LIFE

きっといろんな記憶が蘇る

【竹下玲奈さんの「アスティエ・ド・ヴィラットのコレクション」】“実家の懐かしいお皿たち”

  • 竹下玲奈

2024.06.25

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Dear my Love…

竹下玲奈さんの

娘に受け継ぐものがたり

vol.3

アスティエ・ド・ヴィラットのコレクション

きっといろんな記憶が蘇る、“実家の懐かしいお皿たち”

アスティエ・ド・ヴィラットのコレクション

アスティエを収めているのは、2年前の引っ越しを機に、わが家に迎えた食器棚。娘も大きくなって、そろそろ大切なものを飾れる、“私だけの場所”があってもいいかなと思って手に入れました。娘はこの前を通るとき、慎重になっている気がします(笑)

竹下玲奈さん

27歳のときに、仕事で訪れたパリ。雑貨に詳しいヘアメイクさんに、「玲奈も絶対好きだから」と誘われて、撮影の合間に訪れたのが、当時はまだ日本での知名度があまりなかった、アスティエの本店でした。真っ白なお皿がざっくばらんに並べられた店内は、それまでに見たこともなかった夢のような世界。正直、何を買ったらいいのかわからなかったくらいに、圧倒されたことを覚えています。あれから15年あまり。自分へのご褒美として月に一枚買うと決めていた時期や、お店で眺めるだけだった時期、食器以外の雑貨に惹かれた時期などを経て、コレクションと呼べるほどの数へと膨らんでいきました。

私の大切なアスティエ・コレクション=娘へ受け継ぐものと、すんなりいけばいいのですが……そう簡単に、美談にはなりそうもありません。今の娘はこのコレクションを、怯えるような目で見ているのです(笑)。

“ある程度の年齢になると、手で触ったものの感覚を覚え始める”。娘が物心つくかつかないかの頃、たまたま目にした文言。意気込んだ私は、ほかの陶磁器と同じように、この繊細なアスティエを、娘に使わせたのです。そう。まだ小さかった娘は、悪気なくバンバン割る。それを私は優しく見守れるはずもなく、本気で怒る。その繰り返し。いつしか娘はアスティエを手にすると、「これって、もしかして、アスティエ?」と、慎重な手つきと怯えた目で、尋ねるようになりました(笑)。

実家に帰ると、不意になじみのあるお皿が出てきて、安心感に満たされることってありませんか? 何十年も前に使っていた家族のお皿と一緒に、ぼんやりと蘇る記憶があったりして。娘にとってはアスティエが、そんな存在になってくれたら……と思っているのですが、“大人の理不尽”のかたまりのようなアスティエの記憶は、恐怖心でしかないかもしれません(笑)。大切なものを壊してしまったら、人は本気で怒るんだっていう記憶は、きっと残るだろうな。なんて想像をしています。

竹下玲奈さん

竹下玲奈

Rena Takeshita

モデル

1981年、鹿児島県生まれ。14歳でデビュー以来、トップモデルとして活躍。群を抜いたセンスに業界内のファンも多く、“モデルが憧れるモデルNo.1”との呼び声が高い。『LEE』では、モデルとしてはもちろん、その愛情あふれるライフスタイルが読者の心をつかんでいる。


Staff Credit

スタイリング/竹下玲奈 撮影/長山一樹(S-14) 取材・原文/磯部安伽
こちらは2024年LEE6月号(5/7発売)「竹下玲奈さんの娘に受け継ぐものがたり」に掲載の記事です。

竹下玲奈 Rena Takeshita

1981年、鹿児島県生まれ。14歳でデビュー以来、トップモデルとして活躍。群を抜いたセンスに業界内のファンも多く、“モデルが憧れるモデルNo.1”との呼び声が高い。『LEE』では、モデルとしてはもちろん、その愛情あふれるライフスタイルが読者の心をつかんでいる。

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