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発行部数9700万部超えの漫画『キングダム』の実写映画の第3弾が、いよいよ公開される。1作目から引き続き、主人公・信を演じた山﨑賢人さん。話が進むごとに堂々とした頼もしさが増していく信はとても魅力あふれるキャラクター。山﨑さん自身は彼の魅力をこう分析する。
落ち込んでも“トータルで人生”だと思えば気が楽になる
────山﨑賢人さん
「“天下の大将軍”という夢をブレずに持ち続けている信の心の強さ。そして戦場をいくつも乗り越えていく中で、仲間が死んでしまったときには悩んで傷ついて……という人間としての優しさが、ただ肉体的に強いだけじゃない信の魅力だと思います」
多くの人についていきたいと思わせる信のリーダーシップは、山﨑さん自身も影響を受けた。
「役が入っていない普段の僕は“周りを引っ張る”とかはできないタイプですが、信を演じるときは自然と“引っ張ろう”という気持ちを持っていました。それは1作目から変わらないことですが、やっぱり3作目となるとその気持ちがより強くなっていたかもしれないです。特に今作では信が飛信隊の隊長になったこともあって、飛信隊の皆さんが僕を“隊長!”と呼んでくれていたのも大きいかな。なかなか呼ばれることがないので気持ちよかったですし、皆さんのことがすごく好きになりました」
『キングダム』では、アクションシーンも多いため撮影期間はかなり過酷。その中で山﨑さんのリフレッシュ源となっていたものを聞くと、なんともワイルドな回答が!
「ステーキです。ガッツリいきたいときは500gぐらいをレアで頼むこともあります。どんな気持ちのときも、ステーキを食べると気分が上がってリフレッシュできるんです」
近年は自分の体とじっくり向き合うようにもなったとか。
「どうしたら体が軽くなるのかとか、自宅でも疲れを取る方法はないのかを考えるようになりました。3〜4年くらい前から大事にしているのが、お風呂に入る時間。入浴剤を入れて湯船につかる時間を作るようにしたら、疲れが取れやすくなったと思います。真夏でもほぼ毎日、湯船につかっていますよ」
この取材中も、常にやわらかく朗らかな雰囲気だった山﨑さん。主演作が長く続き、多忙を極める中でも気持ちが健やかな秘訣を聞いた。
「許される範囲内で、仕事を仕事だと思いすぎないようにしていることが大きいかもしれないです。スタッフさんと話すちょっとした時間は、力を抜いてふざけてみたり(笑)。そうはいっても、やっぱりメンタル的に落ち込むときもあるんですよね。自分の立ち振る舞いで反省することもあるし、まだ起こってもいないことを考えすぎちゃうこともあるし。でも、基本的には“この気持ちになることも含めて、トータルで人生なんだ”って思うと、気が楽になります」
そして仲間の存在も大きい。
「誰かに会って仕事の話をしたいときもあれば、全然関係ない話をして笑いたいときもある。『キングダム』で信の相棒でもある嬴政を演じている吉沢亮は、僕にとってどちらの話もできる大好きな友人なんです。10代の頃に仕事で出会って仲よくなって、そのときはふざけた話ばかりしていて。でも『キングダム』でまたガッツリ共演することになったときに、お互いの仕事について真剣に話し合ったことでどんな話もできる関係になり、今ではすっかり頼れる存在です」
やまざき・けんと●1994年9月7日、東京都生まれ。2010年に俳優デビュー。『キングダム』シリーズをはじめ、ドラマ『日曜劇場 アトムの童』、映画『ヲタクに恋は難しい』『劇場』など数多くの作品の主演を務める。近年では、Netflixにて配信中の主演ドラマ『今際の国のアリス』シリーズが海外でも人気を集める。
Instagram:kentooyamazaki
公式サイト:https://official.stardust.co.jp/yamazakikento/sp/
『キングダム 運命の炎』
戦災孤児の信(山﨑賢人)は、亡き親友と瓜二つの秦の国王・嬴政(吉沢亮)とともに、中華統一を目指す。魏国との戦いに勝利した秦国を、次なる脅威が襲う。秦に恨みを抱く、隣国・趙が突如侵攻してきたのだ。対抗するべく、嬴政は伝説の大将軍・王騎(大沢たかお)を総大将に任命する。そして出撃前、信は嬴政のある過去を知り……。(7月28日〈金〉より全国ロードショー)
撮影/木村 敦 ヘア&メイク/永瀬多壱(VANITES) スタイリスト/伊藤省吾(sitor) 取材・文/上村祐子
こちらは2023年LEE8・9月合併号(7/7発売)「カルチャーナビ」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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