ジャンプが本気で作る学習マンガ雑誌「勉タメジャンプ」担当編集者が“子どもにマンガを読ませてもいいのか問題”に向き合う
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高見澤恵美
2023.05.13
今年4月に誕生した新雑誌「勉タメジャンプ」。小学生の息子が告知段階から気にしていた雑誌だったので、早速手に取ってみました。表紙には「学習マンガ雑誌」という、親としては気になる文言が。
立ち上げたのは「週刊少年ジャンプ」編集部。あのジャンプが学習マンガ? それは気になる!と私も読んでみたところ……。確かに子どもに読ませたい学習分野がマンガになっているのですが、なんというか、大人が読んでもマンガとして普通に面白く、続きが読みたくなる、というのが第一印象で(もちろん子どもも夢中で読んでいましたが)。「普通に」というのが失礼な物言いのようですが、大人も子どもも普通に楽しく読める学習マンガ、というのがこれまでになく新鮮に感じ……。これは作った人にぜひ話を聞いてみたい!!と、「週刊少年ジャンプ」編集部に取材を申し込み、担当者を直撃することに。
『勉タメジャンプ』を手がけたのは「週刊少年ジャンプ」編集部の副編集長・本田佑行氏。編集裏話や、ジャンプが目指す学習マンガ雑誌の在り方、今後の展望等についてうかがってきました。
第一回「LEEweb誌上『勉タメジャンプ』座談会」メンバーは3名!
▶︎LEEの人気連載「神保町パパママリーズ」では「やっぱり妻が好き」のキャッチフレーズでおなじみ。小6息子&小3娘のパパで、現在は息子くんの受験勉強に伴走中。「もう僕よりも息子のほうが難しい問題を解けます。最近はお風呂も一緒に入ってくれないし、寂しい限り。娘はかなりしっかりしてきて、口調もまるで母親のよう」
▶︎「週刊少年ジャンプ」副編集長。小3の息子&小1の娘のパパ。2023年度は小学校のPTAで広報を担当し、日頃の編集業務で培った企画構成力を存分に発揮中?「LEEwebに出るなんて初めての経験。いつもはTシャツですが、ベージュ×ベストでトレンドを意識(笑)」。休日の楽しみは子どもたちとボードゲームに興じること。
▶︎小3息子のママ。「神保町パパママリーズ」では、育児知識豊富なヒロキ先輩のお買い物を参考に、子どもの本などを購入。息子は「週刊少年ジャンプ」を愛読。最近は『SLAM DUNK』読破で映画を観に行ったり、『HUNTER×HUNTER』の考察に勤しむ日々。
“二児の父”が「勉タメジャンプ」を立ち上げ
ヒロキ 親として“子どものためになる本”に関心があるので、「勉タメジャンプ」の完成を心待ちにしてました! 「勉タメ」という言葉は、うちの会社(集英社)が商標登録したそうですね?
本田 はい。勉強+エンターテイメントで「勉タメ」。もともと「最強ジャンプ」というマンガ雑誌で「勉タメ」という言葉をキャッチコピーにしていたので、言葉自体は先に存在していたんです。「最強ジャンプ」は既存の少年マンガのスピンオフなどを主に掲載している雑誌なのですが、新たな連載を立ち上げていくスタイルでも「勉タメ」を深めてみたいなと思って、今回「勉タメジャンプ」を作りました。「週刊少年ジャンプ」の編集としての経験もありますし、親という立場も活かせると考えました。
ヒロキ 編集者、親としての経験を存分に活かした雑誌なんですね。1号目は新学期シーズンに出す!ということで、進めてきたのですか?
本田 最初に企画を立てたのが去年(2022年)の1月くらい。作るのにちょっと時間がかかって、今の時期になった感じです。「週刊少年ジャンプ」編集部の人間ですのでマンガ雑誌作りのノウハウは当然あり、雑誌自体を作ることはできるんですが、やっぱりマンガ家さんのアイデアがないとマンガ雑誌は作れませんので。マンガ家さんに「こんな感じの新しい作品を作りませんか?」とお声がけして、「いいね、それ最高!」と言ってくれる作家さんを見つけるところからのスタートでした。そこからページ分の作品を揃えて……とやっていたらやっぱり時間がかかり、このタイミングでの発売に。
たかみー テーマに共感してくれるマンガ家さんに依頼することにこだわるあたり、さすがジャンプですね。そういえば、「勉タメジャンプ」内の作品『絶対作れる!YouTube教室潜入記』には本田さんご自身も登場されてますね。お顔、大方似てるんですけど、鼻の形は違うような気が……?
