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CULTURE NAVI「今月の人」

【眞栄田郷敦さんインタビュー】自分でもこの作品でステップアップを実感しました

2023.12.17

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Culture Navi

カルチャーナビ : 今月の人・今月の情報

自分でもこの作品でステップアップを実感しました

眞栄田郷敦さん

眞栄田郷敦さん
ジャケット¥156200/アミ パリス ジャパン(アミ パリス) チェーンネックレス¥20900・ネックレス¥25300/アントリム(マリハ)

デビュー後まだ4年とは信じられないほど、ますます俳優として存在感を高めている眞栄田郷敦さん。“目力強すぎ!”と劇中で何度も言わしめたドラマ『エルピス』での、時に可愛く時にギラリと怖い、そんな演技や魅力の虜になった人も多いのでは!? 確実に作品ごとに俳優として成長を感じさせる裏には、なるほど、この映画がありました! 自分でも「撮影は2年前ですが、ステップアップしたと実感します」と語るのは、映画初主演を務めた『彼方の閃光』。眞栄田さんは、10歳で視覚を取り戻したものの、色彩のない世界で生きてきた20歳の光を演じています。

「最初は荒んでいますが、少しずつ変化・成長していくところに惹かれ、光という役を感じたいと思いました。撮影当時20歳で僕も今より幼く、いろんなことをまだ知らなかったので、自分と光が重なった部分もあります。とてもチャレンジングな役でしたが、自分の中で掘り下げて準備したので、撮影前はすごくワクワクもしていて。監督とは、光は視覚以外の感覚が敏感で、それを大事に暮らしてきただろうと話をし、五感のその他――触覚や臭覚などを大切に演じました」

光は、東松照明の写真に強烈に惹かれて長崎へ向かい、そこで出会った自称・革命家の友部に誘われるまま沖縄へ。物語は思わぬほうへと展開していきます。

「僕も一度読んだだけでは理解できない部分がありました。本作は三部構成で、それを通してメッセージ性を感じるというか。まず、そもそも光はなぜそんなに東松の写真に惹かれたのか。目が見えなかったこともあり、光は世の中の本質が見たかった。第三者が媚びずにありのままをとらえたそれを求めていたのかな、と。そして友部は確かに胡散臭いけれど、世の中のことをすごく勉強していて、それを言語化できることをスゴイと思ったんじゃないかな、と」

ドキュメンタリー映画を撮るとうそぶく友部は、長崎で原爆体験者から無理に話を聞き出そうとしたり、沖縄では基地問題で地元住民を逆なでしたり。そんな言動の裏には――。

「光は人の痛みや苦しみに敏感なので、友部の中にあるそれも感じ取っていたんじゃないかな。沖縄では、実際に島民が逃げ込んだ壕でも撮影したので、もはや芝居をしている感覚が消えていました。僕ら世代はどこか非現実的な感覚になっているけれど、“理屈じゃなく戦争はダメだ”という戦争体験者の思いを受け継いでいかなければならない。その思いが自分の中で本物になりました」

本作は、光が見つめる世界を同時体験させるかのように、モノクローム映像で描かれます。その美しさ!

「暗闇で始まり、深海から浮かび上がるように光がモヤモヤ立ち上がり、そこから白黒の世界が広がる。観客の皆さんも光とともに歩んでいく感覚になり、最後はさらなる美しさに驚くと思います。僕も脚本ではわからなかったその美しさ、映画を観た後の余韻の深さに打たれました!」

この日サラリと着こなしていたのは淡ピンクのスーツ。さすがです!

「ファッションは好きですが、それだけに頼りすぎたくはないんです。普段はモノトーンのものばかりで、飾りすぎず、ごくシンプルなもの、例えばTシャツ一枚でいかにカッコよく見せられるかを大事にしていて。自分込みのファッションなので、まずは自分磨きを心がけています!」

Profile

まえだ・ごうどん●2000年1月9日、ロサンゼルス生まれ。’19年に『小さな恋のうた』で俳優デビュー。近年の主な出演作に、映画『東京リベンジャーズ』シリーズ(’21年/’23年)、『カラダ探し』(’22年)。ドラマ『エルピス -希望、あるいは災い-』(’22年)、大河『どうする家康』(’23年)など。『ゴールデンカムイ』(’24年)が1月19日公開予定。

『彼方の閃光』

『彼方の閃光』
©彼方の閃光 製作パートナーズ

生後すぐに視力を失った光(眞栄田)は、10歳のときに手術は成功するものの、色彩を取り戻せずに生きてきた。20歳になった光は、戦後の傷跡をリアルにとらえた東松照明の写真に強く惹かれ、導かれるように長崎へ。そこで出会った自称・革命家の友部(池内博之)に誘われるまま、長崎・沖縄の戦争の痕跡をたどっていく――。監督は半野喜弘。(12月8日より全国順次公開)

Staff Credit

撮影/中村 萌 ヘア&メイク/MISU(SANJU) スタイリスト/MASAYA(PLY) 取材・文/折田千鶴子
こちらは2024年LEE1・2月合併号(12/7発売)『カルチャーナビ』に掲載の記事です。

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