“大人だからこそのかわいさ”が体現
「コーラル&タスク」の刺繍入りファブリック「絶妙なかわいらしさが魅力です」【石井佳苗さんのインテリア名品】
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石井佳苗
2023.11.24
連載
KANAE’s MASTERPIECES────Interior Items
スタイリスト
石井佳苗の「インテリア名品」
テイストの変遷や引っ越しを重ねた今も、手元に残る大切なもの。石井さんのスタイルを形作る名品を、毎月1点ずつ紹介します。今回は、石井さんとのコラボでも人気の「コーラル&タスク」のアイテムです。
file
10.
[ファブリック]Fabric
Brand:Coral & Tusk
コーラル&タスク
Item:Embroidered Fabric
刺繍入りファブリック
大人だからこそ手に取りたい絶妙なかわいらしさが魅力です
その存在を知ったのは、2011年頃。大人向けのギフトを探していて、「コーラル&タスク」のポケットドールに出会ったのです。そこには澄ましたような、とぼけたような表情の動物の刺繍が施され、大人でも手に取りたくなる不思議な魅力を漂わせていました。
その後、共通の友人を通じてデザイナーのステファニーとお互いの存在を知るようになり、ブルックリンのスタジオも訪問。「あなたのインスタグラムに載っている猫たちを刺繍してみたわ!」と驚くような連絡をもらい……現在は、彼女が来日の際は一緒にトークイベントをしたり、クッションやポーチなどのコラボが実現するまでになりました。
繊細な仕上がりから、手刺繍と思われる方も多いのですが、刺繍自体はミシンでの作業。実は、私が気に入っているのは、むしろその部分。ステファニーが絵を描き、それをパソコンに取り込んで、特殊なミシンで筆の運び1本1本まで再現した刺繍を施すのが「コーラル&タスク」の製法。ミシンを使うからこその、原画に忠実で緻密な再現。その結果生まれるのは、甘さを抑えたグラフィカルな印象です。
ベースはナチュラルなリネン、糸はほどよい光沢のあるレーヨン。ともすれば、“温かみ”が重たい印象にも転びかねない刺繍という存在を、ここまで洗練された仕上がりにする、絶妙なバランス! これこそがまさに、私が求める“大人だからこそのかわいさ”が体現されている理由なのです。
「ポーチは、お守りなどを入れて持ち歩くのはもちろん、家で引き出し内の仕分け用にも。通帳など“味気ないもの”も、愛着の持てる収納になります」(石井佳苗さん)。右下の“バスケットキャッツ”と呼ばれるモチーフは、デザイナーが石井さんちの猫たちをもとに描いてくれたもの
動物モチーフが人気だけれど、柄物にも注目。「テーブルランナーは手描きだからこその揺らぎで、幾何学模様もカチッとしすぎず、やわらかな印象」(石井佳苗さん)。レオパード柄のナプキンはブルックリンで購入
Designer:
Stephanie Housley
New York, 2007〜
空間に物語を紡ぐような気持ちで心惹かれるモチーフを組み合わせて
ニューヨーク州ブルックリンで誕生した刺繍ブランド。旅や自然、動物などからインスピレーションを受けたストーリー性ある刺繍で注目され、日本でも高い人気を誇る。’16年、ステファニーはワイオミング州へ移住。今年5月には『コーラル&タスク 15年のものづくり』(主婦の友社)を出版。石井さんもファンのひとりとしてその魅力を語っている。同シリーズは本国サイト(coralandtusk.com)のほか、国内では「H.P.FRANCE」(www.hpfrance.com)などで購入可能。
Staff Credit
撮影/宮濱祐美子 取材・原文/福山雅美
こちらは2023年LEE12月号(11/7発売)『スタイリスト石井佳苗さんの「インテリア名品」』に掲載の記事です。
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