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LIFE

【石井佳苗さんのインテリア名品】キリム&ラッペラグ「キリムなど薄手のラグは機能的」

  • 石井佳苗

2023.03.18

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KANAE’s MASTERPIECES-Interior Items スタイリスト 石井佳苗の「インテリア名品」

テイストの変遷や引っ越しを重ねても、手元に残る大切なもの。石井さんのスタイルを形作る名品を、毎月1点ずつ紹介します。今回は、「いまだ新しい発見がある」という、トライバルラグのお話です。

石井佳苗さん/Kanae Ishii

石井佳苗さん

「カッシーナ・イクスシー」にて10年間勤務後、独立。雑誌や書籍、広告など多分野にわたる活躍で知られる。住まい作りの感覚を磨くヒントを綴った近著『Heima』(扶桑社)も好評。
Instagram:kanaeishii_lc
公式サイト:https://www.kanaeishii-stylist.com/

file 03.[ラグ](Rug)
Made in: Turkey, Afghanistan
Item: キリム&ラッペラグ(Kilim & Rappe Rug)

file 03.[ラグ](Rug) Made in:Turkey, Afghanistan Item:キリム&ラッペラグ(Kilim & Rappe Rug)

キリムなど薄手のラグは、年中使えて機能的。まずは直感で好みの色柄を手に入れて

トライバルラグ好きとして知られる私ですが、実は“キリム”を初めて手に入れたのは、2020年。わりと最近のことです。

それまで愛用していたのは、毛足のある“パイル織り”のラグ。経糸にパイル糸を結び、カットして文様を描く絨毯タイプで、やや厚め。対してキリムは、経糸と緯糸の交差によって文様を描く、平織りで比較的薄いラグ。なぜ長くキリムに食指が動かなかったかといえば、単純に「これ!」というものに会えなかったから。最初に手に入れた大きなキリム(下記でご紹介)は、淡いピンクの花とシックなこげ茶色のバランス感が決め手でした。

実際使うと、その素材感は想像以上に便利。足触りがよく年中敷けて、薄手だからドアの前に置いても開閉時に巻き込みにくいし、コンパクトにたたんで収納も可能。軽いので、気ままに敷き替えもできます。

キリムをはじめとしたラグ選びで重視すべきは直感。「この雰囲気が好き」と感じたなら、それがあなたにとっての正解。「色合いが複雑なラグは取り入れづらい」と思うかもしれませんが、多くのカラーが入っているからこそ、部屋にあるアイテムの色とリンクしやすく、なじみます。そして敷いた場所をコーナー化して、緩やかに部屋を仕切るので、空間に奥行きが出ます。

ほどよく色あせたヴィンテージのラグは、敷くだけで空間が表情豊かに。1枚手に入れたなら、きっと2枚、3枚と重ねて使いたくなってしまう……ハマると抜け出せない深い魅力があるのです。

こちらはキリムではなく、トルコ中部のムジュール地方で織られた「ラッペラグ」。経年によりパイルがすり減ったタイプで、文様だけが浮き彫りのようになった希少な一枚。石井さん宅では廊下に敷き、ひと続きになったリビングとの境にしている。

こちらはキリムではなく、トルコ中部のムジュール地方で織られた「ラッペラグ」。経年によりパイルがすり減ったタイプで、文様だけが浮き彫りのようになった希少な一枚。石井さん宅では廊下に敷き、ひと続きになったリビングとの境にしている。

アフガニスタン北部・バルーチ民族の手によるヴィンテージキリム。「正方形に近い珍しい形は、わが家の玄関のスペースにぴったりでした」(石井佳苗さん)

アフガニスタン北部・バルーチ民族の手によるヴィンテージキリム。「正方形に近い珍しい形は、わが家の玄関のスペースにぴったりでした」(石井佳苗さん)

Item: Kilim & Rappe Rug
Turkey, Afghanistan, late 20C

敷くだけで、空間が表情豊かに。ラグは、フロアを彩る絵画なのです

Item: Kilim & Rappe Rug Turkey, Afghanistan, late 20C

上は石井さんの初キリム。トルコ北東部・カース地方のヴィンテージ。原毛の色を生かし、大胆に伝統文様が織り込まれている(185×155㎝)。下の正方形のラグは、ソフレ(食卓布)というタイプ。

「ラグを敷く場所は、ソファやキャビネットの前、椅子の下など、家具と組み合わせるのがおすすめ。1枚で使うのもいいのですが、写真のように重ねて敷くと境界がほどよく曖昧になり、より空間になじみやすくなります」(石井佳苗さん)。3枚のラグはすべてグランピエ(https://www.granpie.com)で購入

猫


撮影/宮濱祐美子 取材・原文/福山雅美 デザイン/サイトヲヒデユキ
こちらは2023年LEE4月号(3/7発売)「スタイリスト石井佳苗の「インテリア名品」」に掲載の記事です。

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石井佳苗 Kanae Ishii

インテリアスタイリスト

「カッシーナ・イクスシー」にて10年間勤務後、独立。雑誌や書籍、広告など多分野にわたる活躍で知られる。住まい作りの感覚を磨くヒントを綴った近著『Heima』(扶桑社)も好評。初心者にもわかりやすいオンラインレッスンも行っている。

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