ショウタ×シンタロウのコンビで帝国劇場の最後の“ドリボ”を演じる!【2024年】
『DREAM BOYS』は、2004年の滝沢秀明さん主演による初演以来、亀梨和也さん(04~12年主演)、玉森裕太さん(13~18年主演)、岸優太さん(19~21年1月主演)、菊池風磨さん(21・22年主演)らを中心に、毎年さまざまなタレントの組み合わせで大切に演じ継がれてきた、夢見る少年たちのかけがえのない友情を描いたストーリー。
2019年より、演出にKinki Kidsの堂本光一さんが関わり、作品を磨き上げてきました。今年も昨年(2023年)に続き、主演をSnow Manの渡辺翔太さん、ライバルのチャンプ役をSixTONESの森本慎太郎さんが演じます。今作には少年忍者の全メンバー21名も出演。また、帝国劇場の建て替えに伴い2025年2月より一時休館するため、現・帝国劇場での公演は今回が最後となります。
この記事では、10月7日に行われた、ゲネプロの様子を詳しくお届けします。
劇中写真とともにご紹介
終わらない夢を描こう…。ふたりの夢がつなぐ対立と絆のストーリー【ネタバレを含みます】
ショウタ(渡辺翔太さん)とシンタロウ(森本慎太郎さん)は、子どもの時からボクシングジムへ通う仲の良い親友であり、良きライバルでした。
しかし、8年前の新人王争奪戦の決勝。3ラウンド目で、突然ショウタは何も言わずに試合を放棄します。そして、同じ夢を追いかけていたふたりの絆も切れたのでした。
月日が経ち、シンタロウは無敗を誇るチャンプになり、ショウタは、プロデューサーのマダム・エマ(鳳蘭さん)がいる芸能会社と契約をしていました。ある日、新進気鋭の芸能プロデューサー・マリア(紫吹淳さん)から、シンタロウの半生を追う映画の主演であるチャンプ役の話を持ちかけられ、引き受けることに。実は、ショウタが弟のようにかわいがっているコウキ(川﨑皇輝さん・少年忍者)の心臓の病気を治すために手術が必要で、その費用を稼ぐためだったのです。
しかし、事情を知らないシンタロウは、8年前にボクシングの夢をあきらめたショウタが、お金のためにチャンプ役を引き受けたことに納得できず、撮影現場に乗り込み、撮影を中断させます。
ショウタは、シンタロウに土下座をして撮影再開を直談判。すると、シンタロウは、「俺ともう一度ボクシングの試合をして勝ったら」という条件を出し、ショウタはそれを承諾したのです。
8年越しの試合。激闘の末、ショウタの中で眠っていたボクサーの血がうずき、カウンターパンチがシンタロウの顔面を直撃し、ショウタは勝利。倒れたシンタロウはそのまま病院へ運ばれます。しかし試合後、マリアがショウタのグローブから鉛の板を見つけ、反則をしたのではと試合会場は騒然。何が起こったのか理解できずに呆然とするショウタに、マダム・エマが「ここは私に任せなさい。時の流れが全てを解決してくれるまでは姿を隠すの」と言い、ショウタは会場から離れることに…。
警察に追われるショウタは、マダム・エマが所有する古びた劇場で隠れることに。そこで体を休めていると、シンタロウを慕うナオ(織山尚大さん・少年忍者)が探しあて、ショウタへの怒りから刃物を向けて襲いかかります。同じくショウタを探していたコウキがその様子を見て助けに入るも、誤ってナオを刺してしまうのです。そのショックで心臓発作を起こすコウキ。彼を病院に向かわせて救うため、すべての罪を背負うとショウタは覚悟し、逃亡生活をすることに。