ヒロキ え、そっくりですよ(笑)。
たかみー 作者の長谷川智広先生の担当編集者、福田さんも登場されていますね。
本田 はい、「長谷川先生がいるところには福ちゃんがいないとダメだろう」ってくらいの名コンビなので、出演してもらってます。
ヒロキ 福田さん、長谷川先生の『長谷川智広のデジタル作画奮闘記』にも登場してましたね。アレめちゃくちゃ面白いですね。長谷川先生はそんなにデジタルがヤバい人なのか!?と爆笑しながら読みました。そして『絶対作れる!YouTube教室潜入記』での本田さんは“えらい人”という描写(笑)。
本田 これ、ずっと目にハイライトが入っていなくて。長谷川先生にとっての僕は、たぶんそう見えるんでしょうね(笑)。
たかみー この作品、息子と私も笑い転げながら読んで、親子で笑いのツボが似てることが判明しました(笑)。内容も知らなかったことばかりで勉強になるのですが、読み進める上ではやはりギャグ的な面白さも大事だなと実感しました。
説明的な学習マンガではなく、本気で面白い学習マンガを作りたい
ヒロキ 小6の息子はどんな作家さんが描いているか全然知らずに読み始めたのですが、巻頭マンガ『人体レスキュー探検隊-VISCERIS VOYAGE-』が『Dr.STONE』の作画担当、Boichi先生の作品ということがすごく引きになったみたいです。ジャンプの有名マンガ家さんが描いてくれるのはやはり大きいですね。そして中身もやっぱりさすがの構成力! 一気に読ませる力がある作品で、これはジャンプならではだなぁと感激しました。今までの学習マンガとは段違いの“読ませる力”がある!
本田 ありがとうございます! まさに作家さんの力ですよね。
ヒロキ マンガ家の先生には「こういう学習的な内容を描いてほしい」みたいなことは、どのくらい細かくお願いしているのですか?
本田 最初に「学習マンガの新雑誌を作りたい」というお話はしましたが、その後は先生方の聞き取りをして、先生が描きたいもの、好きなものを描いていただくようにしているんです。
ヒロキ 作家さんに基本ゆだねているということなんですか!?
本田 そうですね。
ヒロキ ネタありきで作家さんを決めるのではなくて、作家さんの力ありきでネタを決めている……ココがこれまでの学習系マンガと大きく異なるところなんでしょうね。親目線では、これまでの世の学習マンガの多くは、説明のための絵になっているなと思っていたんですよ……。
本田 そういう側面もあるかもしれません。「学習マンガ」としての正解はそれぞれあるとは思うんですが、少なくとも「週刊少年ジャンプ」という雑誌のノウハウと先生方の力が合わされば、この雑誌ならではの面白さはお届けできるのでは、と思ってます。
たかみー なるほど。あの、表紙に「小学生~大人まで」とありますが、一番読んでほしい年齢層は何歳から何歳くらいなんですか?
本田 小学校中学年から高学年ぐらいがまずはメインターゲットとしてありまして、その年代の子どもたちのワクワクに寄り添えるものを作りたいと思ってます。それに加えて、親でもある僕らの世代が読んでも面白くてワクワクするというところは絶対はずせないなと。
考え方としては「週刊少年ジャンプ」と同じ、ですかね。ジャンプのメインターゲットは年若い読者たちですが、大人が読んでももちろん面白いという。性別も国籍ももちろん関係なく楽しんでいただける作品になっていますよね。
ヒロキ 確かに幅広さは感じましたね。わが家では、息子のみならず、小3の娘も面白く読んでいますよ。マンガを読み慣れている子であれば、小学校低学年や幼稚園児、保育園児の子でも興味を持って読める内容ではないかと思いました。
本田 作っている最中は、下の子が年長だったんですが、確かに楽しそうに読んでいました。
ヒロキ 小さな子どもでもめくりやすい紙を使っているところも好印象です。
本田 そうなんですよ! 紙についてもこだわっています。子どもが持ちやすいよう、厚めに。引っかかりのある紙を選んで、幼い子でも自分でページをめくりやすくなるよう工夫しました。
たかみー コマ割りを大きめにして、子どもも読みやすくしたり……などはありますか?
