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一番身近なアートかも?

「石のオブジェ」まずは道端の石からお気に入りを探してみて【石井佳苗さんのインテリア名品】

  • 石井佳苗

2024.05.28

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連載

KANAE’s MASTERPIECES────Interior Items

スタイリスト

石井佳苗の「インテリア名品」

テイストの変遷や引っ越しを重ねた今も、手元に残る大切なもの。石井さんのスタイルを形作る名品を、毎月1点ずつ紹介します。今回は、幼い頃から気になっているもの。最近は、オブジェとしても人気です。

石井佳苗さん

石井佳苗さん

Kanae Ishii

スタイリスト

「カッシーナ・イクスシー」にて10年間勤務後、独立。雑誌や書籍、広告など多分野にわたる活躍で知られる。住まい作りの感覚を磨くヒントを綴った近著『Heima』(扶桑社)も好評。

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15.

[オブジェ]Objects

石のオブジェ

Item:Stone objects
石のオブジェ

一番身近なアートかも? まずは道端の石からお気に入りをひとつ、探してみて

何しろ、私の名前は「石」井佳苗なものですから、小さな頃から石には自然と興味を惹かれていたのです。通学路で、あるいは旅先の水辺で、気になるものを目にすれば、時には家に持ち帰ることも。大人になってからしばらくはその感覚を忘れていたのですが、ここのところ、“石愛”が再燃しています。

色合い、形、手触り……石にはふたつと同じものはありません。水によって磨かれ、風化し、はるかな年月を経て私の手元にある。そんなふうに考えると、実に大きなロマンを感じます。ちなみに、私の好きな画家、ジョージア・オキーフも石を愛でる一人。彼女の家を撮影した写真集では、窓辺にずらりと並んだ石の姿が確認できます。

心惹かれた天然の石を集めてインテリアにも取り入れてきましたが、数年前からよく手に取るのが、石にひと工夫加えた作品。「HOW TO WRAP_」の≪WRAPPED STONE≫(下写真)は、伝統的な結びの技法による革ひもと石の表情の組み合わせが見事。

「HOW TO WRAP_」の≪WRAPPED STONE≫

一方、竹細工作家の安部仁美さんによる作品(下写真)は、竹の素材感からか、凛とした和の空気が漂います。

竹細工作家の安部仁美さんによる作品

わが家に来る友人に「どの石が好き?」なんてたずねると、おもしろいことに答えはさまざま。意外に石というものは、好みがはっきり出るアイテムなのです。あなたの心に響く、世界にたったひとつのオブジェ。ひょっとしたら家のすぐ近くに、コロンと転がっているかもしれません。

竹で石を包み込んだオブジェと金工作家の宇都宮檀さんによる、石に真鍮をまとわせた作品

右は“やたら編み”にした竹で石を包み込んだオブジェ。「ペーパーウェイトとして置いても、味わいある表情に。重量感のある石と軽やかな竹とのバランスがおもしろいですよね」(石井佳苗さん)。左は金工作家の宇都宮檀さんによるもので、石に真鍮をまとわせた作品。「オブジェとして眺めるほか、お茶会では茶針置きとしても使っています」(石井佳苗さん)

石井さんが少しずつ集めた石の数々

石井さんが少しずつ集めた石の数々。「旅先で拾ったり、人からいただいたり。つるんとした石は、握っているだけで心が落ち着きます」(石井佳苗さん)

Brand:

HOW TO WRAP_

Japan, 2020

石に異素材を組み合わせて、新しい表情をたたえたオブジェたち

伝統的な結びの技法を凝らした〈WRAPPED STONE〉と立ち入りを遠慮してもらう意味で置かれる“関守石”を現代的にアレンジした〈TOMEISHI〉

石と革、自然素材をシンプルに組み合わせた姿に、不思議な力を感じる。左2つは、伝統的な結びの技法を凝らした〈WRAPPED STONE〉。右は、庭園や神社仏閣などで立ち入りを遠慮してもらう意味で置かれる“関守石”を現代的にアレンジした〈TOMEISHI〉。どちらも年月とともに石と革がなじみ、風合いを増していく。今秋、東京・新木場のCASICAにて開催される石井さんのポップアップショップでも取り扱い予定。ブランドの最新情報はInstagram(howtowrap_)にて。

猫

Staff Credit

撮影/宮濱祐美子 取材・原文/福山雅美
こちらは2024年LEE6月号(5/7発売)「スタイリスト石井佳苗さんの「インテリア名品」」に掲載の記事です。

石井佳苗 Kanae Ishii

インテリアスタイリスト

「カッシーナ・イクスシー」にて10年間勤務後、独立。雑誌や書籍、広告など多分野にわたる活躍で知られる。住まい作りの感覚を磨くヒントを綴った近著『Heima』(扶桑社)も好評。初心者にもわかりやすいオンラインレッスンも行っている。

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