一方、病室で目を覚ましたシンタロウは、病室に来ていたコウキと話すことで病気のことを知り、ショウタがボクシングをやめた理由に気づく。自分の先は長くないと悟っていたシンタロウは、「大切なことは、何があっても絶対に諦めないことだ」とエールを送り、コウキに自分のグローブを渡します。さらに、ナオが病室に訪れ、ショウタがボクシングの試合から逃亡していることを知り、「鉛の板なんて入っていなかった! 実際に戦った俺にはわかる!」と激昂。これを聞いたナオを始めとした仲間たちは、“あのふたりなら何かを知っているはずだ”と、マダム・エマとマリアのもとへ向かうのです…。
最後は、キャスト全員で『Next Dream(フィナーレver.)』を熱唱し、舞台は終了します。ちなみに、オープニング曲『Opening Next Dream』では森本さんがフライングをする場面が見られました。
主人公・ショウタで観客をクギづけ
体を張った演出をやり遂げ、どこか影のある役を繊細に演じた渡辺翔太さん
渡辺さんは、つねにどこか寂しそうで儚げな表情を浮かべ、トラブルや悩み事をひとりで抱えてしまうショウタを繊細に好演。また、コウキに向ける優しい視線や言葉からは本当の兄弟のように生きてきたふたりの関係性が伺えました。
その繊細に演じている気持ちや表情とは裏腹に、警察に追われるシーンでは「何もかも引き受けてやろうじゃねえか!」と叫びながら舞台より低い位置にあるオーケストラピットにダイブしたり、不気味な夢のシーンでは1本のロープをつかんで回転したり、腕の力だけでロープを登った後に急降下するスリリングなダイブも。街中を逃亡するシーンでは、歴代の主演も挑んだドリボ名物、壁を地面のようにして走ったり飛んだりする“ウォールフライング”を披露。体を張った迫力あるパフォーマンスで観客を魅了していました。
ステージ上で服を着るための間をつなぐアドリブシーンでは、「演出家の堂本光一くんに、“このシーンなんとかなりませんかね”と、(昨年に続いて)今年も言ったところ、ダメだとすぐ言われました」と苦手意識を吐露。シリアスなシーンが多いストーリーの中、クスッと笑えるひとときもありました。
チャンプ・シンタロウを熱演!
激しさと穏やかさのギャップがあるチャンプをうまく表現した森本慎太郎さん
現役のチャンプらしく、余裕とプライドを感じさせる堂々とした姿が目を惹いた森本さん。少年忍者が演じるジムの若い練習生たちを従える力強さと勇ましさも昨年に続いて健在です。また、かつて試合を放棄したショウタには激しい怒りをぶつける荒々しさも体現し、歌唱シーンではパワフルな歌声を響かせ、圧倒的な存在感を放っていました。しかし病に倒れてからは、コウキ(写真・左)やナオに優しい表情を、ショウタに別れを告げる場面では穏やかな表情をし、チャンプの懐の深さや心の温かさを感じられ、振り幅のある演技が魅力的でした。
渡辺さんと森本さんは、『DREAM BOYS』を演じるのは2年目。ふたりとも、昨年よりもボクサー役としての体の仕上がりも完璧で、演技は深みを増したように感じました。また、Snow ManとSixTONESの一員として、ジュニア時代から切磋琢磨して歩んできたふたりが演じたからこそ、ショウタとシンタロウは見えない絆で結ばれていると、より感じることができた舞台でした。
舞台『DREAM BOYS』
2024年10月9日(水)〜10月29日(火) 東京・帝国劇場
■キャスト・スタッフ
演出:堂本光一
出演:渡辺翔太(Snow Man)、森本慎太郎(SixTONES)
田村海琉、織山尚大、川﨑皇輝、内村颯太、深田竜生、黒田光輝、檜山光成、久保廉、小田将聖、元木湧、北川拓実、青木滉平、安嶋秀生、ヴァサイェガ渉、鈴木悠仁、瀧陽次朗、川﨑星輝、山井飛翔、長瀬結星、豊田陸人、稲葉通陽(少年忍者)
紫吹淳、鳳蘭
Staff Credit
撮影/新谷真衣 取材・文/宮平なつき
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