本田 若干はありますけど、ここのコマは今回大きめにしましょう、その分ページ数は増やすんで、といった感じで内容自体は変えていないんです。「ジャンプ」のマンガの作り方、面白さはそのままに、知的好奇心を刺激するところにフォーカスしたマンガがたくさん載っているというイメージです。
ヒロキ なるほど。聞けば聞くほど、親から見てもメリットだらけのマンガ雑誌じゃないですか(笑)。ジャンプ編集部ならではのすごいノウハウを子ども向けの学習エンタメに落とし込めちゃうわけで、かなり“オイシイ”ですよね。
親として「子どもに触れさせたい世界」を作品化!
本田 僕も親なので、どうすれば子どもたちの明日、1年後、10年後に役立つものを体験させてあげられるかで日々すごく悩むんですが、子どもってやっぱりすごく正直だから、面白くないものは触ってくれないんですよね。だから、子どもが面白いと思うようなもので、大人も「あ、このマンガは子どもの役に立ちそうだな」と思えるようなマンガがあったら素敵だなと思って。僕が親として「子どもに手に取って欲しかったもの」というのが、ひとつの形ではあると思ってます。
ヒロキ 個人的に、『絶対作れる!YouTube教室潜入記』は親として子どもに読ませたいとすごく思いましたね。わが子もYouTubeの動画を作りたいと言うんですけど、親が「こういうのは写り込ませちゃダメだよ」とかプライバシーの話をしても、なかなか聞いてくれない。だけど、こうやってマンガにしてくれると子どももすんなり理解して受け入れられるみたいで。ほんと、助かりました!
本田 以前は僕も、子どもがYouTubeを観るなんて!と思ってましたけど、でも子どもたちの生活にこれだけ浸透しているものを避けて通らせるわけには行かないと思うように。それならばむしろよい付き合い方や楽しみ方を僕自身も勉強しなきゃ……と思いまして。僕もこのマンガに出てくる『子どものためのYouTube作成講座』に通って、実際動画を撮れるようになりました(笑)。
子どもにマンガを読ませることのメリットとは?
ヒロキ 作品には連載と読み切りがあるんですよね。連載はどのくらい続ける予定でスタートしたんですか?
本田 まずは単行本が出せる分がたまるまでは、と思っています。何号か出す中で、読者の皆さまのニーズを反映できたらいいですよね。興味を持った子どもたちが手に取って読みやすいように、図書館や学童なんかにも置いてもらえたらうれしいんですけどね。
たかみー 子どもにマンガ……。あの、乳幼児期の育児では絵本が絶対的な存在ですが、年長から小学校低学年にかけての子どもに、「マンガを読ませていいものか」と悩む親御さんの声をよく聞くんですよ。わが子は保育園時代からマンガを読んでますが、「マンガを読ませると活字を読まなくなったりしない?」なんて聞かれることもあったり。息子の場合はどちらも楽しそうに読んでいるのですが……。
本田 ご家庭ごとにそれぞれの考え方があるので何が正しいかについて一概には言えないですが、マンガ編集の立場からすると、子どもたちが知りたいことを知ったり、知らないことを知る時のワクワク感を感じられるのがマンガの一番の特徴だと思うんです。知らないキャラクターに出会って、このキャラクター面白いやつだなぁと思う。で、知らない場所に行って、この世界なんか面白そうだなぁと思う。魔法でもカードでもなんでもよいのですか、知らない世界に触れて、「この世界ならこんなことができるんだ、すげぇ!」と、知らないことを知りに行けるのがマンガの醍醐味。よく考えるとその面白さって勉強とまったく変わらないものだと思うんですよ。
それは言うなれば、興味に向かうためのエンジンのようなものだと思います。その興味が化学に向く人もいるだろうし、国語や算数に向く人もいる。そこからはそれぞれの人生の選択ですが、根っこの“面白さ”を知らなかったら、その先のどこにも行けないわけですよね?
