23年も続くシリーズの歴史の中で、2作品同時上演は初!
どんな状況でも“Show Must Go On!”を貫くエンターテイナーを描いたストーリー
『Endless SHOCK』本編のストーリーは、ニューヨーク・ブロードウェイが舞台。繁栄と衰退を繰り返すショービジネスの中心の中で揉まれながらも常に頂点を目指し続ける若きエンターテイナー、コウイチ(堂本光一)。
彼が率いるカンパニーのスタートは、オフ・ブロードウェイの劇場。小さな劇場ですが、コウイチのショーはいつも人気で大盛況。カンパニーの誰もがコウイチとともにショーを続けたい、と思っていました。
ある日、カンパニーの心を動かすひとつの事件が起きます。新聞に、コウイチのショーを絶賛する記事が掲載。さらに、カンパニーのオーナー(前田美波里/島田歌穂)は、コウイチにオン・ブロードウェイからオファーがあったことを告げられます。
カンパニーの誰もが“ショービジネスの頂点に進出できる!”と喜びと期待に胸を膨らませ、コウイチの幼なじみのショウリ/ヒロミツ(佐藤勝利/北山宏光)も溢れんばかりのステージへの夢を描きます。
しかし、オン・ブロードウェイからのオファーは、次第にコウイチやショウリ/ヒロミツ、オーナーの娘・リカ(中村麗乃)らカンパニーの仲間に亀裂と混乱を生じさせるのです。
そして、ある事件によって、コウイチの肉体と魂を分かつ最悪の状況に……。そんな事態に陥っても、“Show Must Go On!”。コウイチはショーへの信念を持ち続け、カンパニーをひとつにしていきます。
役を深掘りできるスピンオフ作品がEternal
『Endless SHOCK -Eternal-』は、本編から3年後を描いたストーリーです。
コウイチの亡き後、カンパニーのみんなの3年後の様子、そしてカンパニー全員でコウイチの最期のステージを振り返る形で描かれています。
舞台では、本編と同じ演出が回想のように登場するので、本編を見ていない人にも理解しやすい構成になっています。
“あの時、こう思っていた”という、登場人物のそれぞれの感情や思いが溢れる、役を深掘りできる作品になっています。
特に、コウイチの幼なじみのショウリ/ヒロミツ(佐藤勝利/北山宏光)のライバル心から来る、嫉妬や妬み、後悔の念などの感情がわかりやすく描かれています。
本編とEternal、2つを続けて観劇することで、より『SHOCK』の世界観の理解を深めることができ、“Eternalを観た上でまた本編が観たい!”と感じます。一度の観賞では物足りない……まさにエンドレス現象に陥ってしまう魅力が、この2作品から体感できました。
「お客様の前で演じられることがとても幸せなことだと実感」
ゲネプロ上演後の取材会では、主演の堂本光一さんのほか、ライバル役をダブルキャストで務める北山宏光さん(
●「スタッフ、キャストの皆さんには、本当に大変な思いをさせた」
まずは、一人ずつ挨拶と意気込みを語りました。
堂本光一「『Endless SHOCK』本編、スピンオフ版の『Endless SHOCK -Eternal-』、2作品同時上演なので、いつものリズムではもちろんなくて。キャストの皆さんがこの作品を良くしようという想いの中、突き進んでくれていることをすごく感じています。士気が高い中で一緒にやらせてもらえることが、僕にとって、とても嬉しいことですし、こうやってお客様の前で演じられること、それもとても幸せなことだと実感しています。いつも通り、一つ一つの公演を大事にやっていきたいなという思いです」
佐藤勝利「昨年は『Endless SHOCK』本編を収録という形で、『Endless SHOCK -Eternal-』を(劇場で)やらせていただきました。昨年も大変な舞台でしたが、その経験が僕を強くしてくれたなとすごく感じています。今年は2作品同時上演も大変ですけど、昨年、光一くんが言ってくれた言葉や、今年もたくさん言葉をいただいて、“ジャニーズの幹”みたいな部分も強くなっていると思うので。1か月を通して、僕が演じるライバル役をどれだけ深めて、どれだけ探せるか、そして、強くなっていけるか、僕自身も楽しみです」
