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FOOD

みんな大好き!年間400万本販売! イケアの50円ソフトが新しくなる!

イケアの50円ソフトがプラントベースにリニューアル!「なぜ50円!?」の秘密に迫る

  • 武田由紀子

2023.10.18

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イケアに行ったら必ず食べるものといえば、50円のソフトクリーム。初めてお店を訪れた時に「50円!?安!」と衝撃を受け、味がおいしいのはもちろんですが、そのお値段もありがたく、手軽に食べられるデザートとして帰りにはいつもお世話になっています。また物価高が進む今も変わらずに50円で販売され続けていることにも尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです。

いつも食べているミルク味のソフトクリームが、10月19日(木)にプラントベース(植物由来の原材料を使用)に生まれ変わります。開発期間2年、これまでも何種類かのフレーバーのプラントベースのソフトクリームを出してきた中で、ミルク味にはとりわけ苦労があったといいます。開発秘話をイケア・ジャパンのコマーシャル・フード・マネジャーの岩垣剛史さんに聞きました。

2年かけて完成した、食感、香り、なめらかさ。牛乳に負けないコク。

――これまでもプラントベースのソフトクリームは、出されていたんですね。

はい、イチゴ、スイカ、ナシ、キウイ、レモンなどがあります。これは日本オリジナルのフレーバーです。

――どれもとてもおいしそうです。なぜ日本でだけこのようなフレーバーが誕生したのでしょうか。

日本の方って食への興味がすごく高いと感じています。新しいものが出ればすぐにリアクションして試してくれる反応の良さもありますし、また新しいフレーバーを出して飽きられないようにする工夫という面もあります。

――今回は満を辞してのミルク味ということですが、開発に2年ほどかかったそうですね。なぜミルク味は時間がかかったのでしょうか

ソフトクリームといえば、牛乳で作るミルク味が定番です。みなさんが牛乳で作ったソフトクリームのなめらかさやコクに慣れている中、プラントベースでどこまでそれを再現できるかが課題でした。プラントベースの場合は豆乳で作るのですが、豆乳を使うとどうしてもシャリッとした食感が強くなってしまいます。あと、豆乳には独特の香りがあり、それをどう抑えるかも課題でした。なめらかな食感、牛乳に負けないコクを出すこと、それをクリアするための開発を繰り返しました。原材料としては、豆乳とえんどう豆が主です。

――テスト販売されたそうですが、いつ頃、どれくらいの期間で行ったのでしょうか。

昨年1ヶ月ほどかけて、関東と関西の大型店舗と、都内にあるシティショップ(都心型店舗)のうちの4店舗で販売、お客様にアンケートに答えてもらいました。実際に全国のイケア店舗で正式に販売できるのか、満足度はどうなのか、生の声を聞かせてもらいました。

――その時いただいた声には、どのようなものが多かったですか。

多かったのは、この2つ「おいしかった」「言われるまで気づかなかった」でした。券売機に「期間限定プラントベースソフトクリーム」としか書いていなかったのでお客様もいつもの50円のソフトクリームだと思って買った人が多かったようです。意外ではありましたが、逆に勇気づけられました。

「より低価格のものを多くの人に買って欲しい」1個50円に込めた願い

――この50円のソフトクリームは、いつから販売されているのでしょうか。割と昔からある印象ではありますが。

日本一号店であるIKEA船橋(現:Tokyo-Bay)が2006年にオープンして1年ほど経った頃に販売されました。元々グローバルのイケアとしてソフトクリームの販売はあったのですが、日本での販売はしばらく経ってから行われました。販売を開始した時のことを今でも覚えていますが、スタッフが衝撃的な低価格で驚いていたこと、また想像していたソフトクリームよりもサイズが小さい印象がありました。いざ販売してみると「50円という価格に対してはちょうどいい量」、「子どもが食べるのにもちょうどいい量」という声を多くいただき、今も変わらずに続いています。

