自然派ヘアケア『Kruhi』が「サステナブルコスメアワード」のGOLD賞を受賞
先日、「サステナブルコスメアワード」が2022年度の授賞式が開催されました。
「サステナブルコスメアワード」とは、環境省の森里川海アンバサダーでもあるアクティビストチームMOTHER EARTHが主催する「人にも地球にもやさしいコスメ」を表彰するものです。
GOLD賞は、俳優・井浦新さんと妻のあいさんが手がけるヘアケアブランド『Kruhi(クルヒ)』!
●授賞式後に井浦夫妻に直撃インタビュー。開発秘話から子育て論までうかがいました。
井浦新さんは受賞コメントで、「家内と2人で立ち上げたナチュラルコスメブランドになります。本当にすべてが初めての出来事だったんですけれども、中身だけではなくて、容器やパッケージ、人にも環境にもすべて循環していく徹底した物づくりをしてみようというところから始まりました。でも、私たち2人ではどうすることもできなくて、鹿児島にあるボタニカルファクトリーさんと出会いまして、『Kruhi』の形が生まれました。この場を借りて、ボタニカルファクトリーの皆さんに心から感謝を申し上げます。ありがとうございます」と述べました。
審査員長の岸紅子さんからは、「リアルな生活の中でも、井浦さんは自然とたわむれていらして、ナチュラリストなんですよね。そこから発想された物づくりという感じがしました。そして、かいだことのない、めちゃくちゃいい香り、可愛らしい香りでした」とのコメントも。
このこだわりの香りを調香したのも、新さん。
「そもそも俳優の仕事の時に、役にあった香りを作って演じ分けたり、キーアイテムにしていたりするんです。そういった経験も最大限に活かして、完全なナチュラルコスメで、ユニークでかいだことのないような香りを作ってみようと。デザートのような、森の中にいるような……シトラスやフローラルという、自分の中で欲しいと思う香りを目指して、景色をイメージしながら作っていきました」
夫婦2人で会社を立ち上げて作った『Kruhi』
それでは授賞式後のインタビューへ!
ーーGOLD賞おめでとうございます。表彰式の時、新さんが賞状をじっと見つめて受け取られていたのが印象深かったです。何か色々と思い出されたりしていたんですか?
新さん「ありがとうございます。受け取った時は、嬉しいという感情をかみしめていましたね。『Kruhi』は去年(2022年)9月にデビューしたばかり。家内と2人でやっている小さな会社でもあり、まだ1年も経っていないブランドなんです。2人とも今までになかったものを生み出すために、妥協せずこだわり続けて、1年弱を開発に費やしてきた。受賞のメールをいただいた時には、“ええっ!”と驚きもすごかったです」
あいさん「驚き、喜び、涙が出ちゃう感じでしたね。でも、賞を獲得できるようなものを作りたいという思いは、私たちには初めからありました」
新さん「賞が欲しいということではなく、取れるくらいのものを作ろうということです。『Kruhi』で設計したものは、徹底して、人にも環境にもすべてに循環しているプロジェクトになっているんです。それは中身だけじゃなく、外のパッケージだったり、お客様に届けるシステムだったり、原材料を作ってくださる生産者の人たちとの関わり方だったり……すべてが循環している。ここまで隙なく設計したものが、一体どう評価されるんだろうって思っていました」
あいさん「でも、GOLD賞をいただけるとは、正直思ってはいなかったです。今まで頑張ってきたかいがあったという喜びももちろん、ちゃんとありました。これだけこだわったら、GOLD賞になるんだなと手応えも同時に得ることができましたね」
●毎日ハッピーに過ごすために、家庭の悩みから商品開発がスタート
ーー家族の悩みから開発したという『Kruhi』。どんな悩みがあったのですか?
