「確定申告」という言葉を聞いただけで、「難しそうでイヤ~!」と感じてしまう人は多いかもしれませんね。税金の話は、とにかく用語がとっつきにくく、それだけで敬遠されがち。
でも、「税金を少なくできて、手元にお金が戻ってくるかも」と思えば、少しは興味がわいてきませんか? さらに言えば、この仕組みを知っていると、還付金詐欺を防ぐこともできるんです。
まず、確定申告は何のためにするかというと、税金がかかる一年間の所得を「申告」し、納める所得税を「確定」するためです。
会社員など給料をもらっている人は、勤務先が給料を元に見込みで税金を毎月天引きしてくれています。その見込み税額を、「年末調整」の際に計算し直して、払い過ぎた税金は戻してくれているのです。でも、年の途中で会社を辞め、その後再就職していない人は、それまで天引きされていた税金が納め過ぎているケースが多いので、確定申告すればお金が戻る可能性大。
また、勤務先では把握できない控除(給料から節税のために引くことができるお金)がある人も、確定申告をすれば納めすぎのお金が戻ります。この「戻ってくるお金」が、還付金。ということは、確定申告をしていない人や、そもそも税金を払っていない人には、還付金はないのです。だから、もし納税していない高齢のご両親あてに「還付金がありますよ」という電話がきたら、これは200%詐欺というわけですね。
親世帯の医療費もまとめて申告できる場合も
LEE世代が確定申告をするきっかけになるのは、出産などで多額の医療費がかかった場合が多いようです。
1年間にかかった医療費が10万円以上だった(年間の所得が200万円未満の人は、払った医療費が所得金額の5%を超えていた)場合、その10万円を超えた金額が節税できます(=医療費控除)。ただし、保険の給付金などを受け取った場合は、それを引いた残りの金額が10万円以上でないといけません。不妊治療の治療費も対象になりますから、忘れずに申告しましょう。
しかし、予防接種や健康診断(診断の結果、病気が見つかり治療につながれば対象になる)は対象外で、ざっくり「治療は〇、予防は×」と憶えておくといいでしょう。市販薬も従来からの医療費控除の対象に入りますが、2017年からは特例として「セルフメディケーション税制」が始まるので、年間10万円も医療費を使わないという人はこちらを利用するのも方法です(2つの制度の併用はできません)。
なお美容目的のものや、疲れを癒すためのマッサージなども対象外です。医療費は家族で合算できるほか、同居や仕送りしている親世帯も、生計を一にしていると認められれば、まとめて申告できます。その場合、収入が多く所得税率が高い人が申告するほうが、節税効果は大きくなります。3月15日(水)までが受付期間。戻ってくるお金がある人は必ず申告を!
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松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。