『VIVANT』『大奥』『ブラッシュアップライフ』...
2023年面白かった「日本のドラマBEST7」激推しポイントは?
2023.12.31
LEE TV Drama Awards 2023
熱く語りたい人が続々!
今、また日本のドラマが面白い!
濃密な人間ドラマ、規格外の冒険劇、新感覚のヒューマンコメディ……多彩な作品が生まれ、話題が沸騰した2023年は、日本のドラマの当たり年! ドラマウォッチャーとヒット作を振り返り、LEE読者への激推しポイントをご紹介します!
「LEEドラマ審査員」はこの豪華メンバー!
なぜ今、また日本のドラマが盛り上がってる?
制作陣に自由とやりがいが! SNS投稿も追い風に
今回取材したのはドラマ通5人。今アツい日本のドラマの魅力を語ってもらいました!
木村さん「日本のドラマは、感情の機微を描くのが得意。名作ぞろいの’90~’00年代のDNAを受け継ぐ、丁寧かつ気概のある作品が、ここ数年で復活してきているのを感じます」
辛酸さん「日本のドラマは繊細で情報量が多い。’23年の作品は特に小ネタや伏線が満載で、細部までSNSも参考にして楽しんでいます」
青木さん「人気作のセリフや設定が、日常生活の共通用語になっていくのが面白い。最近も、父母会で『VIVANT』のエピソードをマネして盛り上がったところです(笑)」
ひうらさん「連載漫画のように、毎週続きを待つのが楽しみ。Voicyなどで語ることで、みんなで盛り上がれるのも今っぽいですね」
藤本さん「言葉や文化の壁がない分、その時々の時代や流行、細かいニュアンスを100%受け取れるのも醍醐味ではないでしょうか」
作品そのものだけでなく、視聴方法や制作事情の変化も、勢いを後押ししているよう!
青木さん「ドラマには、ある種のライブ感が。放送後に、誰も正解を知らない、1週間限定の考察が盛り上がるなど、たくさんの人と体験共有ができるコンテンツなのだと思います」
辛酸さん「今は配信サービスとネット記事やSNS投稿の相乗効果で、放送後から『話題なら見なきゃ!』となる人も多そう。感性の合う人の感想を参考にできるのもいいですよね」
木村さん「配信視聴の普及と’20年の視聴率調査のリニューアルによって、制作陣にとっては、自由とやりがいが戻ってきたはず!」
ひうらさん「作り手の皆さんの意識変化はすごい。若手の方々の『いいものを作ろう!』、ベテランの方々の『このままじゃいかん!』という熱意に触れるとうれしくなります!」
「LEEドラマ審査員」の投票でランキング!
LEE的 2023年面白かったドラマ BEST 7
\選考方法/
審査員5人に、「2023年面白かったドラマ」のベスト10を挙げてもらい、それぞれの1位を10点、2位を9点……10位を1点として作品別に点数を加算。合計得点の高いものから順にランキング!
1位
LEE TV Drama Awards 2023
総合点41点
男女逆転大奥を舞台に描く、愛と哀しみの人間ドラマ
『大奥 Season1』
審査員全員が上位に選び、堂々の第1位に! 原作はよしながふみさんの同名漫画。謎の疫病・赤面疱瘡(あかづらほうそう)で男性が激減した江戸時代を舞台に、男女逆転大奥での濃密な人間模様が描かれる。2023年1月から放送されたSeason1は、八代将軍・吉宗(冨永愛)、三代将軍・家光(堀田真由)、五代将軍・綱吉(仲里依紗)を中心に展開し、キャストの名演技が話題に。豪華絢爛な世界で繰り広げられる、愛と哀しみの物語に心を揺さぶられ、涙した人も多いはず!
9点。周囲の評判がよくて見始めたら、どっぷりハマりました。あり得ない世界を成立させてしまう、作り手と演じ手のパワーがそろうと、傑作が生まれるんですね
青木裕子さん
9点。原作の型破りな設定、美しさ、恐ろしさ、運命に翻弄される登場人物たちの切なさ……すべてが完璧に再現されたドラマ。最高の『大奥』映像化作品です
ひうらさとるさん
8点。女性が将軍になり、男性をはべらせるという設定が、ジェンダー観が変化している今の時代にぴったり。仲里依紗さんの官能・激高シーンが、特に印象的です
辛酸なめ子さん
8点。原作はもちろん、ドラマ化にあたっての脚本、演出、美術、演技、どれをとっても素晴らしい。大河ドラマを作り続けてきたNHKだからこその完成度の高さ
木村隆志さん
7点。毎回必ず女優陣の熱演にくぎづけに。冨永愛さんの凛々しい吉宗、鈴木杏さんの快活な平賀源内、仲間由紀恵さんの狂気に満ちた治済、贅沢で新鮮な配役でした
藤本幸授美さん
放映中の続編も必見!