中村麗乃「私は今年が初めて『SHOCK』という作品に参加させていただいているんですけど、長く皆さまに愛されてる作品ですので、その分、いろんな思いが皆さまに詰まっていると思うので、私自身も本番を迎えるまで大丈夫かなという気持ちは大きかったです。精一杯、これから頑張っていこうと思っております」
越岡裕貴「『SHOCK』という作品には10年以上携わらせてもらえて、今年は2作品同時上演というのが初めてだったので、光一くんは“何を言い出すのか!”という気持ちでいっぱいだったんです。でも、また新しいチャレンジをしてる先輩の背中を見て、今年も気を引き締めて、光一くんの命を預かってる身としては、2ヶ月間、精一杯頑張っていきたいと思います」
松崎祐介「ついに『SHOCK』の季節がやってきたという感じでございます。この作品に出会ったのが、当時19歳。それから今気づいたら、36歳です。まだまだ光一さんの背中を追いかけるつもりで、2か月間頑張ります」
前田美波里「コロナ禍で止まってしまい、やっと待ちに待った本編が上演できる幸せを、本当に今噛み締めています。いろんなことがあったな、こうしてこの帝劇で皆さんに見ていただける時代が来たんだなと思うと幸せです。『Endless SHOCK』本編、『Endless SHOCK -Eternal-』を心から丁寧に演じて、オーナーとして生きていきたいと思っております」
島田歌穂「昨年の博多公演から作品に参加させていただきました。今回、『SHOCK』の本拠地の帝劇で、この舞台に立たせていただけることに、本当に感謝でいっぱいです。今回は美波里さんと稽古でご一緒させていただいたことが、とても私は嬉しくて、稽古での歴史をたどって、いろんなお話を聞かせていただき、力をいただきました。私の出番は1か月後なので、大変不安ですが、皆さんを応援しながら、(稽古を)頑張って、5月を迎えたいと思います」
北山宏光「まずは、この帝国劇場でやらせていただくことに本当に感謝しています。昨年は博多座だけの出演でしたが、全公演が終わった夜ですかね。光一さんが“ヒロミツの『Endless SHOCK -Eternal-』が観たいな”とおっしゃっていただいたので、僕の中でものすごくハードルが上がっております(笑)。ここから1か月は“待て”の状態になるので、モチベーションを保ちながら、舞台の上演中、僕は帝劇の地下で稽古を積んでいきたいと思っています」
●ミスをしても“ Show Must Go On!”
2作品を同時に稽古、そして上演という挑戦の大変さを尋ねられると、「スタッフ、キャストの皆さんには、本当に大変な思いをさせたと思っていますし、申し訳ない気持ちでいっぱいです。ややこしいですよね〜。メディアの皆さんもこうして2作品のゲネを観に来てくださって、仕事量が2倍ですもんね。ごめんなさい! 」と、お茶目に謝っていた堂本さん。
さらに、「今日、着替えなくていい場面で着替えてしまいました(笑)」と告白。「(本編初日の)昨日もいろいろとありました。セリフをぶっ飛ばしたところもありました。それを勝利がね、なに食わぬ顔してそのまま演技を続けてくれたので、お客様にはバレなかったと思うんですけど(笑)。改めて勝利の成長を感じました。すごく堂々としてますし、稽古の時から常に100パーセント全力でやってくれていたので、今まで話しをしてきた”自分の引き出しをたくさん増やしていく”ということを課題に、自ら向き合ってくれて。成長をすごく感じています」と続けました。
そのコメントを受けて、佐藤さんは、「昨年、僕がすごく自信がなくて。不安だった時に、光一くんに電話をさせてもらったんです。”絶対大丈夫だよ。勝利だったらできるよ”と言われたことが、すごく嬉しかったんです。そこで“バン!”とスイッチが切り替わったんです。あの言葉をいただいたからこそ、今年は、光一くんが信じてくれているから、やれている姿を見せないといけないと思ってます」と振り返っていました。
すると、堂本さんは照れ隠しなのか、「やれるよ! って言ってる自分が、昨日今日できてないってね(笑)」と自分のミスを持ち出すと、すかさず佐藤さんが「いやいや、“ Show Must Go On!”ですから」とフォロー。チームワークの良さが伺えました。
