夫婦のこと、お金のことなど…
「不妊治療の本当のところ」LEE読者170人のアンケートから分かったお金、夫婦関係、やめどきのリアル
2024.07.07
170人の声からわかった
不妊治療のリアル
~夫婦関係、お金、治療のやめどき~
最新の調査では、体外受精で生まれた子どもは約7万人と過去最多に(日本産婦人科学会調査より)。LEE読者の間でも、実は経験者が多い不妊治療。治療中に悩みやすいと言われる“夫婦関係”や“お金”のことに加えて、今回は“治療のやめどき”とその先の選択肢についても考えます。
LEE読者170人にアンケート
1
不妊治療をしたことがありますか?
約7割が経験者!
回答した人の約7割が不妊治療経験者という高い割合に! 経験者の内訳は、授かって治療を終えた人が約70%、治療を継続中と、授からずに治療をやめた人がそれぞれ約1割。その他、授かってはいないけれど休止中や、2人目を希望して治療を再開している人も。
2
友達や同僚など、周りの人と不妊治療について話した経験は?
「友達や職場の先輩にいつからどんな治療をしているかを話した。なかなか結果につながらず、精神的につらかった気持ちも聞いてもらったことも」(みのりさん)と経験者からの発信のほか、当事者でなくても友達や同僚など周りに多く、話題にしたことがある人が多数。また「治療していたことを特に隠していないので、周りに気軽に話しています。SNSでも体験談などを記録」(ほたてさん)など、以前はオープンにしづらかったことも、話しやすい雰囲気が少しずつ広がっているよう。
3
費用は不妊治療を続けるかどうかの決め手になると思いますか?
85%が決め手になると回答。「体外受精・顕微授精まで進めば治療費がかなりの高額に。継続して回数を重ねられるかは、お金の問題が大きい」(ぐみーさん)、「ここまでなら出せるという金額を超えたら、治療をやめると決めていた」(ありさん)などの声が多数。
4
あなたの夫は不妊治療に協力的ですか?
約7割が協力的だと回答し「体がつらいときに気遣ってくれた」(なみこさん)との声。ただ気持ちの面では「私の子どもがほしいという気持ちの強さに夫がついてこられなかった」(ふみさん)、「送迎などはしてくれたけど、治療内容は説明しても理解できず」(アミーさん)との本音が。
Report
170人の読者アンケートでわかった
不妊治療の本当のところ
不妊治療中の夫婦関係と、お金のことについてアンケートで調査。どちらも迷いや葛藤が多く、悩める経験者の実情が明らかに。
夫婦のこと
不妊治療を行う中で、夫婦仲が変化したと感じることはありますか?
「タイミング法のときは、忙しくて会話がない中で行為だけするのがしんどかった」(トニとーさん)と、治療の初期で悪化したとの声が。「注射や採卵の痛みがひどく、夫はやさしさで『無理しないで』と言ってくれたけど『無理しないと妊娠できないよ』という気持ちに」(パン子さん)など、すれ違いで関係性が変わっていくケースも。また「心ない発言もあったけど、調子が悪いときに腹巻きを買ってきてくれた」(サナさん)、「最初はギクシャク。だんだんとお互いを思いやるように」(なみえさん)とのことで「どちらとも言えない」の回答も多数。
不妊治療前と比べて、夫婦仲はどのように変わりましたか?
悪化した人、折り合いをつける人などそれぞれ
「悪化した」人は「『俺も検査するの?』と人まかせな態度にガッカリ」(てるさん)、「思い詰める私に『別に子どもはいらない』と。ショックだった」(りくさん)など心の傷が残るケースが。「よくなった」人は「不安を訴えると夫が『俺にぶつけろー』。やさしさに救われた」(コロンさん)との声。また、「夫は極度の恥ずかしがりやで女性が多いクリニックに同伴できず。でも、前向きな声かけなどできることをしてもらった」(100人隊No.043 chatさん)と夫の特性を理解して、折り合いをつけた人も。
不妊治療中、夫とどのような話し合いやコミュニケーションを心がけましたか?
意見や治療後のイメージも共有、旅行で貴重な夫婦の時間も
「私の意見を尊重してくれるのはうれしいけれど、夫が受け身に感じてしまうので、きちんと考えを言ってもらうようにした」(ぷたさん)、「いつまで続けるかのゴール設定と、授からなかったときのイメージも共有」(Yさん)など、たくさん話してお互いの考えや気持ちをすり合わせることが第一。また「治療が一段落したら、夫婦で旅行へ。夫婦2人きりの時間をたくさんとれたのは、不妊治療をしてよかったと思うことです」(やまださん)
お金のこと
不妊治療の費用は、どのぐらいかかりましたか?
ボリュームゾーンは100万〜200万円。人工授精までは1回1万円ほどで済んでいたけれど、体外受精・顕微授精になると費用が大幅にアップ。「支払いは毎回なのでだんだんと感覚が麻痺しますが、採卵に50万円、移植に30万円とすごい金額を支払うことに」(まきさん)とのこと。また、「保険適用前の治療で体外受精・顕微授精で115万円ほどかかったけれど、助成金で35万円戻った」(エマさん)と、自治体の助成金が助けになることも。
不妊治療の過程で、特にお金がかかったのは?
薬、注射、サプリなど予定外の出費も多数
体外受精や顕微授精の採卵、移植などのタイミングだけでなく「薬代、注射代、サプリ代で5万円、10万円に。自費の検査では30万円の出費が。妊娠反応が出てからも、妊娠を継続するための注射や薬に1万円以上飛んでいきました」(こむさん)と、予定外のタイミングでお金がかかることも多々。また、「地方で不妊治療専門のクリニックが家から遠かったので、採卵で体がしんどいときは病院近くのホテルに泊まったり、交通費や外食にもお金がかかりました」(こちゃんさん)とのケースも。
2022年4月から始まった不妊治療の保険適用で、費用の負担は軽くなったと思いますか?
「どちらとも言えない」が半数以上。負担が軽くなった人はもちろんいるものの、「保険適用だとスタンダードで弱い卵巣刺激や最低限の治療しかできず、保健所や厚生労働省に問い合わせても、保険適用になるかどうかは書類を提出してみなければわからないと。自分に合った治療をするために自費を選択」(ちゅまこさん)との本音が。
Staff Credit
イラストレーション/pum 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2024年LEE4月号(3/7発売)「不妊治療のリアル ~夫婦関係、お金、治療のやめどき~」に掲載の記事です。
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