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映画『キングダム 大将軍の帰還』に出演

【大沢たかおさんインタビュー】痛みもすべて含めて、“表情”になればいいと思って臨んだ

2024.07.11

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痛みもすべて含めて、“表情”になればいいと思って臨んだ

大沢たかおさん

大沢たかおさん

取材ルームに登場するなり、「LEEといえば集英社ですよね」と、気さくに声をかけてくださる大沢たかおさん。驚くスタッフに、「初めて僕を使ってくれたのはメンズノンノですから、もちろん忘れませんよ!」と、当時の編集長やスタッフの名、思い出のエピソードを次々と挙げて皆の近況を尋ねます。そんな初心を忘れない大沢さんだからこそ、ベテランとなった今、全方位から慕われるのでしょう。例えば大ヒット作『キングダム』シリーズでも、主演の山﨑賢人さんが「信を育ててくれた王騎と大沢さんの存在が重なる」と、敬愛の情を示します。その人気シリーズ4作目『大将軍の帰還』は、ある種のクライマックス。王騎を演じる大沢さんのギアも、さらに一段アップしたかと思いきや……。

「1作目の後は少し時間が空いたので、体を作りすぎて鎧が入らなくなって作り直していただいた、なんてこともありましたが(笑)。2作目以降は、自分の意識としても、王騎の見せ方としても、何も変わらずに臨んでいましたよ。というのも、そもそも『キングダム』の現場って、エネルギー量が異様に高いんです」

前作『運命の炎』から続く、秦と趙による国の存亡を賭けた〈馬陽の戦い〉で、遂に両国の総大将が直接対決! 終盤、熱さMAXの一騎打ちが繰り広げられます。敵国の龐煖には、前作ラストシーンから登場の吉川晃司さん。秦の総大将はわれらが王騎。その闘いの凄まじさたるや!

「2人が闘うあのシーンだけで、4、5日ぶっ通しで延々と朝から晩まで撮っていました。普通の殺陣なら経験はありますが、あの長くて巨大な鉾での闘いは初めてなので、トレーニングに時間もかかり、かなり大変でしたね。『キングダム』のアクションは華麗でカッコいい動きは必要なく、むしろパワー勝負に近い。だから本気で(鉾を)振るべきですが、あんな鉾を何日も振っていたら、ひざも腰も痛くなる。でも、そうした痛みもすべて含めて“表情”になればいいな、と思いながらやっていました」

もはや息をするのも忘れるほどの圧巻の迫力! 闘いの後、皆に語りかける王騎の言葉は落涙必至。秦軍家臣の心情も、スクリーンからビリビリと震えるように伝わってきます。

「台本何ページ分かは忘れましたが、あのシーンは一気に撮りました。アクションシーンは何度も繰り返して何カットも撮りますが、芝居場面はリハーサルもなく、僕ら俳優チームのハートに任されていて、ほぼ本番一発撮りに近いんです。飛信隊にはエキストラさんも多くいますが、山﨑(賢人)君たちの熱量が伝染するんでしょうね。細かな指示を出さずとも、いきなり全員が号泣し、叫びだし、それは本当にスゴかったです。想像をはるかに超えて自然発生的な、異様な緊迫感がありました」

さて、莫大な熱量を傾けてきた本シリーズも今作で一服。その空いたお家時間はどう過ごしますか。

「元からひとりでゆっくり過ごすのが好きでしたが、最近よりボーッと何かを考える時間が好きになってきて。家ではお酒を飲みません。別にストイックなわけではなく、僕の中でお芝居ってすごくフワッとしていて、それをつかめるかつかめないかなんです。飲むと翌朝ニュアンスが変わって、そのふわっとしたものがいなくなっちゃうときがある。それが怖くて自然と控えるようになりました」

PROFILE

3月11日、東京都出身。1987年よりモデルとして活動開始。MEN’S NON-NO専属モデルのほか、パリ・コレクションでも活躍。近年の代表作に、映画『AI崩壊』(’20年)、『キングダム』シリーズ(’19年、’22年、’23年、’24年)。配信ドラマ『沈黙の艦隊 シーズン1 ~東京湾大海戦~』(’24年)は主演、プロデュースを務める。
X:https://x.com/Takao_Osawa
公式サイト:https://osawatakao.jp/

『キングダム 大将軍の帰還』

『キングダム 大将軍の帰還』
©原泰久/集英社 ©2024 映画「キングダム」製作委員会

中国春秋戦国時代。秦と趙の存亡を懸けた〈馬陽(ばよう)の戦い〉で敵将を討った信(山﨑賢人)ら飛信隊の前に、存在が隠されていた敵国の総大将・龐煖(ほうけん)(吉川晃司)が現れる。自らを武神(ぶしん)と名乗る龐煖に、飛信隊員は次々と命を奪われる。龐煖と浅からぬ因縁を持つ秦の総大将・王騎(大沢たかお)は、遂に直接対決へと向かう。原作者・原泰久が脚本も手がける。7月12日(金)より全国ロードショー。


Staff Credit

撮影/木村 敦 ヘア&メイク/神川成二 スタイリスト/黒田 領 取材・文/折田千鶴子
こちらは2024年LEE8・9月合併号(7/5発売)「カルチャーナビ」に掲載の記事です。

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