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【多部未華子さん】小説『ツバキ文具店』の朗読に挑戦! Audibleは「子どもより早く起きて朝時間にじっくり聴きたい」

2024.10.25

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オーディオブックサービス「Audible」(オーディブル)で、小川糸さん著の長編小説『ツバキ文具店』の朗読を担当した多部未華子さん。
本作がドラマ化された際には主演を務めたこともあり、「思い入れのある作品」と語る多部さんに、朗読を通じて感じたこと、聴く読書体験のできる「Audible」への思いなどを語っていただきました。

思い入れのある作品。「他の人に読まれるなら自分が読みたい」と(笑)

透明感がありつつも、落ち着いた多部さんの声が、作品の世界観にマッチしていました。本作の朗読のお話があったときの率直な思いとは?

「Audibleでの朗読は以前も一度やらせていただいていて、声のお仕事の難しさは感じていました。でも、ドラマ化で参加させていただいた『ツバキ文具店』という思い入れのある作品だったので『他の人に読まれるぐらいなら、やっぱり自分が読みたい』と(笑)。とてもうれしくて、すぐに引き受けさせていただきました。収録の前は、もう一度作品を振り返って、単純に読めない漢字がないか確認したり、自分の中で解釈が違っていないか読み返したり。ただ、実際にやってみないとわからないことも多いので、現場で試しながら感覚をつかんでいくことが多いので……今回もまだまだ楽しむ余裕がないほど、難しかったです」

それは意外です。特に、どんなところが難しいと感じましたか?

「『声だけで表現する』ことは本当に大変だなと思います。同じ地声でも、日によって高いときと低いときがあるし、何となくテンションが違うかなと感じることもあるんですね。どれも無意識で、今回は5日間かけて収録をしたのですが、ちょっとした体調や気分の変化で声も日々変わってしまうんです。ディレクターさんなど周りのスタッフさんに、私の声を聞いて客観的に思うことを教えてもらい、細かく調整していきました。

あとは、セリフの朗読をするときに、どのくらい演じたほうがいいのかを毎回悩むんです。特に登場人物が男性だと、性別やキャラクターを意識したいけど、お芝居ではないからやりすぎもどうかな?とか。聞いている方がどう感じるかな?とか。スタッフさんと一緒にいい塩梅を見つけていくのは、大変だけどやりがいもありました」

『ツバキ文具店』は自分の生き方を肯定してくれるような、あたたかい作品

多部さんが試行錯誤されたように、『ツバキ文具店』では、たくさんの魅力的な人物が登場します。朗読していて、楽しかったキャラクターはいますか?

「男爵は男性ならではの難しさもありましたが、きつい言葉の中にも愛があったり、サバサバしたそっけないセリフの裏を読んだり。毎回男爵の本当の思いを考えながら、それを声にのせて伝えるのは、大変ですがおもしろかったですね。

バーバラ婦人はゆったり、おっとりとしてやさしくて。年齢を重ねたからこそ滲み出る、懐の深さみたいなものを声で表現するのも楽しかったです」

ドラマ化された際には、主人公の鳩子役を演じた多部さん。「思い入れのある作品」ということですが、作品の魅力をあらためて教えてください。

「鳩子自身もいろいろな過去を背負っていて、ツバキ文具店に代書依頼をしてくる登場人物たちの経験に歩み寄ったり、時には反発したり。大きな事件は起こらないけれど、代書屋の仕事をしながら鳩子がなんてことない毎日をすごす中で、自分の持っている後悔やネガティブな感情は必要なことだったんだ、これでよかったんだ、と思わせてくれるんですよね。
自分自身の生き方を肯定してくれるような、あたたかい気持ちになれる。ほのぼのとした中にもとてもメッセージ性がある、素敵な作品だなと何度読んでも思います。
Audibleで聴いていただく際も、テーブルにすわって一息ついて、ゆっくり聴いてもらえたらうれしいですね。」

出産してからじっくり本を読む時間が取れなくて…

家事、育児、仕事と毎日多忙なLEE読者からは、本を読む時間を取ったり、特に小説の世界に没入するのが難しいという声も。読書家で知られる多部さんはどんなときに本を読んでいますか?

