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LIFE

私のウェルネスを探して/hitomiさんインタビュー前編

ステップファミリーの難しさ、娘の思春期、自身の更年期が重なり悩んだ時期も。hitomiさんを救った「頑張らない」ルール

  • LEE編集部

2024.07.06

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hitomiさん

今回のゲストは、歌手のhitomiさんです。hitomiさんは、17歳でモデル業を始め、18歳の時に歌手デビューし「CANDY GIRL」「GO TO THE TOP」をリリースし話題に。以降、「LOVE 2000」「キミにKISS」「SAMURAI DRIVE」などヒット曲を連発し、プライベートでは3度の結婚を経て4児の母親となりました。

前半では、hitomiさんの忙しい日々でのリフレッシュ方法や40代後半を迎え「頑張らない」をルールに自分らしくいられるコツについてお聞きします。また、子連れ再婚したステップファミリーならではの悩みや、幼少期のエピソードからくる子育ての苦悩を語ってくれました。hitomiさんが憧れていた「家族のあり方」とは。(この記事は全2回の第1回目です)

日々大切にしていることは頑張らないこと。とにかくハッピーでいたい

hitomiさんは現在15歳、9歳、7歳、4歳の子育てを歌手と兼業しながら続けています。日々大切にしていることは頑張らないこと。デビューから20代は多忙な時期を過ごし、頑張ることが根付いてしまっていた自分の鎧を外し、いかに肩の力を抜けるか、ズボラになれるかをテーマにしています。

「頑張りすぎると、免疫力が下がったり病気になってしまったり、あまり良いことがないのかもしれない。去年、急性腸炎と溶連菌にかかってしまったのですが、それが原因かもしれないと思って。子育てや家事、日々やることが多すぎるんですよね。忙しすぎると体の声、心の声に気づかず、つい無理してしまう。

子育てをしているとついイライラしてしまいがちですが、私はとにかくハッピーでいたい。健康でいたいし、笑顔でいたい。笑顔でいないと子どもから“お母さんどうしたの?”なんて言われちゃう。だからいつも健康で笑顔でいられるように無理しない、頑張りすぎないようになりました」

子育てや仕事で忙しくても、自分を省みる「ひとり時間」を持つことでリフレッシュ

子育てのリフレッシュ方法は、自分を省みるひとり時間を持つこと。忙しい合間に時間を見つけ、自分のために好きなこと、気持ちがリフレッシュできることをやります。

「ハッピーじゃない状況からどう抜け出すか。自分なりの嫌だな・違うなということに気づいて、それを少しでも軽減できる方法を見つけます。私の場合は、ひとりカラオケ、マッサージ、トレーニング。声を出したり体を動かすことでストレス発散します。ひとり時間も大事ですよね。お気に入りのカフェでひとりお茶する時間、仕事からの帰り道ひとり車を運転して帰ってくる時間も大切です」

hitomiさん

とはいえ、たまに手いっぱいになり育児が嫌になってしまう瞬間も。そんな時には、“プチ家出”。混乱した状況をクールダウンさせ、ひと呼吸置く時間を作ります。

「“もうみんなの言うこと聞いてられないよ! パパ、よろしく!”って、家の近くのセブン-イレブンでコーヒーを飲んで帰ってきます。子どもたちからあれこれ言われすぎて、“もうダメ!”となって愛犬のハナちゃんを連れてのプチ家出ですね(笑)。できない時はできないとはっきり言う。そうしないと子ども4人の意見を受け入れるなんてできないんですよね。子どもの意見のため、誰かを優先して自分がへとへとになったり、自分をすり減らしてまで頑張るのは違うと思っていて。もちろん自分だけが幸せになるのではなく、バランスを取ることが大事だと思いますが」

両親が不仲で家族が一緒に過ごせず、家族への憧れが強かった幼少期

hitomiさんには幼少期から夢がありました。1つ目は歌手になること、2つ目は家族をつくることです。hitomiさんの両親は喧嘩が多く、小学1年生の時別居することに。hitomiさんは母親の元へ、兄は父親の方に行き、別々の生活をするようになりました。そんな経験から、いつかは家族を作りたい、家庭を持ちたいと思うようになったと言います。

「両親が不仲で家族が一緒に過ごせなかったことから、家族への憧れがすごく強かったんです。私はおばあちゃん子だったんですが、祖母は私と同じように4人の子を育てていて、どこかシンパシーを感じていて。私も子育て頑張ろう!みたいな気持ちもあるんですけど、実際やってみると追いついてないことばかりなんですけどね」

hitomiさん

両親の別居後は母親が仕事をしていたので、家のことは「ほぼ自分でやっていた」そう。その後、母が足の怪我をして一緒に暮らすのが難しくなり、父親の元へ。そこでも父親は仕事が忙しく、家の仕事はhitomiさんがやっていたといいます。