そういう意味で、マンガで「知らないことを知るのは面白い!」と感じられることは、子どもにマンガを読ませるメリットと言えますよね。子どもにとって、とても価値のあることなんじゃないかと思っています。
ヒロキ 分かります。マンガってただ単に遊戯として存在するわけじゃないですよ。例えば『Dr.STONE』を読んで科学を勉強したくなったり。あ、国立科学博物館が『Dr.STONE』とコラボしてるからちょっと行ってみるかな、となりますし。『逃げ上手の若君』を読んだらやっぱり歴史が好きになったりする。武将ってこんなのかぶってるんだとか、マンガのビジュアルで分かるところも大きいですしね。
だから今の時代、たぶんマンガ=子どもに悪影響があると思っている親は、昔に比べてそんなにいないのかなと僕は思ってますけどね。
本田 僕、こうやっていろいろ語ってますけど、うちの息子はゲームや工作が大好きで、放っておくとなかなか本を手にとらないタイプ。だけど、親が読ませたい分野のマンガを彼の部屋にそっと置いておくと、手に取って読み始めたりする。活字の本より先に、マンガで新しい分野に出会えることって多いんですよ。そうやってマンガが機能してくれるのはとってもいいことだなぁと日々実感しています。
たかみー 確かにマンガのおかげで興味が広がりますよね。関連する図鑑をせがまれたりすることも。
本田 僕ら親世代が子どもの頃と比べると、今の子どもはYouTubeにアニメーション、ドラマ、テレビ……と、ものすごい量のエンタメにアクセスできるようになっていますよね。だからこそ、子どもは「つまらないことなんてやりたくない!」と思う傾向が以前より強いと思うんです。より面白いほうへ流れて行ってしまう。だとしたら、やっぱり面白いものの中で、意味や価値があるものを選んでいったほうがいいと思っていて。
ヒロキ 「勉タメジャンプ」だったら面白さが第一にあるから、親が買ってきて「よかったら読んでみれば?」と渡すにも、オススメしやすいです。親と子のコミュニケーションツールになり得ますよ。わが家では、「オレも読んでみたけど、ここ面白かったよ」とか「ちょっとクイズ出してみるよ」とかなんとか言って盛り上がってます。紙って、そういう紙を通じた親子のコミュニケーションがとれるところが長所でもある。
たかみー 昨日も「勉タメ」で『セベクちゃんは噛みつきたい』を読んだ息子とピラミッドトークをしました。会話のネタになってありがたい!
ヒロキ 車でお出かけの時もこれ1冊を車に置いておけば、ちょっとした時間に読めていいですよ。マンガ雑誌ですけど、読み物ページも多くて大人が読んでも読み応えがありますし。
本田 そうなんですよ。記事ページも好きなので、たくさん入れちゃいました。
ヒロキ 『ナゾトキ博士のヒラメキ遺跡探検記』も、マンガ雑誌なのに小説仕立てというのが新鮮でいいですね。娘が喜んで、手に取って即解いてました!
次号のテーマは「夏の自由研究」!
本田 お子さんの意見、すごく参考になりますし、うれしいです。お母さん、お父さんの率直な意見を聞けるのも本当にありがたいんですよ。僕らはマンガ雑誌のプロフェッショナルですけど、子どもに与えるものに関しては、お母さん、お父さんがやっぱり1番のプロ。1番目が厳しいと思うんです。そのお母さん、お父さんたちの目にかなうような雑誌でありたいな、と切に思っています。
ヒロキ 自信作というのが伝わる充実ぶりですよ! これは親としての個人的な希望ですが、地理的な分野のマンガも掲載してほしい! 『ブラタモリ』みたいな。都道府県系の本はたくさん家にあるんですけど、マンガでもっと深掘りできたらありがたいなぁと。
本田 分かります。地理とエンタメってなんか相性いいんですよね。
たかみー 息子は実験ネタも大好きなので、そのようなマンガもぜひ。
ヒロキ いいですね、今って子どもがリアルな体験ができる科学系の実験教室がすごく人気があるんですよ。息子が通っている教室では子豚の解剖をやってくれたりして、めっちゃ楽しいらしく。受験向けの教室ではあるんですけど、日々の生活や学校ではできないリアルな体験ができるのが子どもたちにウケているみたい。
本田 今の時代、子育てにおいて、リアルな“体験”もひとつのテーマになっているんでしょうね。
ヒロキ 人の体の中がどうなっているかも、やっぱり想像しづらい部分があるのかなぁと思うんです。だからこそ、力のあるマンガ家さんが描く世界観で、リアルに想像できる作品が貴重になってくる。
本田 僕がこの間やってみようとしたのは、例えば……ホルモンを大量に買ってきて、解剖図を見ながら並べていく……みたいなこと。ホルモンを内臓だと思ってみてみると、違った視点で色々と興味が沸いてくるんですよ。白モツは、脂が強いことにきっと何らかの意味があるはず……なんて考えるのは、楽しいですよ。
たかみー ホルモンを並べた実験も掲載してはどうですか?