あいさん「家族が、夫と私、中2の息子、小4の娘の4人なのですが、髪に最も満足ができずストレスを抱えていたのは私でした。髪の毛がパサパサする、広がる、枝毛がある、潤っていない……多くの方が悩んでいるすべてのものを持っている髪の毛でした。髪の状態もストレスでしたが、良くしようと思って様々なお悩み解決シャンプーとトリートメントを使って、浴室から大量の泡が流れていく。それなのに髪の状態は一向に良くならない。ただただ環境を汚しているような気がして、ハッピーじゃなくなってしまったんです。お風呂に入って気持ちを切り替えることは好きだったのに、いつの間にか憂鬱な時間になっていました。
そんな時に、石けんシャンプーに出会って。洗った時はギシギシとしていたんですけど、リンスをして、髪を乾かしたら、つるんとした髪になって、その感動が忘れられなかったんです! 環境にちゃんと循環する化学物質不使用の石けんシャンプーでこんな仕上がりが手に入れられると知った。そして、“洗髪中のギシギシ感が少しでもなくなったら、私のような悩みを持っている人が毎日もっと楽に生きられるのに!”と思ったんですよね。
夫も石けんシャンプーの効果には実感と感激をしていて、“石けんシャンプーで色々叶うなら、石けんシャンプーで使い心地の良いものが必要だよね、あるべきだよね”と話が展開して。探してみても見つけられなかったので、自分たちで作ることを自分たちの役目のような気持ちにまでなって、開発がスタートしました」
新さん「開発に際して、いろいろな会社にご相談したんですが、“みんなが求めてるものって、泡立ちが良いとか使用感が良いというものだから売れないですよ”と言われましたね。その中で、植物由来の製品を手がけているボタニカルファクトリーさんだけが唯一”いいですね”と言ってくださった。ボタニカルさんが協力してくださらなかったら、始めることも難しかったです」
●自分の髪で試しながら理想の仕上がりを追求
ーー開発中に困難や失敗はあったのですか?
あいさん「そうですね。試作品は家族全員で使っていたんですけど、いちばんトラブルがわかるのは、私のダメージヘアだったので、そこによく働くのか悪く働くのかを確認していました。最も難しかったのが、石けんシャンプーの水分とオイルのバランス。オイルが多すぎると髪の毛がソフトドレッドヘアみたいに束感が増すんですよね。もう髪の毛が重くて、頭が後ろに下がるみたいな感じで(笑)。何度も失敗を重ねて、納得できるバランスに仕上がりました」
ーーお子さんの髪の毛にも悩みはありましたか?
あいさん「中2のお兄ちゃんが、確か小5くらいだったかな。当時は皮脂が多かったからか頭が臭くて臭くて! 本当に“くっさー!”と言ってたくらい(笑)。でも、石けんシャンプーを使うようになったら、全然臭いがしなくなりました。皮脂が出るのは、頭皮の環境が整っていなかったり、成長ホルモンの分泌が高まる時期が関係していると思うんですけど、頭皮の環境が整うと臭いが変わるのを実感しました」
●当時8歳の甥っ子がロゴをデザイン
ーー中身は自然由来のものにこだわっているとのことですが、ボトルのデザインもすごくおしゃれです。どなたがデザインしたものですか?
新さん「プロダクトデザインは、グラフィックデザイナーがいるんですが、基本的な設計は2人で組み立てていきました」
あいさん「実はロゴは、私の甥somaが書いたものなんです。甥が8歳の時に、“クレヨンでKruhiって書いて”とお願いして、その文字の周りを整えただけなんです。somaには人を癒したり幸せにしたりする力があって、さらに彼の描く絵は、本当にユニークで、癒しで、かわいい。もう才能しかないんです。将来が恐ろしいほどのセンスを持ったsomaが最初に書いた『Kruhi』。何に使うか、どんな意味かも伝えず書いてもらったので、彼の初期衝動みたいなエネルギーが感じられて、一目で気に入りました」
新さん「somaは、すでに LAでアーティストとして活動しているんですよ(soma Instagram:@worldofsomahappybeasts)」
あいさん「ボトル自体が、結果的にカッコいいものに仕上がったのはよかったです。私たちは、すでにリサイクルの整備が整っているプロダクトを使いたかったんですよね。プラスチックのリサイクルは、すごく今頑張ってらっしゃるけど、またボトルには戻れなくて、溶かして別のものになっている。だから、自治体で回収してくれて、またアルミボトルになって戻ってくるという循環システムが国内でも整っているアルミボトルにこだわりました」
ーーオンライン購入をした時の送付する箱にも、プラスチックの緩衝材や化粧箱がないとのこと。
あいさん「そうですね。まず、私自身が買い物をする時に過剰包装がすごく嫌だったんです。素敵な箱や緩衝材も様々な目的があると思うんです。だけど、私には必要がないなと思っていたので、成分などの説明はボトルに表記しました。読みにくいかもしれませんが、それはゴミを削減して本体のみでお届けする形にしたいからです」
