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LIFE

映画ライター折田千鶴子のカルチャーナビアネックス

【DAIGOさんインタビュー】『劇場版シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』理想の優しいパパ発言が続々!

  • 折田千鶴子

2023.11.22

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『劇場版シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』

LEE世代で懐かしく思い出す人も多いのでは!? あるいは今でもハマっている人も!? 実はドールハウス&人形の「シルバニアファミリー」って、大人の間でも「シル活」「シルバニ沼」などとブームになっているそう。当コーナーにとっては異色の作品選定ですが、LEE世代にはピッタリ、ということで、3DCGアニメとして初映画化された『劇場版シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』で声優を務めたDAIGOさんに、お話をうかがって来ました。絶賛子育て中の皆さん、必聴ですよ!!

DAIGO 1978年4月8日、東京都生まれ。2003年、DAIGO☆STARDUSTとして、シングル「MARIA」でメジャーデビュー。 2007年、3人組ロック・バンドBREAKERZを結成、アルバム「BREAKERZ」にてデビュー。デビューから2年で日本武道館での公演を実現。以降4年連続で日本武道館公演を開催。2013年より、DAIGO名義でのソロ活動も開始。映画『ウルトラマンサーガ』(12)、『劇場版カードファイト!!ヴァンガード3つのゲーム』(14)などに主演した他、音楽活動と並行してタレント・俳優としても活動。

本作への出演オファーを、「運命としか思えないタイミング」と答えていらっしゃいましたね。

「最初はビックリしましたよ。やっぱり「シルバニアファミリー」と言えば歴史が長く、僕が小さな頃からありましたから。まさか、それに僕が…という驚きはありましたが、3分後にはもうしっくり来ていたというか(笑)。自然に受け入れている自分がいましたね。“運命”っていうのは、「シルバニアファミリー」の対象年齢が3歳以上なんですが、ちょうど娘が3歳になる年にお話をいただいたので、自分の中でそう解釈したんです。携われるなら、是非やらせていただきたいな、と」

映画は、こんな物語

©2023 EPOCH/劇場版シルバニアファミリー製作委員会

今年もシルバニア村に、年に一度の星祭りがやって来る。ショコラウサギの女の子フレア(黒島結菜)は、お祭りの日が誕生日と重なるお母さんへ、何をプレゼントすれば良いのかお悩み中。その上フレアは、お祭りのメインイベントである“今年の木”を選ぶ大役に指名される。フレアは、誕生日プレゼントと今年の木をどうしようか、友だちに相談しながら一生懸命探し回り……。

DAIGOさんが演じられたハスキーの青年ブルースは、このシルバニアの世界観の中で、少し異質なハードボイルドな印象がある役でしたね。

「そうなんです。最初は爽やかな感じなのかな?と思っていたんですが、ブルースというキャラクターは世界中を旅する船乗りで、海を渡り歩く屈強な男らしいキャラクターなんですよ。普段の僕とは真逆というか(笑)。だから“屈強な男”にどうやって辿り着こうかな、と考えましたね。自分の地声よりも、気持ちキーを低めに発声したり、いろいろと試行錯誤しながら作り上げていきました」

とはいえ、船乗りって“男のロマン”みたいに、憧れたりもしませんか? 

「確かに、まさにブルースは“漢(おとこ)だな”と思いました」

登場シーンが印象的です。フレアたちはブルースに助けてもらったのに最初はビクッとしますが、思いの外、ブルースが優しい声だった……という。その辺り、第一声にこだわったポイントはありますか!?

「ブルースは男らしいけれど、話すときはちゃんとフレア目線で会話するということですよね。だから優しい感じになるというか、強さと優しさを兼ね揃えたキャラクターを出そうとしました。喋り方にしても、ブルースは何かを決めつけて伝えようとするのではなく、優しい語り口で導いていくような感じっていうのかな。そんなブルースの口調からも、本当の意味での強さと優しさを感じられるよう心がけました」

声優さんとしてのお仕事は、これまでも経験されています。

「はい、何度かやらせてもらいましたが、当たり前ですが、やっぱりすごく難しかったです。毎日やっていることではないので、入り込むまでに時間が掛かるというか。すぐに調子が出るかっていうと、なかなかそうは出来なくて……。そういう時は、僕に声を掛けてくださったのは何故か、というところに立ち戻って、“僕に期待されているのは何か”を考えながら取り組みました。僕、ニーズには応えたいタイプなので(笑)。現場で監督さんたちと、ディスカッションしながら作り上げていく作業をさせてもらえたので良かったです」

シルバニア村は、環境にも子供にも子育て世代にも優しい

ブルースがフレアに、「ここはシルバニア村なんだなあ。それを実感できたよ」というセリフがあります。DAIGOさんが感じる、シルバニア村の良さって何でしょう?