――ちなみになぜ50円という値段なのでしょうか。安すぎるのでは、とずっと感じています。

イケアとしては、ホームファニッシングも含めて「低価格」というイメージを持ってもらいたいと考えています。イケアのビジョンとして、“より快適な毎日を、より多くの方々に”という思いがあります。それを実現しようとした時に、例えば100万円のものを1人に買ってもらうのか、それとも1円のものを100万人に買ってもらうのか。イケアでは、後者の「1円のものを100万人に買ってもらう」を選びます。より低価格のものをより多くの方々に買っていただけるようにするビジネスモデルなので、誰にでも手の届く価格で販売し続けています。また、イケアのプラントベースフードは、アニマルベースフードと同じもしくはよりお手ごろ価格で提供しています。より簡単に環境によりよい選択をするため、健康的でサステナブルな食事はおいしく、簡単で、手ごろな価格でなければならないと考えています。そのため、プラントベースソフトクリームもこれまでの 50円という価格を維持します。

――なるほど。ちなみに数はどれくらい売れているのでしょうか

年間400万本です。1日あたり1万本以上ということになりますね。

――10月19日からは、これまでの牛乳を使ったソフトクリームは一切なくなるのでしょうか。

はい、ミルク味に関しては完全に切り替わります。ふたつを食べ比べることはできませんが、ぜひ新しくなったプラントベースのソフトクリームを食べにきて下さい。

――グローバルのイケアでは、2025年までにレストランのフードの50%をプラントベースにすると宣言しています。

イケア・ジャパンとしては、レストランメニューのうち、メインメニューに限って言えば達成しています。プラントベースのミートボール(プラントボール)はグローバルのレシピですが、各国、実はローカルのレシピもそれぞれあり、国ごとのフードの担当者が開発をしています。今イケア・ジャパンで行っているハロウィンフェアは、日本オリジナルのフェアなんです。担当者がゼロから考えて、材料の仕入れから行っています。日本の方々は、とにかくリアクションが強くて早いんです。これだけこまめにフェアをしたりして頻繁にメニューを変えている国は、他ではあまり聞いたことがないですね。

プラントベースという言葉の認知、地球や環境への意識を高めるために

――確かに、買い物ではなく、レストランのフードをチェックしに来るという人もいますよね。

イケアのレストランの位置付けが、来店のきっかけになればという役割なんです。イケアにお越しいただいて、1日ショッピングを楽しんでいただき、もちろんお腹が空くからレストランもご利用いただく。それでメニューがミートボールだけだとつまらないよね、というのが日本人の食への意識の高さなんですよね。家具って、そうそう買い換えるものではないですが、食べ物は毎日体に必要です。レストランが来店の1つのきっかけとして、1日イケアにいたら家族で楽しめるよね、という場所になって欲しいです。

――ちなみに今後のプラントベースのフードは、どのように展開されていくのでしょうか。

これからの方針の詳細は現時点ではお伝え出来ませんが、イケアとしては「100%プラントベースにしよう」とは考えていません。人それぞれ思考や嗜好が違いますので、今日はプラントボール、明日はミートボールがいい、と選択肢があることも大事だと思っています。

“プラントベース”という言葉が大分浸透し、多くの人に理解はしてもらっていると思いますが、よりもっと浸透させなくてはいけないとも思っています。だから50円のソフトクリームを「プラントベース」に変えることで、言葉を浸透させながら地球や環境への意識も高めていく。言葉や環境への意識を高めていく役割があると思っています。

――ありがとうございます!

  取材の最後には、イケアの社員食堂でひと足先に提供されているプラントベースのソフトクリームをいただきました。一口食べた瞬間「食べやすくておいしい」そして「正直、元のソフトと差が分からない」でした。「後味がさっぱり」、食べ終わった後もより心地いい食後感でした。

19日(木)から切り替わるプラントベースのソフトクリーム。ぜひお近くのお店で食べてみてくださいね。また好評販売中の真っ黒なソフトクリーム、シークレットソフトも次のフレーバーが待機中とのこと。こちらも楽しみにお待ちください。

Staff Credit

撮影/柳 香穂

武田由紀子 Yukiko Takeda

編集者・ライター

1978年、富山県生まれ。出版社や編集プロダクション勤務、WEBメディア運営を経てフリーに。子育て雑誌やブランドカタログの編集・ライティングほか、映画関連のインタビューやコラム執筆などを担当。夫、10歳娘&7歳息子の4人暮らし。

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