こんにちは。美容エディターの伊熊奈美です。
今回は、こんな質問から!
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「あまり深く考えずにブリーチするハイライトを入れてみたら、髪の傷みがひどくてちょっと後悔しています。傷まないブリーチってないんでしょうか?」(Akko・43歳)
完全に傷まないブリーチはない!
髪の急激な傷みはショックですよね。ただ結論からいうと、傷みの軽減はできても、完全に傷まないブリーチはありません。
ブリーチとはメラニン色素を脱色することです。ブリーチしながら髪自体を補強する薬剤の進化や美容師さんの技術のバリエーションが広がったことなどから、ここ数年でブリーチが傷みにくくなったことは事実です。
毛先だけを明るくしたり内側にアクセントとして入れたり表面にハイライトの繊細な線として入れたりと、バリエーションも増え、ブリーチは、全体を明るくして白髪を目立たなくする方法としてもポピュラーな手法になりました。写真のように全頭ブリーチでブロンドヘアを楽しむ人も。年齢を問わず、今や誰もが自由に明るい髪を楽しむ時代が到来したのはとってもうれしいこと!
どうしてブリーチすると髪は傷むの?
昔に比べて髪への負担は軽減したとはいうものの、ブリーチ自体の仕組みは変わらないので、傷みを完全に防ぐことはできません。その仕組みとは、
- アルカリ剤でキューティクルを開く
- メラニン色素を脱色する
- 染料で好みのカラーにする
という3つのステップです。
ブリーチ剤でアルカリ性にしてキューティクルを開いた髪は、どうしても内部成分が流出しやすくなります。放置しておけば手触りも悪くなりますし、傷んだ髪は色もちも悪くなるので、気づいたら色抜け&パサパサ…ということになりかねません。
しかも大人の髪は若い頃より傷みやすい、ということにお気づきでしょうか? 白髪ぼかしのハイライトでおしゃれなカラーデザインも、ケアは今まで以上に注意が必要です。
また「ファッションカラーや白髪染めはしているけど、ブリーチはしていないから大丈夫」と思っていませんか? 実は髪を明るく染め上げるアルカリカラー剤は上記の3つのステップを一度でこなしているのです。つまり、アルカリカラー剤で髪のトーンを上げている髪は、すべてブリーチをしているということなんです。
カラーした直後のケアが傷みの運命を決める!
でも自分のケア次第で必ず傷みは軽減できます。最も気をつけたいタイミングはブリーチやカラーをした直後! この瞬間は髪が最も艶やかで美しく、手触りもよくなる瞬間なのでつい油断しがちですが、髪の状態はとても不安定。このデリケートな時期の1週間のケアが未来のダメージ具合を決めると言っても過言ではありません。
カラーをしたら直後に必ず気をつけたい3つのことを覚えておきましょう。
①施術直後にサロントリートメントをする
カラー直後で超デリケートな状態のキューティクルを閉じて、速やかに平時の弱酸性の髪に戻すためには、サロンでの強力なトリートメントが有効です。
単にプロ仕様のケア剤を使っているというだけでなく、美容師さんの技術によってケア成分の入り方が圧倒的に違うからです。カラーメニューと直後のトリートメントがセットになっていればいいのですが、もしトリートメントをするかしないかを自分で選ぶオプション設定なのであれば、つけたいところ。
また、直後にアイロンをするなど、熱によるダメージ要因を加えるのも要注意。サロンでカラーをした日は軽くブローして仕上げてもらう程度にしましょう。カラーやブリーチをするときは、その後のケアまで込みで計画を立てて。自宅でのセルフケアをすることはもちろん、これまで以上にまめにサロンに通ってケアをしないと、ダメージでがっかりすることに。
②ブリーチ後、1週間〜10日はカラーケアシャンプーを使う
シャンプーはブリーチやヘアカラーをした翌日からスタートします。これから1週間、ぜひ使ってほしいのがカラーヘア専用のシャンプー&コンディショナー。ブリーチヘアの流行に伴って、多くのブランドから登場していますが、大別すると2種類あります。
ひとつはアルカリに傾いた髪を弱酸性に戻し、髪の傷みを防ぐケアを目的としたもの、もうひとつは、ケアをすると同時に抜けてきた色を追加して載せるものです。特にすべての方におすすめしたいのは前者。カラーをした直後の1週間から10日は、いつものシャンプーをこれに変えてみてください。それだけで、3週間後の傷みとカラーのもちが違います。色もちがよくなれば染める頻度も減り、かえって経済的ともいえますよ。なお、髪を洗うときは、予洗いに1分以上は時間をかけて、すすぎも頭皮からしっかりと行いましょう。
③紫外線を避ける
紫外線は髪のケラチンタンパクやメラニン色素にダメージを与えます。特にブリーチやカラーをした直後の不安定な状態のときはなおさらです。施術をした直後は、帽子や日傘で紫外線から防御を。この日ばかりは紫外線防止効果のあるスプレーより、物理的に防御するほうが有効です。
新生活を前にヘアスタイルを変えたくなるシーズンです。せっかくの新しいスタイルも、傷んだ髪では魅力が半減。その先のケアまで考えたヘアスタイルで、美しい髪を楽しみましょうね。
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伊熊奈美 Nami Ikuma
毛髪診断士・美容エディター
毛髪診断士の資格を持つ美容エディター。雑誌や書籍の編集・執筆のほか、セミナー講師やヘアケア製品開発にも携わる。大人女性のヘア情報サイト『HAIRISTA』を監修。1男の母。
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