「私もまったく同じです。私のことを言っているのかと思いました(笑)。出産してからはじっくり本を読む時間が本当に取れなくて……。子どもに絵本などの読み聞かせはするのですが、なかなか自分が読みたい本にまでたどり着けないんですよね。

でも最近、子どもに積極的に本を読んでほしいと思ったら、私が読んでいる姿を見せないとダメだなと実感していて。ちょうどこれから、本を読もうと思っています!」

読みたい本や、購入して待機させている本などはありますか?

「外山薫さんの『君の背中に見た夢は』は気になっていて、読みたいなと思っています。子供の受験がテーマとのことで、親心として共感できるところがありそうだなと。最近は特に、家族や母子の話など、自分の状況と近いテーマの作品が感情移入しやすくて、今の私の生活リズムに合っているんだろうなと思います。

少し前には、Audibleにもある『母という呪縛 娘という牢獄』という作品を読んで、実際にこのような事件があったんだ、とすごく考えさせられました」



子どもとは絵本『パンどろぼう』シリーズを一緒に楽しんでいます

お子さんとは、どんな本を一緒に読んでいますか?

「今は『パンどろぼう』のシリーズが大好きですね。本も自分で選ばないと読まないし、大事にしないんじゃないかと気づいて、最近は一緒に本屋さんに行って子どもにも自分で選ぶように言っています。

おもちゃはたくさん買えないけど、本だったらほしいものを買っていいよ、ということにしていて。近々、『パンどろぼう』シリーズの新しい絵本を一緒に買いに行く予定です」

LEE読者と同じように、育児に仕事に慌ただしい毎日を送る多部さん。あらためて、今回朗読を担当されたAudibleのおすすめの楽しみ方があれば教えてください。

「Audibleは移動中や家事をしながら、作品を聴けるのがよさだとは思うのですが、私はあえてAudibleにじっくりと耳を傾ける時間を作ってもいいんじゃないかなと。例えば、朝2時間早く起きて、静かに集中して聴くと、より作品の世界を楽しめそうですよね。私は朝が弱くて、いつも子どもと一緒に起きてしまうのでなかなかできないのですが……(笑)。いつか実現したいなと思っています」

多部未華子(たべ・みかこ)
1989年1月25日、東京都生まれ。俳優として数多くのドラマ、映画、CMなどに出演。近作にドラマ『いちばんすきな花』、『マイファミリー』など。


作品情報

『ツバキ文具店』
配信日:10月25日
著者: 小川 糸
ナレーター: 多部 未華子
https://www.audible.co.jp/pd/B0D7G656GR


◾️Audibleとは
Amazonが提供するオーディオブックおよび音声コンテンツ制作・配信サービス。プロのナレーターや俳優や声優が読み上げる小説、名作文学、ビジネス書などの豊富なオーディオブックや、ニュースからお笑いまでバラエティあふれるプレミアムなポッドキャストなどを取り揃える。通勤や家事の最中など、隙間時間を活用しながらインプットできるのが大きなメリットで、多忙なライフスタイルに寄り添う、新しい読書体験ができるサービスとして注目を集めています。

Staff Credit

撮影/山崎ユミ ヘア&メイク/中西樹里 スタイリスト/岡村春輝  取材・文/野々山 幸(TAPE)

<衣装クレジットおよびお問合せ先>
ワンピース¥107800/3.1 フィリップ リム ジャパン (3.1 フィリップ リム)
イヤカフ¥3080/ジョワイユ(オイル)
リング¥59400/プライマル(プライマル)

3.1 フィリップ リム ジャパン customercare@31philliplim.co.jp
ジョワイユ 03-4361-4464
プライマル(プライマル)support@prmal.com

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