Dear my Love…
竹下玲奈さんの
娘に受け継ぐものがたり
vol.4
革財布
若い娘へ自信を渡す、“母のお下がりのお財布”
今現在、よく使っているのは、右下の小さなエルメス。日常使いのバッグが小さいので、それに合わせてのチョイスです。大きなバッグをヘビロテしているときは長財布にスイッチしたり。切り替えるタイミングは、そんな感じかな。でも、長財布をお尻のポケットからちょっと出して歩きたいっていう時期もあったりして(笑)、気分次第で使い分けています
竹下玲奈さん
大小様々、個性が異なるお財布たち。実はこれはすべて、現役のお財布なんです。“数年使ったら、買い換える”。20代までの私は、お財布はそういったものだと思っていました。でも、ここ10年ほどは、複数のお財布をローテーションさせて使っています。
私のお財布への価値観を変えたのは、アーツ&サイエンスの長財布(写真上から2つ目)との出会いでした。使うにつれ、自分自身が移っていくようなしなやかな革。愛着という言葉では足りないくらいのつながりを感じていた頃、このお財布に、“疲れ”が見え始めたのです。かといって、捨てるなんてとんでもない。では、“お休み”させてみようと、別のお財布を使うことに。もちろん新品とは違う、味わいのある姿ではありますが、しばらく休んだお財布は、不思議なくらい復活していたのです。それ以来、お財布は、“しばらく使ったら、しばらく休ませる”。これが私にとって、心地よい習慣になりました。
それらの中からすでに、受け継がれていったものがあります。歌舞伎の図柄が描かれたルイ・ヴィトンのお財布。受け継ぎ先は、私の母です。私が持っていたお財布を母があまりに気に入ったので、その場で渡したというシンプルな流れなのですが、母はその後何年も、修理してまで使ってくれています。
これもまた不思議なもので、私が10代後半の頃は逆に、母から私へと、受け継がれたお財布がありました。自分のお小遣いでは決して手にできない高価なブランド財布。友達が見たら、その素敵さよりも、「そんな高いものをなぜ?」という思いが先立ってしまうような、分不相応なお財布。でも、“母のお下がり”となれば、別の見え方になるのです。若い私は当時、“母のお下がりのお財布”から、どれだけの自信をもらったことでしょう。
大人になれば持てる自信が、なぜか若い頃には自分だけでは持てないことがあって。私も娘へ、少しの自信を渡せたらいいなと、このお財布たちを眺めるたびに思うのです。
竹下玲奈
Rena Takeshita
モデル
1981年、鹿児島県生まれ。14歳でデビュー以来、トップモデルとして活躍。群を抜いたセンスに業界内のファンも多く、“モデルが憧れるモデルNo.1”との呼び声が高い。『LEE』では、モデルとしてはもちろん、その愛情あふれるライフスタイルが読者の心をつかんでいる。
Staff Credit
スタイリング/竹下玲奈 撮影/長山一樹(S-14) 取材・原文/磯部安伽
こちらは2024年LEE7月号(6/7発売)「竹下玲奈さんの娘に受け継ぐものがたり」に掲載の記事です。
竹下玲奈 Rena Takeshita
1981年、鹿児島県生まれ。14歳でデビュー以来、トップモデルとして活躍。群を抜いたセンスに業界内のファンも多く、“モデルが憧れるモデルNo.1”との呼び声が高い。『LEE』では、モデルとしてはもちろん、その愛情あふれるライフスタイルが読者の心をつかんでいる。
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