『大奥 Season2』
医師たちが赤面疱瘡の撲滅に挑む「医療編」と、大政奉還までを初映像化した「幕末編」からなるSeason2。「医療編」では、幕府の実権を握る一橋治済(はるさだ)役の仲間由紀恵さんの怪演が話題に!(NHK総合)
2位
LEE TV Drama Awards 2023
総合点37点
ドラマの常識を覆した、予測不能の超大作
『VIVANT』
壮大なスケールと先の読めないストーリーで、視聴者の心をわしづかみ。商社勤務の乃木憂助(堺雅人)が、誤送金事件を解決するため、バルカ共和国に向かうところから物語はスタート。しかし回を追うごとに、事件も登場人物も、作品のテーマも、ハイスピードで予想外の方向へ! 謎多き描写に考察が盛り上がったり、キーワードの“別班”が流行語候補に選ばれたりと、社会現象を巻き起こした。モンゴルで撮影した映像や日本を代表する俳優陣の競演も大迫力!
10点。素人目にも『撮影大変だっただろうな』『お金かかってるな』なんて感じられ、すごいものを見たいという欲求が満たされる気がしました
青木裕子さん
10点。これまでのドラマとは次元が違う圧倒的大作。事前情報も一切なく、ジャンル分けもできない、結末も見えない、でも見ると誰かに話したくなる。制作陣の高い志が見事に形に!
木村隆志さん
8点。一瞬も見逃せない、見逃したくない。期待と緊張を胸に集中して向き合わせてくれた稀有な作品
藤本幸授美さん
3位
LEE TV Drama Awards 2023
総合点36点
今度の人生はどう生きる? 平凡な女性がタイムリープ!
『ブラッシュアップライフ』
僅差の3位でランクイン。平凡な公務員・近藤麻美(安藤サクラ)は、ある日突然事故死してしまう。死後の世界の案内人(バカリズム)に来世の生命がオオアリクイであることを伝えられ、人間に生まれ変わるために人生をやり直すことを選択するが――。タイムリープはドラマの題材のテッパンだけれど、前世の記憶を持ったまま、何度も本人に生まれ変われる、という設定が新しい! 脚本・バカリズムさんらしい、軽妙でシニカルなセンスが光るコメディ。
10点。脚本も演出もキャストも完璧で面白すぎました。ゆるい場面とハラハラする展開のバランスも絶妙でラストも大満足
ひうらさとるさん
10点。生まれ変わって“徳を積む”という課題が斬新。死後の真っ白な空間の描き方や来世の動物のラインナップも秀逸でした
辛酸なめ子さん
7点。終盤になると、意外な着地点が明らかに。軽やかに深いところを突いてくる、バカリズムさんの緻密な設計図はさすが!
木村隆志さん
4位
LEE TV Drama Awards 2023
総合点17点
のどかな集落が舞台のミステリー
『ハヤブサ消防団』
池井戸潤さん原作の小説をドラマ化。山間の集落に移住してきたミステリー作家の三馬太郎(中村倫也)は、地元の消防団への加入を機に連続放火騒動に巻き込まれ――。徐々に巨大な陰謀が浮かび上がり、ドキドキ&ゾクゾク!
TELASA(テラサ)で全話&スピンオフドラマ配信中 DVD&Blu-ray 2024年1月26日(金)発売 発売元:テレビ朝日 販売元:ハピネット・メディアマーケティング ©池井戸潤「ハヤブサ消防団」/テレビ朝日
9点。一話完結作が増える中、視聴者を引きつけるのが難しい長編ミステリーに成功。季節感のある映像も美しく、連ドラのよさを堪能できます
木村隆志さん
7点。ほっこり感と不気味さの共存具合に引き込まれました!
青木裕子さん
同率
5位
LEE TV Drama Awards 2023
総合点12点
植物学者の生涯を描いた、“朝ドラ”連続テレビ小説
『らんまん』
’23年前期の朝ドラ。愛する植物のために一途に突き進む、主人公・槙野万太郎(神木隆之介)と妻・寿恵子(浜辺美波)の生涯が描かれた。
6点。丁寧な脚本、磐石のキャストで、安定感抜群。女性の解放の描き方にも心地よい涙が
ひうらさとるさん
5点。純粋な好奇心に触れ、植物に興味がわいた人も多いのでは
辛酸なめ子さん
同率
5位
LEE TV Drama Awards 2023
総合点12点
人気芸人がモデルの青春ストーリー
『だが、情熱はある』
同率5位は、芸人・若林正恭さんと山里亮太さんを、髙橋海人さんと森本慎太郎さんが演じた、笑いと涙の青春ストーリー。
©NTV Huluで配信中
7点。ご本人たちが乗り移ったかのような演者さんたちからセットの作り込みまで、再現度の高さに驚かされました
ひうらさとるさん
5点。演技を超えた漫才を見たら感動するしかない!
木村隆志さん
7位
LEE TV Drama Awards 2023
総合点10点
宮藤官九郎さん×大石静さん共同脚本
Netflix シリーズ
『離婚しようよ』
離婚がテーマのコメディ。世襲議員・東海林大志(松坂桃李)と国民的女優・黒澤ゆい(仲里依紗)は冷めきった夫婦。別れようとするもさまざまな壁が立ちはだかり――。
Netflixにて独占配信中
10点。思わず吹き出す場面あり、じんわりしみる場面あり、ハマリすぎて一気見しました。俳優さんたちの振り切った演技も最高です!
藤本幸授美さん
※掲載されている情報は2023年11月時点のものです
Staff Credit
取材・原文/藤本幸授美
こちらは2024年LEE1・2月合併号(12/7発売)「今、また日本のドラマが面白い!」に掲載の記事です。
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