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CULTURE NAVI「今月の人」

『映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ』

【仲 里依紗さんインタビュー】本作のドラマ部分が意外に大人にも響くんです

2024.03.29 更新日:2024.04.04

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本作のドラマ部分が意外に大人にも響くんです

仲 里依紗さん

仲 里依紗さん
トップス¥40700・パンツ¥39600/ミューラル イヤリング¥33000・ビジューリング¥16500/シトロンビジュー チェーンチョーカー¥13200・ゴールドリング(小指)¥4950/ロニ リボンネックレス¥53900(モイラエックスメル)・アームウォーマー¥38500(アクア・リクスン・スー)/イノメント

グリーンベースの個性的なファッションに身を包み、全身からポジティブオーラを発するようにはつらつと登場してくれた仲里依紗さん。ファッショニスタとしても知られる仲さんが、「もちろん、今日は作品を意識して選びました」と語るのは、『映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ』。同作で、映画オリジナルのキャラクター、スイセンを演じています。

「私もよく息子と絵本を読んでいましたが、『おしりたんてい』は今やほぼ誰もが知る存在。でもスイセンは、おしりのフォルムでもなく、普通の人の顔なので必殺技を出すこともオナラをすることもなく、純粋な可愛い女の子役でうれしかったですね」

仲 里依紗さん

アニメーション作品に声優として何度も参加し、高く評価されてきた仲さんですが、それでもスイセン役は難しかったと語ります。

「最初はおしりくんの相棒として、元気いっぱい探偵をしていましたが、“ある出来事”があって姿を消し、10年後にまったくキャラ変して現れる。最初は恥ずかしくなるくらいキャピキャピだったのに、ファッションも雰囲気もガラッとクールに変わってしまっていて。その変化を表情や態度を使うことなく“声”だけで表すのは難しかったですね。ただ逆に声だけなので、探偵特有の長い説明セリフはカッコよくこなせましたが……」

そんなふうにスイセンが変貌した背景には、贋作すり替え事件に図らずもかかわる恩師の複雑な事情がありました。彼が抱える葛藤――才能の有無や世間からの認知は、芸術やエンターテインメントにかかわる人はもちろんのこと、承認欲求を持つ誰しもに思い当たる節があるでしょう。

「そう、このドラマはけっこう大人に響くんですよ。しかも単なる悪役ではなく、そこには寂しさもあって。その気持ちがすごくわかるし、考えさせられました。世間が“いい”と言えば本当に価値があるのか。最後は好みの問題というか。芸能の仕事も同様に、自分の表現をわかってくれる人はわかってくれるけれど、すべての人に“いい”と思われるハズはないと思いながら私もやっています」

仲 里依紗さん

さて、そうと知らなければ仲さんの声だったとは気付かない、さすがの表現力に唸ります。さぞや読み聞かせもうまいに違いありません。

「息子が小さな頃は、寝る前にいつも全力で読んでましたよ。今は成長して、絵本を読みながら一緒に寝ることがないのがちょっと悲しい。でも今は私の仕事に興味が出てきたので、全力で“台本”を読んであげようと思ってます(笑)。一緒に買い物に行ったりすると、しみじみ大きくなったなと成長を感じます」

仕事に家事育児、YouTube配信にブランドのディレクションにと、多忙を極める仲さんですが、家事分担や夫婦関係に不満はないそう。

「私、“ワンオペ育児”って言葉自体、最近まで知らなかったんですよ。言われてみたら、そういう時期もありましたが、気にも留めていなくて。自分が好きなことを、子どもと一緒に自由にやっていた感覚だったというか。逆に今は夫が一人で、子どもの宿題を一生懸命見てくれています。私はそっち方面は苦手なので、うまいこと得意分野が分かれてくれたな、と。それに私は最初から、相手にあまり求めない。元は他人だから価値観も違って当たり前ですし、互いに好きなことをするほうが、子どもも含めてみんな楽だなって思うんです」

PROFILE

1989年10月18日生まれ、長崎県出身。俳優、ファッションモデルとして活躍。近年の代表作にドラマ『離婚しようよ』『大奥』(ともに’23年)、劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』『白鍵と黒鍵の間に』(ともに’23年)など。現在、『不適切にもほどがある!』が放送中。YouTube公式チャンネル『仲里依紗です。』も大好評配信中。
Instagram:riisa1018naka
X:riisa1018naka
公式サイト:https://www.amuse.co.jp/artist/A0154/

『映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ』

『映画おしりたんてい さらば愛しき相棒よ』
©トロル・ポプラ社/2024「映画おしりたんてい」製作委員会

見た目はおしりだが紳士的な名探偵の活躍を描く、人気の児童書シリーズ「おしりたんてい」の劇場版長編第2弾。10年前に姿を消したかつての相棒スイセン(仲里依紗)からメッセージを受け取ったおしりたんていは、各地の美術館で勃発する贋作すり替え事件の捜査をすることに。だが10年前とは人が変わったようなスイセンは、果たして敵か味方か­――。全国公開中。

Staff Credit

撮影/木村 敦 ヘア&メイク/近藤志保(reve) スタイリスト/黒瀬結以 取材・文/折田千鶴子
こちらは2024年LEE4月号(3/7発売)「カルチャーナビ」に掲載の記事です。

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