「平日はほぼ兄と私だけ。朝ごはんも自分で作って学校に行き、学校から帰ったらスーパーに行って買い物や洗濯をして、兄の制服のシャツにアイロンをかけたりもしました。他に家のことをやる人がいなかったので、やるのが当たり前になっていました。小学生の時は、母が運動会に来られなくてお弁当がなくて、友人の家の昼食に混ぜてもらったこともあります」

hitomiさん

中学の時はお弁当持参だったそうですが、それも自分で作っていました。だけど本音は、「みんなが持ってきているお母さんが作ったお弁当がとても羨ましかった」と言います。

「息子のお弁当を5年ほど作っていますが、自分が作ってもらえなかったからこそ子どもたちに作ってあげたいんです。そうすることで過去の自分のモヤモヤを帳消しにしたい気持ちもあって。子どもの頃友人宅に泊まりに行って、朝ごはんにオムライスが出てきた時、とても感動したんです。今子どもたちにオムライスを作る時は、みんな“薄焼き卵で包んで”とか“トロトロの卵にして”とか言うことが違って作るのも大変なんですが(笑)、その時の思い出がいまだに忘れられない自分がいるからか、つい頑張っちゃうんです」



ステップファミリーの難しさ、娘の思春期、自身の更年期が重なり悩んだ時期も

hitomiさんの長女は15歳。5歳の時に今の夫と結婚しているので、連れ子での再婚になります。最近では、そういった家族をステップファミリーと呼び、新しい家族の形として少しずつ知られるようになりました。親子関係の難しさと娘の思春期とが重なり、悩んだ時期もあったと言います。

hitomiさん

「時間をかけて、ようやく少しまとまってきた感じがあります。女の子だし、成長が早くて気持ちがしっかりしている分なかなか受け入れることも難しかったと思います。少し進んだり、また戻ったり。壁にぶつかったことも何度もありました。家族になって10年が経ちますが、思春期ならではの難しい時期もあったりで、簡単に“ハッピーです”とは言えない10年だったと思います」

自身の更年期の不安定さも重なり、「自分は大好きだったおばあちゃんみたいに豊かな人になれるのかな」と不安になったことも。そんな時、知り合いから「子育ては少し放っておく。ちょっと気にかけ過ぎなのかもしれないよ」とアドバイスをもらい、すっと心が軽くなったそうです。

hitomiさん

「型にはめようとするのをやめた時、すごく気持ちが楽になったんです。ああ、それくらいの距離のほうがいいのかもしれない、と。何はともあれ、美味しいご飯を作って食べさせる。それだけでも伝わるものがあるんじゃないかなと。中1から中2くらいの時、声をかけても返事が返ってこない、口調が強くなったりと一番大変でした。そんな時期を乗り越えて、今は娘と“あの時大変だったよね”と言い合えるようになりました」

母親不在の幼少期が宿命だとしても、自分なりに今できることをやるだけ

母親不在の幼少期を過ごしたため、母親としてどうしたらいい? どうすべき? と悩むことも。母親というモデルが幼少期にわからなかったから、模索しながら子育てをしているそうです。

「自分がもし親から何かしてもらえていたら違っていたのかなと思います。だけど自分が育った環境が宿命だとしたら自分なりに、今できることをやるだけ。子どもを思って手をかけ過ぎて、先回りしていろいろ考えてしまう。一生懸命やればいい、それだけではないのが子育てなんですよね。若い時は自分で決めて答え合わせをしてきたつもりでしたが“答えがないものもある”と、と子どもと接していて強く感じます。子育てって、思うようにいかないじゃないですか。自分の思うようにしようという考え方が自体が違うんですよね。日々失敗や後悔を重ねながら母親業を改めて学ばせてもらっています」

hitomiさん

My wellness journey

私のウェルネスを探して

hitomiさんの年表

1976

神奈川県生まれ

1993

雑誌『Fine』のモデルになる

1994

小室哲哉プロデュースのシングル「Let’s Play Winter」で歌手デビュー

1995

シングル「CANDY GIRL」をリリース

2000

シングル「LOVE 2000」をリリース。同年開催のシドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子選手が試合前に「LOVE 2000」を愛聴していたことが話題に

2008

第一子を出産

2014

第二子を出産

2016

第三子を出産

2019

シングル「LOVE 2020」をリリース、デビュー25周年を迎える

2020

第四子を出産

hitomiさん

Staff Credit

撮影/高村瑞穂 ヘアメイク/松田美穂(allure) 取材・文/武田由紀子

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LEE編集部 LEE Editors

1983年の創刊以来、「心地よいおしゃれと暮らし」を提案してきたLEE。
仕事や子育て、家事に慌ただしい日々でも、LEEを手に取れば“好き”と“共感”が詰まっていて、一日の終わりにホッとできる。
そんな存在でありたいと思っています。
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