過去の作品を見返して盛り上がる!
今、また面白い!’90~’00年代の「名作ドラマ」を辛酸なめ子さんとプレイバック
2024.01.02
漫画家・コラムニスト 辛酸なめ子さんと振り返る
「あの頃」の名作ドラマも今、また面白い!
’90~’00年代は、名作ドラマの宝庫。「懐かしい!」「聞いたことある!」「忘れられない!」傑作たちを、辛酸さんと一緒にプレイバック!
お話を伺ったのは
’80年代から、日本のドラマをよく見ていたという辛酸さん。「記憶に残る一番古いドラマは、『スチュワーデス物語』(’83年)。少し後の『スワンの涙』(’89年)とともに、夢に向かって頑張るヒロインの姿に夢中に。ドラマには、その時々の流行や理想のヒロイン像が映し出されていますよね。スマホが存在しない時代は、登場人物が走っているシーンも多かったような。過去の作品を見返して、昭和・平成の価値観やファッションを『今見るとあり得ない』『今見てもおしゃれ』と盛り上がるのも面白いと思います」
1990〜2000年代
辛酸さんの心に残るドラマ年表
1991
『東京ラブストーリー』、『101回目のプロポーズ』
恋愛ドラマの金字塔『東京ラブストーリー』。「ヒロイン・赤名リカ(鈴木保奈美)の『セックスしよ!』というセリフは、あまりにも有名。昔も今も絶対に言えません(笑)。手作りおでんで男を引き留める恋敵の行動も怖かった……」。浅野温子さん×武田鉄矢さんの『101回目のプロポーズ』も同年大ヒット。「同作の『僕は死にません!』など、この頃のドラマの言葉はパワフル!」。どちらもFODで配信
1993
『ポケベルが鳴らなくて』
当時、世の中に浸透し始めていたポケベルがモチーフの『ポケベルが鳴らなくて』。緒形拳さん演じる既婚サラリーマンと、裕木奈江さん演じる32歳年下女性の不倫物語。「ラブストーリーでは、連絡手段が大きなカギ。携帯電話がないからこそのすれ違いがドラマティックでした。同作で女性の敵となってしまった裕木さんは“あざとい女”の先駆者と言えるかも」
1995
『愛していると言ってくれ』
北川悦吏子さん脚本のラブストーリー。豊川悦司さん演じる聴覚に障害のある画家と、常盤貴子さん演じる女優の卵が、愛を深めていく。「二人のピュアな美しさに魅了されました。彼らの通信手段は、FAX、手紙、筆談。直接自宅を訪問したり、誤解が生まれたり……悶絶してしまうほどの純愛ドラマは、もうなかなか生まれないのでは」。U-NEXTで配信
2000
『やまとなでしこ』
玉の輿婚を夢見る客室乗務員の神野桜子(松嶋菜々子)と魚屋を営む中原欧介(堤真一)の運命を描く恋愛ドラマ。「松嶋菜々子さんの輝きが圧巻。美貌を武器に合コンで馬主を探したり、お金のない人を罵倒したり、今なら問題になりそうな描写も。価値観の変化は実感するものの、物語の面白さに今なお引き込まれます」。TSUTAYA DISCASでレンタル可能
2003
『きみはペット』
小雪さん演じるキャリアウーマンが、松本潤さん演じる捨てられていた美青年を拾い、“ペットとして”一緒に暮らすことに。風変わりな同居生活から始まる異色ラブコメ。「ヒロインが若いイケメンと出会って癒される、という設定が好きなんです(笑)。クールなエリート女性×年下ふんわり男子の“男女逆転”感は、今のブームにも通じるものがありますよね」。TCエンタテインメントよりDVD販売
2005
『花より男子』
神尾葉子さんによる同名漫画を、奇跡のキャストで実写化。裕福な家庭の子女が通う学園に入学した、一般庶民の牧野つくし(井上真央)。学園を支配する道明寺司(松本潤)らに目をつけられるものの、やがて二人は恋に落ち……。ドラマ2作も劇場版も大ヒットした、時代を代表する作品。「普通の女子が、超お金持ちのイケメンに愛される。少女漫画の王道ですが吸引力は絶大。セレブな学園や豪邸など、ゴージャスな世界観も楽しめます」。TCエンタテインメントよりDVD販売
Staff Credit
イラストレーション/辛酸なめ子 取材・原文/藤本幸授美
こちらは2024年LEE1・2月合併号(12/7発売)「今、また日本のドラマが面白い!」に掲載の記事です。
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