「もちろん自然も豊かですし、そんな中で子供たちが色んなものを作ったり、色んなチャレンジができる環境があるのが、やっぱり素晴らしいですよね。また、ホントに悪い人がいない! 悪いキャラがいないってところも、すごく素敵ですよね(笑)。村全体の大人たちが、子どもをすごく大切にしていて、愛情や思いやりを持って接しているというか。もちろんフレアたちの両親もそうだけど、自分の子どもだけじゃなくて、村全体がみんなで子どもたちを成長させているような。村のみんながファミリーのような環境が、それこそ素晴らしいと思います」

お祭りのメインイベントでもある“今年の木”をフレアが選ぶなど、重要な物事を子どもに任せるというのも、素晴らしいですよね。

「そこですよね! 子どもに色んなことを経験させたりチャレンジさせるって、すごく大切ですよね。そういうところも、シルバニアって本当にいい村だな、って。僕も行きたいし、住みたいですよ。だってツリーハウスがあったり、大人でもすごくワクワクするようなものがたくさんありますから。子どもたちの自主性を育ててくれる、ホントいい村ですよね」

だから子どもたちが、あんな独創的にもなるんでしょうね。フレアがお母さんの誕生日プレゼントを手作りしますが、あの楽器などもすごいアイディアですよね!

「子どもが子どもなりに色々と自分で考えて、自分で行動するからこそ、クリエイティブな発想が生まれるというか、本当に創造性豊かな子どもが育つんでしょうね。しかも自然のものから色々と生み出す、それが出来る環境にあるというのが、本当に素敵なことだと思ったし、子どもが育つ上ですごく大事なことだと思いました」

ズバリ、DAIGOさんがファンに見て欲しいシーンを挙げてください。

「一ヵ所、鼻歌を歌うシーンがあるんですよ。そこは僕のミュージシャン生命、全てを注ぎ込んだシーンなので、是非、観て下さい。どのシーンで歌っているかは、うっかりしていると見逃してしまうくらいなので(笑)、だからこそ注目して欲しいな、と。台本には“鼻歌みたいな感じで”と書かれていたので、現場では、こんな感じかな~みたいに歌ってみただけなんですが……。あの鼻歌に<作曲>というクレジットがあるのなら、<by DAIGO>って書いて欲しいですね(笑)」

シルバニアファミリーで娘と遊んでいますよ!

「運命としか思えないタイミング」と言われたように、実際にシルバニアファミリーで遊ばれていますか?

「お家にもあるので、一緒に遊んでいますよ。好きなキャラクターを聞いたら、“ブルース”って答えてくれたので、“ちゃんと分かってるな”と思って(笑)、ほのぼのしています。娘が人形を持って、ピョンピョンやったり、僕も一緒にピョンピョンしたり。本当に色んな小物も揃ってるから、楽しいんですよ。一時期、娘がハマっていたのは、とりあえず全員を並べて寝かせるっていう(笑)。僕は、娘が遊んでいるうちに小さな部品が落ちたりするのを、隣で拾ったり、サポートしながら一緒に遊んでいる感じです」

ブルースとして話しかけたりも?

「やったりしていますよ(笑)。そうしたら、ブルースの声ってパパの声に似てるね、って言ってました」

つい子供を遊ばせるのにスマホや動画に頼りがちになりますが、DAIGOさんはその他、どんな風に娘さんを遊ばせていますか?

「娘がその時々で遊びたいことを一緒にしています。例えば、かくれんぼをしたり。鬼になって数え始めるじゃないですか。“1、2、3……もういいかい!?”ってやると、娘はすぐに出て来ちゃうんですよ(笑)。見つけられるのを待っていられなくて、すぐに出てくる。だからすぐに決着が付いちゃうんですが、またやりたがるので、また“1、2、3……”ってやって(笑)」

ということは、常にDAIGOさんが鬼をやられている?