北山さんは、「僕と勝利はともにライバル役なので、稽古を同時にやったりすることもあるんです。そこで毎回、自分の役を俯瞰で見続けるという初めてだったので、。”勝利はこういう台本の読み方をするんだ”と気付いたり、光一さんがおっしゃってましたけど、成長を間近で見て感じることで、“僕も負けていられないな””もっと自分の引き出しとして、いろいろなものを出せたらいいな”とポジティブな気持ちにもなれました。1か月後にステージに立つ時は、博多の時よりも、もっといろいろなことができるんじゃないかなって思ってます」と意気込んでいました。
●『あっち向いてホイ』って緊張をほぐした
今作よりヒロイン・リカ役として新たに参加するのが乃木坂46の中村麗乃さん。
中村さんにも、堂本さんから何か声をかけてもらったかを問われると、「心配性なので、全部に対してすごく不安になっていたんですけど、いつも(堂本が)『大丈夫だよ』と力強くおっしゃってくれました。座長が先頭で皆さんを引っ張っていく姿を見ていたので、ついていけるように頑張らなきゃと感じていました」と堂本さんの姿が励みになったそうです。
堂本さんは、「(中村さんは)1番大変な人。イチからだったので、両方経験がない」と気遣いながら、「稽古はじめは、すごく遠慮していた。それで考えついたのが、毎日『あっち向いてホイ』しようぜって。とにかく心を開いてもらわないとって。そこから始まりました。それくらい、謙虚にずっと挑んでくれた。でもまだ遠慮してるもんな?」と聞かれた中村さんは「最初の頃に比べたらだいぶ…」と恐縮していました。
さらに堂本さんは、「本番が始まれば化ける子だと思っていたので。やはり素晴らしいですね」と褒めていました。
ちなみに『あっちむいてホイ』の勝率について問われると、「圧倒的に私が勝っていた!」と笑顔の中村さん。堂本さんは「こういうの弱いんです」と苦笑し、会場を笑わせていました。
●「観客の皆さん一人ひとりが出演者」
また今回は、上演前に英語のアナウンスも追加。
堂本さんは、「舞台がニューヨークの設定っていうのもあるので、そういった雰囲気をちょっと感じてもらって、『SHOCK』っていうのは、お客様も含めて劇の一部、ショーを観てもらっているお客様という感覚になって欲しいなと思っています」と説明。そして「皆さん一人ひとりが出演者ですので、チケットの転売はやめていただきたい」と笑わせていました。
●会見日は、相方の剛さんの誕生日。「忘れるわけないじゃないですか!」
リポーターから「今日4月10日はもう一つおめでたいことがありますよね?」と問われた光一さん。
「え、今日?」と一瞬戸惑いつつも、「(Kinki Kidsの堂本)剛さんのお誕生日です。何かコメントを」と求められると、「そりゃ覚えてますよ。忘れるわけないじゃないですか! 今日は会えないので、スタッフにあるものを届けてほしいと頼みました」と、プレゼントを準備していたことを報告。 その中身は「それは言えないな」と明言は避けながらも、「おめでとうございます。剛くん」と笑顔でコメントしていました。
最後に「(2作品同時上演は)いつもの感覚と自分も違う部分があるんです。でも、毎日が新鮮に感じられると思いますし、本当に素晴らしいキャストの皆さんとスタッフの皆さんとともに全てを共有して、2か月という長い旅に出られることをすごく嬉しく思っております。何よりも、楽しみにして来てくださるお客様の皆さんに、この『SHOCK』という作品をしっかり届けられるように、毎日歩んでいきたいと思っております」とアピールをして会見が終了しました。
『Endless SHOCK』/『Endless SHOCK -Eternal-』
2023年
4月9日(日)~5月4日(木)※佐藤勝利、前田美波里
5月7日(日)〜5月31日(水)※北山宏光、島田歌穂
場所:帝国劇場
『Endless SHOCK』 公式HP撮影/富田恵 取材・文/宮平なつき
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。