カルチャーナビ : 今月の人・今月の情報
’18年の結成以降、快進撃を続ける“なにわ男子”の一員として活躍し、その演技力も高く評される西畑大吾さんが、ホラー映画初主演を飾った。その『忌怪島/きかいじま』は、長らくJホラーを牽引してきた清水崇監督お得意の〈怨念〉に、〈VR〉を掛け合わせ、現実と仮想、2つの世界で恐怖を交差させた新感覚ホラーだ。
非科学的なホラーと科学を合体させた予言的な映画です
────西畑大吾さん(なにわ男子)
「非科学的なホラーと科学を合体させるなんて、すごい発想やなと思いました。しかもこの映画の企画時、まだ今ほどは〈メタバース〉という言葉が浸透していなかったはず。こんな一般的になるとは、さすが先見の明がある監督だなと。脚本を読んで“メタバースの中に怨念!?”と混乱しつつも、純粋に怖かったです」
西畑さんが演じるのは、天才脳科学者の友彦。しかも人付き合いが苦手にもかかわらず、チームを組むことに。
「僕は天才じゃないけれど、人がそう感じるものをどう出せるか、すごく考えました。専門用語が多いセリフも、ひとつひとつの言葉の意味を調べることで実際に考えてしゃべっているように演じたり。監督から『怨念など非科学的なことを信じない科学者だけど、本能的な怖さは持っているはず。何か背後に“居る”と感じたら、理屈ではなくゾッとする感じとか。それを出してほしい』と言われて。最初は人嫌いですが、成長していく様子も見どころです」
映画の内容は怖くても、現場は和気あいあいと楽しかったそう。共演者たちと、おかしな遊びも……。
「実際には怖いことが何も起こらなかったので、逆に“誰が一番うまく偽・心霊写真を撮れるか”を競い合いました(笑)。平岡祐太さんの、幽霊風の手の映し方がうまくて。ムードメーカーは生駒(里奈)ちゃんかな。イメージと異なり、とてもよくしゃべってくれて。ホラーの現場だからこそ、僕もみんなが明るくなるよう、積極的に話しかけました」
ホラーならではの怖さと、苦手な人に向けた本作の魅力を、ホラー苦手派の西畑さんが教えてくれた。
「なんなら〈東映マーク〉が出る冒頭から、メチャクチャ怖いので注目です。“イマジョ”の登場シーンも怖すぎる! これ、なにわのメンバー7人で観たいな。一番怖がるのは、きっとミッチー(道枝駿佑)だけど、みんなで一緒に観て、怖かった~とゲッソリしてほしい。とはいえ本作は謎解きのミステリー要素、島から脱出できるかのサバイバル要素、イマジョを誕生させた人間の怖さを描くシリアスな要素もありつつ、未来を映した予言的な映画でもあるので、多くの方に観てほしいです」
ちなみに、西畑さんがこの世で最も怖いものは、と聞くと「人間」と即答! 果たして、その心は!?
「だって仲よくしていたと思ったら裏切ったり、人の悩みの大半が対人関係から生じますから。僕も人と付き合うのは怖い。でも人がいないと生活できないし、怖いけれど好きでもあって。要はバランスというか境界線だな、と日々感じています」
オフは家でダラダラと配信動画や映像を観て過ごすのが好きな西畑さんに、オススメ作品を聞きました。
「先日、NHKのドキュメンタリー『100カメ』の、関西Jr.に密着する回を見たらすごくよくて。皆が一つのライブを作り上げるために頑張っている姿を見て、懐かしい気持ちになりつつ、“僕たちも頑張らなきゃな”と素直に思わされました!」
1997年1月9日、大阪府生まれ。「なにわ男子」のメンバーとして’21年に『初心LOVE(うぶらぶ)』でCDデビュー。俳優としての代表作にドラマ『コタローは1人暮らし』(’21年)、『新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~』(’22年)、映画『PとJK』(’17年)、『映画 少年たち』(’19年)、『KAPPEIカッペイ』(’22年)など。
公式サイト:https://www.johnnys-net.jp/page?id=profile&artist=56
『忌怪島/きかいじま』
『呪怨』シリーズ、『犬鳴村』などの“恐怖の村”シリーズでJホラーを牽引してきた清水崇監督作。理不尽に殺された娘の怨念〈イマジョ伝説〉が伝わる島で、片岡友彦(西畑大吾)はチームでVR研究を行っている。しかし突然システムエラーが起き、“赤い女のバグ”が出現。シャーマンは「それはイマジョだ」と告げる。彼らは生きて島を出られるのか!?(6月16日より全国公開)
撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/miura(JOUER) スタイリスト/井元文子 取材・文/折田千鶴子 衣装協力/Kujaku マネブ ShuShuJoJo Chabi jewelry
こちらは2023年LEE7月号(6/7発売)「カルチャーナビ」に掲載の記事です。
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。