LIFE

「40代の出産」リアルStory

飼っていた猫との関係性に変化が

40歳で初産し、産後はうつ状態に。子どもの成長とともに育児に余裕が持てた【「40代の出産」リアルStory】

2024.10.29

この記事をクリップする

「40代の出産」リアルStory

一般的には35歳以上の初産が高齢出産と定義されていますが、最近では40代での出産も増加傾向に。そこで、実際に40代の出産を経験した読者にインタビュー。40代ならではの大変さや、年齢を重ねたからこそのよかったことなども聞きました。

40歳で初産

産後はうつ状態に。子どもの成長とともに育児に余裕が持てた

れいかさん(46歳)

LEEメンバー

れいかさん(46歳)

夫、6歳の娘の3人家族。建築の仕事をしていたが、結婚後に地元の植物園に転職。産休・育休を経て復帰。現在は任期満了しパート&フリーランスに。

妊娠したことにより、飼っていた猫との関係性に変化が

20代はあまり結婚や出産に興味がなく、都内でひとり暮らしをしていたというれいかさん。35歳で結婚すると地元に移り住み、不妊治療をスタート。

「建築関係の仕事で日々忙しく、20代後半で猫を飼うためもあってマンションを購入。猫と楽しく暮らしていました。結婚後もしばらくは数時間かけて地元から都内まで通っていたのですが、帰宅が23時頃になることも多く、このままだと妊娠は難しいなと。地元の植物園に転職して、37歳から本格的に不妊治療を開始しました。夫が5歳年上で、お互いの年齢のこともあり早めの妊娠を望んでいたので、すぐに体外受精へ。39歳の後半に、4回目の体外受精で授かることができました」

妊娠中はホルモンバランスが乱れ、心身ともに不安定に。

「じっとしていられず、部屋のあちこちを片付けて“巣作り”のような行為をしたり、夜中に3時間おきに目が覚めて寝られなかったり。後で知ったのですが、妊娠中から体が授乳の準備を始めていて、眠りが浅くなることはよくあるみたいですね。自分のペースで好きなように生活していた時期が長かったので、野生的な感覚に振り回されるような、不思議な感じがしました。一番驚いたのが、あんなに愛情を注いでいた猫に対する気持ちの変化。どこか敵のように感じてしまったのか心の距離ができて、猫のほうも私のおなかはどんどん大きくなるし、何か変だと察したよう。産後も赤ちゃんへの警戒心が強く、互いにあまり仲よくならないまま数年前に猫が息を引き取ってしまったのは、今でも心残りです」

さらに妊娠中は、染色体異常の検査を受けるかどうか迷いも。

「不妊治療を頑張ってようやく妊娠できて、異常があったら産むことをやめるという選択肢はありませんでした。というよりも、万が一何かあれば、早めに準備をしておくべきなんじゃないかなという思いが強くて。これは夫と母に真剣に相談しました。結局は都内に染色体異常を専門に調べてくれる病院があると知り、そこで検査を行いました」

生理や出産のタイムリミットは、自分の経験を踏まえて話したい

無事に出産した後もホルモンバランスの乱れが続き、産後うつのような状態も経験。

「本当は里帰り出産をしたかったのですが、両親が高齢なことと家庭の事情もあり、受け入れられないと言われてしまって。親の体力的にも厳しいだろうし仕方ないなと思っていたはずが、思った以上にショックを受けてしまったんです。それに、初めての育児はわからないことだらけ。授乳中も、5分おきに左右を替えるように教えてもらったのですが、5分がうまく計れなかったり。『おっぱいが出なくなったらおしまいでいいよ』と言われても、感覚がつかめなくて、すべてが面倒に。でも、40代で出産して、こんなに大人になってから親になったんだから、そんなこと口が裂けても言ってはいけないと自分を追い込んでしまって。このときは本当にしんどかったですね。夫も私の様子がおかしいことに気づいてはいたと思うのですが、見守ってくれていて。私からつらい気持ちを話すと、ただ受け止めてくれました。気持ちを共有できて、少し落ち着きましたね」

お子さんの成長とともに、少しずつ心穏やかでいられるタイミングが増えて、余裕を持って育児に取り組めるようになったと言います。

「自分と子どもは別の人間であるとしっかりわかっているので、過度に期待することはありません。でも、愛情はきちんと伝えていきたい。こんなふうにほどよく距離をとった育児は、若い頃の自分ではできなかったかなと思います。普段も、親子でもわからないことはあるから、お互いはっきりと気持ちを言い合いましょうと。『私に対して嫌なことがあったら言ってね』とも伝えています。また、これもこの年齢で出産したからというのも大きいと思うのですが、性教育は早めにしていきたいです。女性には生理があることや子どもができる仕組みなど、ありのままを伝えていきたいなと。自分の経験も踏まえて、出産にはタイムリミットがあること、選択すべきタイミングがあることなども、包み隠さず話したいと思っています」

History
れいかさんのこれまで


35歳

結婚

37歳

不妊治療を開始。タイミング法を1年ほど続ける

40歳

転院して体外受精4回目で妊娠、出産

41歳

産後1年で保育園入園、仕事復帰

Photo
妊娠・出産

長年飼っていた猫と娘さん。写真では仲よさそうに見えるものの、実際はお互いに警戒していたそう。

長年飼っていた猫と娘さん。写真では仲よさそうに見えるものの、実際はお互いに警戒していたそう。



Staff Credit

イラストレーション/フジノマ 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2024年LEE11月号(10/7発売)「「40代の出産」リアルStory」に掲載の記事です。

この記事へのコメント( 0 )

※ コメントにはメンバー登録が必要です。

LEE公式SNSをフォローする

閉じる

閉じる