妻への気遣いは言葉で伝える
第一子が誕生【おばたのお兄さん】不妊治療の過程で、不妊の原因は男女半々ぐらいの割合であることを知りました
2024.08.04
Interview
治療内容、夫婦関係、お金のこと……
不妊治療経験者のリアル事情
実際に不妊治療をしたことがある30代・40代女性の夫にインタビュー。今回は男性にも話を聞き、不妊治療中の夫の本音に迫ります。
芸人
おばたのお兄さん
自分の体に起きることだから、女性はしんどい。気持ちが軽くなるような声かけを意識しました
おばたのお兄さん
PROFILE
おばたのおにいさん●1988年6月5日、新潟県生まれ。舞台『千と千尋の神隠しSpirited Away』に出演。妻はフジテレビアナウンサーの山﨑夕貴さん。2023年に第1子が誕生。公式YouTube「おばたのお兄さんといっしょ」では、夫婦で不妊治療についての発信も。
公式サイト:https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=4972
Instagram:bataninmari
X:hinode_obt
不妊治療を経験した夫の本音は?
トレーニングが原因で、驚きの事実が発覚!
昨年、第1子が誕生したおばたのお兄さん。いつ頃から不妊治療をしていたのでしょうか?
「結婚してから2〜3年は、妻が朝の番組などを担当していて多忙だったこともあり、タイミングを見て、できる範囲で妊活をしていました。でもなかなか自然には授からず、妻の仕事が一段落した2年ほど前から本格的に頑張ろうということになり、不妊治療専門のクリニックに通い始めました。そこで、タイミング法、人工授精、体外受精と段階を踏みましたが、妻も僕も確率の高い方法でなるべく早く授かりたいという思いが一致。体外受精にマイナスなイメージなどもまったくなかったので、ステップの進み方は早かったんじゃないかなと。普段から会話が多くて、くだらないことも含めて朝から寝るまでずっと話しているので、そのへんの話し合いはスムーズだったと思います」
専門のクリニックで検査と治療を行う中で、驚きの事実も発覚。
「自分は健康体で何の問題もないと思っていたのですが、精子の数が少ないことがわかったんです。直前に体力系のバラエティ番組の収録があって、ハードなトレーニングをしていたので、それが一因だということでした。トレーニングなんて体にいいことしかないと思っていたのに! 体の疲れと精子の量や動きはリンクするらしいんですよね。もちろん一時的なことではあるのですが、これにはびっくりして。それからは、採取する直前は運動を控えたり、体調も左右するらしいので風邪を引かないように注意したりしました。どうしても女性側に原因があると誤解されがちですが、不妊の原因は男女半々ぐらいの割合であるんですよね。これは、男性もきちんと知っておくべきことだなとあらためて思います」
なるべく広く質問をして、話す内容を妻に選んでもらう
自身のYouTubeチャンネルなどでも治療について語り、妻への寄り添い方ややさしい声かけが話題に。夫婦のコミュニケーションで気をつけていたことは?
「妻が病院に行った日は、自分から話を聞くようにしていました。それも『移植の結果は?』などとしぼって質問してしまうと、つらい結果だったときに言いづらいかなと思い、あえて『どうだった?』となるべく広い質問にして、妻が言いたいことを選べるようにしました。自分の体に起きることだから、どうしても女性のほうがしんどくなってしまうことが多いと思うので、僕はなるべく気持ちに余裕が持てるような声かけを。プレッシャーに感じてほしくなかったので『授かれば幸せだけど、2人で一緒に生きていければそれでいいからね』と子どもがマストではないことも、根気強く伝えました。思っていても言わないと意味がないので、言葉で伝えるように意識していましたね」
治療を経験したことで、男性同士の何気ないやりとりにも気を使うようになったそう。
「お酒の場などで『なんで子ども作んないの?』みたいな、デリカシーに欠ける質問をする人がまだまだいるんですよね。深い意味はなく軽く言っているだけだと思うのですが、当事者としては言葉に詰まったことも。子どもがほしくてもできない人もいるし、治療を頑張っている人もいる。想像力を働かせて、一度自分でフィルターをかけてから発言できるといいよね、と妻ともよく話しています」
おばたのお兄さんの気づき
運動のしすぎや風邪も影響。男性にも原因があることを知る
思っていても言わないと意味がない。妻への気遣いは言葉で伝える
治療中は何気ないやりとりに傷つくことも。発言には気をつけたい
Staff Credit
撮影/名和真紀子 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2024年LEE4月号(3/7発売)「不妊治療のリアル ~夫婦関係、お金、治療のやめどき~」に掲載の記事です。
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