【中古マンションをリノベーション】部屋ごとに仕切りのない、つながりあるワンルームが心地いい/建築家ご夫婦のお家
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@homeLEE 私らしく建てる、心地よく暮らす
2023.01.18
築41年になる中古マンションをリノベーションし、広々とした仕切りのないワンルームを実現した、建築家ご夫婦のこだわりの家づくりを拝見します。
佐々木倫子さん(建築家)、佐藤 圭さん(建築家)
(妻42歳、夫46歳、長男12歳)
2016年、一級建築士事務所「.8/TENHACHI」(https://www.ten-hachi.com/)を夫婦で設立。建築・インテリアの企画設計のほか、家具プロダクトの企画デザインも行う。
中古マンションをリノベーション
部屋ごとに仕切りのないつながりあるワンルーム
家族3人で住むのは築41年になる67㎡のマンション。「東南角部屋で見晴らしもよく、全体の形や配線やダクトの位置などリノベ向きと感じました」(佐藤さん)。
「2人ともワンルームが好きなんです。部屋は閉じているのではなく、どーんと広いほうがいい。この物件ならそれが実現できそうと即決しました」(佐々木さん)
目を引くのが足場板で造作された幅約4.5mの、キッチンからダイニングまでつながる天板。
「眺めもよく、家族と会話しながら料理もできるお気に入り。暮らしのさまざまなシーンを受け止める懐の広い天板です」(佐藤さん)。
ダイニングがすぐ横で片づけも楽。時に仕事をし、人が集まれば大きなテーブルにもなります。
この広いワンルームをゆるやかに区切るのが、寝室の白い箱とバスルームの木の箱。それぞれ大きな開口でLDKへとつながり、空間のアクセントに。
「ゆるやかにつながる感覚が心地いいんです。バスルームからテレビも見れるんです(笑)」(佐々木さん)
白い箱の寝室の上はロフト。無垢材のフローリングの床は、そのままバスルームの外壁やテレビを設置している柱にも続く仕様に
Kitchen
目線が合いやすいようあえて段差を
キッチンとダイニングの境目に段差を設けたのもこだわりだそう。
「段差があることでダイニングに座っている人と目線を合わせやすいんです」(佐藤さん)。
もともとあったシステムキッチンにオーク板を貼って、温かみがあり空間に調和をもたらす雰囲気に
Shelf
アートなどを飾る"見せる収納"に
隙間をうまく活用した収納をあちこちに造作しているのも特徴的。梁の下には飾り棚を設け、アートや子どもの作品などをディスプレイ。
「本が好きで、素敵な表紙のものは飾っています。思い出とインテリアがリンクして見ていて豊かな気持ちにも」(佐々木さん)
Bathroom
白い空間に映える木の洗面台を造作
木の外壁から一転、バスルーム内は白で統一。FRP防水の上にモルタルを塗装した部分とタイルを貼った部分とでメリハリを。そこにホテルのような置き型のバスタブ、造作した洗面台が収まり、リビングとの仕切りをカーテンにすることで開放的なバスルームに
Storage
2カ所の壁面収納に生活用品を集約
キッチン壁面(上写真)とバスルームの前に収納(下写真)を造作。キッチン側には、食器や書類、季節ものの衣類を、寝室側には使用頻度の高い服などを。
「収納家具を置かずに空間を大きく使いたかったので、ボリュームがとれる場所に収納をひとまとめにしています」(佐々木さん)
Loft
隙間を生かしたロフトは子どもの絶好の遊び場に
寝室の上部にはツーバイフォー材でロフトを造作。天井高900mmは秘密基地のようで、子どもがわくわくするスペースに。キッズルームのほか、荷物の一時置き場としても活用中。壁面にはダイニングから続く梁の下に設けた飾り棚をつなげることで収納場所を確保
Others
無駄なものを削ぎ落とし自転車が映える玄関に
打ちっぱなしの壁面に中古の足場板を使って自転車をかけられるようにした玄関。
「玄関だけは唯一自分の自由にさせてもらいました。とても気に入っているイタリア製の自転車なので外に置きたくなくて、玄関にディスプレイすることにしたんです」(佐藤さん)。照明は自転車を照らすためなど局所的にし、雰囲気を出しています。
Others
つながりを感じられるテーブルで仕事や勉強も気分よく
杉の足場板+IKEAのステンレスツールバーを使って、キッチン上部に吊り棚を造作。
「ツールバーには使いたい時にさっと取れるよう、よく使うキッチンツール類やマグカップなどをかけています。また、窓からは気持ちのよい日差しがさしこみ、日中は照明をつけなくても快適に過ごせます」(佐々木さん)
Others
スイッチなどの細部にこだわり空間を作り上げる
スイッチは「toolbox」のトグルスイッチプレートに。アルミプレートにステンレスが組み合わされたデザインで、インダストリアルな雰囲気を空間にプラス。
「毎日手で触れるところは少し高くても良質でデザイン性の高いものをと思っていて、シンプルなデザインながら存在感のあるスイッチです」(佐藤さん)
Others
ロールスクリーンで映画鑑賞もさっと仕切れる寝室
ベッドルームの入り口付近の天井にロールスクリーンを設置。スクリーンを降ろせば来客時には寝室を仕切れて目隠しにも。寝転がりながらプロジェクターで映画鑑賞も楽しめるようにしたそう。
「ベッドの周囲にも隙間収納を造作し、シンプルながら使い勝手のよい寝室です」(佐々木さん)。
中古マンションをリノベーション
佐々木倫子さん、佐藤 圭さんの家づくりDATA
エリア:神奈川県川崎市
間取り:1R、67㎡
依頼先:.8/TENHACHI
建築費:1200万円
リノベ前、キッチンは今の寝室のところにあったそう。排水や電気などの設備面を調査し、キッチンを部屋の中心に移動。ダイニングもつなげることで大きなワンルームを実現。
ルームツアー動画はこちら!
次回は、【私たちの住まいストーリールポ】戸建てをリノベーションした、Harunaさん(フローリスト)、窪田 俊さん(インテリアスタイリスト)ご夫婦のお宅を拝見!
撮影/大森忠明 取材・原文/大勝きみ子 間取り図作成/前田優子
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