本田 それも考えたんですけど、「学習マンガ雑誌」に載せるにはグロい気もして断念しました(笑)。ちなみに「勉タメ」だからやらないですけど、僕が本当に知りたいのは二日酔いの時の自分の胃がどうなっているか、です(笑)。
ヒロキ 気になりますね。僕が気になる科学は、美容のメカニズム。お肌のことも科学的に知りたい!
たかみー ヒロキさんは美容マニアでもありますからね(笑)。「勉タメ」、次号はぜひ科学で〜!
本田 (笑)。あの、もう予告も出ているのですが、夏休み向けに「自由研究編」を作り始めてます。自由研究って親も一緒にあちこち色々とネタを探すのが大変だったりしますよね。一冊買えば、そのまま実験もできるし、研究もできちゃう!みたいな「学習マンガ雑誌」があったらいいなと思いません?
たかみー 欲しいです!
本田 ですよね、だから作っちゃいます(笑)。夏休み、僕がラクするために……じゃなくて(笑)、子どもに自主的に自由研究に取り組んでもらうために。
ヒロキ 面白そうですね。連載以外に、自由研究の記事がいくつか載るイメージですか?
本田 そうですね。自由研究とはどういうものかが分かる記事やマンガを載せつつ、そのまま研究に使えるような付録もつける予定です。
ヒロキ 付録! 楽しみです。子どもたちに自由研究を一から考えさせるのって本当に大変なんですよね。だから、「あぁ、こういうのでいいんだ」が分かる読み物があるとありがたいです。
本田 例えば、卵を冷蔵庫に入れて凍らせましたってだけでも、題材になるわけで。なんでこんなふうに凍るのか、卵に似たものを冷凍庫にぶっ込んだら何が出てくるか……その変化はなぜ現れるのか……で十分研究になる。それを、「学習マンガ雑誌」でマンガにもちゃんと紐付けながらお見せしたいなと思ってます。
ヒロキ それなら自由研究のハードルが下がりますね。
たかみー 宿題の救世主(笑)。春号を堪能しつつ、次号も楽しみにお待ちしてます〜!
(この後も、パパ2名によるマンガ&育児&エンタメトークがエンドレスで繰り広げられました……)
「作家さんへのリスペクトがすごい!」と評されるジャンプ。そのジャンプが作るマンガは、学習マンガであっても“作家さん本人の心が動かない作品は作らない”という点で徹底していました。だからこそ、学習面だけでなく、マンガとしての面白さも追求できるーー「勉タメジャンプ」の学習マンガ雑誌としての新しさは、ジャンプ流のこだわり抜いたその姿勢にある、と感じました。
そして、マンガの、子どもへ与える素晴らしい可能性に対してもジャンプの人は信じて疑わない。それだけの力がある作品を生み出してきた自負をも感じる瞬間でした。
子どもに与えるものに対して、役立つ要素はないかとつい考えてしまう下心ありの親としては、すごくありがたい雑誌が誕生したな、というのが今回の座談会の感想です。
大人も子どもも共に楽しめる新たな学習系エンタメ、気になった方はぜひチェックしてみてください。
「勉タメジャンプ 2023 SPRING」
⚫︎価格:880円(10%税込)
⚫︎サイズ&ページ数:B5判188ページ
⚫︎連載作品:
『人体レスキュー探検隊-VISCERIS VOYAGE-』(Boichi)
『セベクちゃんは噛みつきたい』(田村隆平)
『ぼくたちぜんぜん恐くない竜』(レツ)
『ナゾトキ博士のヒラメキ遺跡探検記』(文章:駆村いと イラスト:川口勇貴)
『絶対作れる!YouTube教室潜入記』(長谷川智広)
『犬えいご!!』(古舘春一)
⚫︎読切作品:
『ワコ・チャコ・ヨーコのふわレシピ』(筒井大志)
⚫︎付録:
スペシャル勉タメクリアしおり!!
(デジタル版はイラストとして巻末に収録)
撮影/富田恵
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高見澤恵美 Emi Takamizawa
LEEwebエディター・ライター
1978年、埼玉県生まれ。女性誌を中心に女性の性質や人間関係の悩みに迫り、有名無名千人超を取材。関心あるキーワードは「育児」「健康」「DIY」「観劇」など。家族は夫と4歳の息子。