたエッセイ集の中で、小池さんが書かれていた一文にこんな言葉がありました。

「『内面を本気で覗きこんだ』という経験こそが、その女性を美しく輝かせることになるような気がしてならない。自分自身を覗きこむことに耐えられず、逃げ出して、表層の人生を楽しんでいるだけの人に、本当に美しい人がいた試しがないのだ。」
(出典:『妹たちへ:夢をかなえるために、今できること』日経WOMAN編、小池真理子ほか著/日本経済新聞社)

外見ではなくて、自分の内面ときっちり向き合って、嫌な部分までも深掘りして生きてきたという経験は、人を美しくするんだ、ということを教えてくれるこの文章が、最終選考を通過した8名の方の美しさと、自分の中でリンクしました。
選考に残られた8名はそれぞれ違うのに、撮影の時、皆さんそろって、自分を美しく見せよう、外見をよく見せようという撮られ方をしなかったんです。そこには一切ブレがなく、内面から出てくる美しさがありました。「自愛」とはひとりひとり違っていいんだ、ということにもオーディションを通して気づかされました。

長谷川京子さんが今、考える「自愛」とは?

長谷川さん自身が、「自愛」について考え始めたきっかけを教えてください。

「ESS by」の準備を始めた頃がちょうど41、2歳で、40代となり1人の女性としてもう一度立ち止まって、この先どうやって生きていくのかという岐路にありました。子どもたちが大きくなって手が離れてきたタイミングでもあり、自分の体型の変化を感じてワークアウトを始めたり下着を変えたりと、自分について再確認した頃でも。自分をもうちょっと大事にしてあげたいという思いが芽生えた時期でした。
「ESS by」のブランド名は、女性を表す名詞の語尾に使われる「ESS」を由来に、「by=自身によって」その人らしい女性像を描いてほしいという思いを込められている。“自愛”をコンセプトに、肌と密に触れる下着からこだわることによって、女性が自由に自分を愛せるようになるきっかけになれば、とスタートしました。

自分を愛するために戦ったり、表明したりしなくていい時代になった

長谷川京子さん ESS by インタビューポートレート写真

長谷川さんのYouTubeチャンネルの中で、オーディションを振り返って、「自分を愛するために戦わなくてもよい時代になった」と語られていました。「自愛」に変化がありましたか?

以前は、ブランドのフィロソフィーとして掲げたこともあって、“自愛”は表明しなければならないものでした。でも今は、人に表明しなくてもいいもの、自分自身の中で完結していいものに変わってきました。自分を愛するために戦ったり、外に知らしめたりするのではなくて、自分の内側を掘っていくこと。でも、自分に向き合うのは時に厳しく、自分を扱うってややこしいですよね。でも自愛とは、”ややこしいけど、優しいオブラート“みたいなものになってきた気がします。

オーディションのエントリーシートには「長谷川京子からの10の質問」という設問がありました。「自分を何かにたとえるとしたら」「人生でもっとも美しいと思うもの」……などが並びますが、キーになった質問はありますか?

「コンプレックスは何ですか?」などダイレクトな質問もさせていただいていて。10の質問全部に向き合うのはタフな作業だと思います。いろんな悩みが頭の中でぐちゃぐちゃに絡み合ったグレーな気持ちを、細分化してクリアにするような、悩みを整理する作業ですから。質問に答えるだけでももうすごい。なのでどれか1つの質問がキーというよりは10個全てで1セットのようになっているように思います。応募してくださった皆さんがしっかり丁寧に自分の答えを書いていたので、掲載した私の回答をもう一度書き直したいくらいです(笑)



自分自身に何ができるか、役割を考えていきたい

長谷川さんが今、目指したい「人間像」はありますか?

まだまだ心のアップ&ダウンも迷いもあるので、そういうのがなくなるといいなとも思います(笑)。最近思うのは、これからの自分の役割がわかると楽になれるのかなということ。社会での自分の役目がわかったら、もっと爽快に生きられるのかなと思います。子どもに対する役割はわかっているけれど、肩書きや職業ではなくて自分自身がどのように生きていくか、何ができるのかを考えていきたいと思っています。

最近の「おいしい記録」と子育てについて

LEEでの2014年から2021年の7年半にわたる連載や、それをまとめた単行本『おいしい記録』で、長谷川さんの食にまつわるエピソードがたくさん綴られました。最新の長谷川さんの”おいしい記録“、教えてください。

最近よく食べたのは「牡蠣の蒸し料理」。フライパンにだし昆布を敷いて、その上に牡蠣を並べてお酒で蒸して、それにかぼす、だし醤油、七味唐辛子、万能ねぎなどを加えて食べるだけ。とてもおいしくて、今までに3回作って、1,2回目はお客様や子どもにも好評だったんですが……実は3回目はなぜか失敗しちゃったんですよ。昆布を変えたせいなのか、理由はわからないのですが、だからまだ4回目にトライできていません(笑)。
あと、お鍋の季節は、豚バラ肉にたっぷりの白髪ねぎをバサッと入れて食べる鍋が好きなのですが、最近は、せりと豚バラ肉という組み合わせが気に入っています。せりがおいしいんです。
それと、これは人から教えてもらったのですが、しゃぶしゃぶ用の牛薄切り肉を味付けせずにフライパンで焼いて、塩、こしょう、オリーブオイルで味つけをした大量のクレソンを用意して、焼いた牛肉をクレソンで巻いて食べるというのにもはまっています。

長谷川京子さんLEEインタビュー ポートレート

2021年のLEEの連載終了から月日が経ち、今、子育ては変わってきましたか?

もう子どもの社会が外でしっかりできて、親が入れないというところが変わりました。入らなくていいラクさもあるし、何かあったときにわからないジレンマもある。どこから親が入るべきか、入らないべきか……。何かあったときに、あなたそれ間違っているよ、だけ言ってもいけないし、同調してあげなきゃいけないこともある。何をどう伝えるのかを考えることが、子育てを通して、大人同士のコミュニケーションの場にも勉強にもなっているなと思います。

ESS by ノンワイヤー スムース ホールドブラ&スムース ライン ショーツ 
ESS by ノンワイヤー スムース ホールドブラ&スムース ライン ショーツ 新色

ノンワイヤーブラジャー「Nonwire Smooth Hold Bra」(各)¥8580・ショーツ「Smooth Line Shorts」(各)¥2640/ESS by  着心地の良いノンワイヤーながら、ホールド力のある3D設計の立体的なモールドカップ。ヘルシーさと色気をあわせもつ、そぎ落とされたデザインもESS byの人気の理由。

ジャケット¥284900・パンツ¥137500/サカス ピーアール(Séfr) ネックレス¥5346000 /チェリッシュ インク(Sophie Bille Brahe) タンクトップ /スタイリスト私物

●衣装お問い合わせ先
サカス ピーアール 03-6447-2762
チェリッシュ インク 080-3206-5821

Staff Credit

撮影/nara(vale.) ヘア&メイク/美舟(SIGNO) スタイリスト/CHIE ATSUMI(ota office) 

この記事へのコメント( 0 )

※ コメントにはメンバー登録が必要です。

LEE公式SNSをフォローする

閉じる

閉じる