「ですね。常に鬼をやってます。そして、すぐ決着がついて、何回も何回もやって遊んでますね。最近は自転車がすごく好きなので、後ろのチャイルドシートに乗せて、よく自転車で出かけたりもしていますよ。体操教室にお見送りしたり。でも久しぶりに自転車を乗り出したら、僕にとっても意外に発見が色々とあるんですよ。こんな近道があったのか、とか面白いんですよね。どんどん目的地に着くまでの時間が短縮されていくのも楽しくて。いろんな道を自転車で走って、後ろで娘は鼻歌を歌ったりして楽しそうにやってます」

そこでDAIGOさんも一緒にハモったりしないんですか!?

「娘の声が聞こえてきたら一緒に歌ってみたりですかね。娘は歌も好きだし、この間はパパのギターを弾けないけれど弾いていたりして、“パパ、ピアノ弾いて”と言うので、僕がピアノを弾いて、隣で娘がギターを持ってセッションするとか。(笑)」

そうしているうちに、自然に弾けるようになっちゃうでしょうね。

「そうですね。だからどこかで子供用のギターをプレゼントしてもいいかな、なんて思ってます」



DAIGOさんが今、充実感を覚えるのは?

フレアは劇中、一生懸命にお母さんが笑顔になれるプレゼントを考えます。DAIGOさんが今、一番笑顔になれる贈り物、あるいは瞬間は何ですか?

「やっぱり、家族でいる時間ですよね。自分にとって本当にギフトだなって思います。これ、インスタにも既に載せた話ですが、娘が、“パパの部屋の壁にパパって書いておいたよ”って言うので、見たらほぼ読めないんですが、なんかその気持ちが嬉しいっていうか。それもある意味、僕へのプレゼントでしたね。書いた場所が壁だったので、まぁ、鉛筆で良かったなって思いましたが(笑)」

そこで怒らないのが、やっぱりDAIGOパパの素敵なところですよね。「ここは書いちゃダメな場所だぞ!」って怒る人も少なくないと思います。

「確かに、白い壁って書きたくなりますよね。やっぱり子供は、絶対にウズウズしてしょうがないんじゃないかな、と。まぁ、もう少ししたら“ここは書くところじゃないよ”って教えたいとは思いますが(笑)、今は、そこに書きたいわけだし、いいかなって。しかもパパって書いたっていうし、僕も嬉しかったので、本当に嬉しいプレゼントとして受け取りました」

娘さんが生まれてからは、「まるで昼夜が逆転して。眠いと言えば、朝はやっぱり眠いですよ」と笑いながら、とても素敵な表情をされていたDAIGOさん。今、一番、充実していると感じる時間を聞いてみたら、「朝起きて、娘に朝ご飯を作っている時間も、充実しているなと感じる」とおっしゃっていました。「これからのことを考えると、健康的にもいいしね」とニッコリ。

映画はそれこそ小さな子供から楽しめる易しく優しい内容ですが、DAIGOさんもおっしゃっていたように、意外に子育てをする上での“気付き”や“ヒント”を色々ともらえると思います。

個人的にも楽しかったのは、フレアが友だちと一緒に、お母さんのために手作りする“発明品”のようなプレゼントの数々。是非、お子さんと一緒に楽しんでください!

『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』

2023年11月23日(木・祝)全国ロードショー

2023/日本/65分/配給:イオンエンターテイメント/©2023 EPOCH/劇場版シルバニアファミリー製作委員会

監督:小中和哉

出演:黒島結菜 松岡茉優 村方乃々佳 DAIGO / 蒼井優

折田千鶴子 Chizuko Orita

映画ライター/映画評論家

LEE本誌でCULTURE NAVIの映画コーナー、人物インタビューを担当。Webでは「カルチャーナビアネックス」としてディープな映画人へのインタビューや対談、おススメ偏愛映画を発信中。他に雑誌、週刊誌、新聞、映画パンフレット、映画サイトなどで、作品レビューやインタビュー記事も執筆。夫、能天気な双子の息子たち(’08年生まれ)、2匹の黒猫(兄妹)と暮らす。

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