新さん「お客様の手元に届くと、傷があったり、へこみがあったりして、気持ちのいいものじゃないこともあるかもしれないんですけど、今までが過剰包装だったんだってことに、みんなで気づいていけたらいいなと思ってます」
●夫婦同じ方向を向いて商品を作り上げる
ーー夫婦で作り上げた商品。一緒に仕事をするのは、すごくやりやすかったのか。
あいさん「ないですね(笑)。やりやすかったです」
新さん「一緒に生活している中で、家族間で生まれたプロダクトでもあるので、基本的に方向性が同じなんです。もちろん、作っていく中での細かなやり取りが行き届かなかったり、お互い忙しくしていてキャッチボールがうまくいかなかったとかはあります。でも、“なんでわかってくれないのかな”みたいな、衝突しあいながら作ったわけじゃなく、基本的にハッピーな状態で作ったものです。“もっとこうなったら人にもいいことができるよね”や、“こういうものを作って、それを一人でも多くの人に使ってもらえるようになったら、環境って絶対よくなるよね”ということを、つねに会話で突き詰めていって、作っていったものなので、結婚式前のマリッジブルーみたいな、言い合いのようなものはなかったです(笑)」
●子どもたちには自分で選択ができる人になってほしい
新さん「会話は増えているとは思います。何かを思いついたら、ブラッシュアップや確認を常にし合ってます。日常会話の延長で、プロダクトの話がプラスされている感じです」
あいさん「夫婦だけというより、家族みんなの会話が増えました。ママとパパの考えがこうで、それは環境にもいい。あなたたちの健康にもいいことだからっていう感じで伝えています。子どもには、自分で選択ができる人になってほしいと思っていて、そういうことを今までも伝えていましたけど、よりたくさん伝えるようになりました。私たちは、このプロダクトを作る中で、食、コスメなど、衣食住のいろんな知恵を持ってる人たちに出会っているので、その人たちから学んだことを子どもに伝えています。また、気候変動や戦争のこと、世の中に溢れているニュースについても、もっと知ろうという気持ちになりました。以前より、情報をきちんとキャッチして、家族みんなで話していますね」
ーー夫婦で一つのものを誕生させる、育てていくことは、子育てと似ているかと思ったんですけど、『Kruhi』を開発した過程で得たもので、子育てに還元できると思ったことはありますか?
あいさん「確かに、子どもを育てる感覚にも似ているような気がしますね。誕生前から大切にしてきたものですし。世に出すからには、いいところがたくさんあると自信を持ちたい。子どもにも、いいところをたくさん持った人に育ってほしいです。ただ、いいところというのは誰かに評価してもらうことではなくて、自分でいいところを分かる人になってほしいということですね。子どもたちはまだ成長の途中ですけど、自分のいいところを出せて、しっかりと歩ける人間になってほしいなと思います」
●「家族みんなで一緒に失敗して、感動して、共通の体験をする」
ーー自分の良さを自覚してもらうために、子どもにはどう伝えているのですか?
あいさん「私たちは、上から何かを伝えることはなくて、子どもがぶつかった障害物について一緒に考えます。だから、親として何か準備ができているタイプではないです。それがいいのか悪いのか分からないけど、井浦家は子どもと一緒に悩んで対処の仕方を考えることが多いような気がします」
新さん「僕らも、お父さん、お母さんになっても、間違えるこ
あいさん「子育てって正解がないですよね。他の人はその方法で成功しても、うちの子どもや家庭ではハマらないってこともいっぱいあるから。本当に五里霧中で、正解が分からない中でやってるから大変だと思っちゃいがち。でも実際、子育てから学ぶことで鍛えられたり、成長につながる経験をしている気がします」
新さん「家族みんなで一緒に失敗して、一緒に感動して、共通の体験をする。僕たち上の世代が感じたことは伝えていって、逆に子どもたちの年齢だからこそキャッチできた素直な意見も僕らは教えてもらう。それで井浦家はいいのかなって思っています」
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Kruhi 購入はこちらから●他の受賞作品もチェックしてみて
アワードでは、Kruhiの他にも、多くの企業の商品が表彰されていました。人にも地球にもやさしいコスメ、ぜひみなさんも使ってみてください。
サステナブルコスメアワード 公式HP撮影/伊藤奈穂実 取材・文/宮平なつき
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