その支出、「食費」ではなく「交際費」に
昨年、2022年は値上げの年となり、家計費のやりくりに頭を痛めている人は多いでしょう。特に、毎日かかる食費を節約したいという声をよく聞きます。
イベントが増える年末年始に、普段よりも食費が増えた人も多いのでは。かなり予算オーバーになったとがっかりした人は、今後いつもとは違う仕分け方をしてうまく乗り切りましょう。
まずおもてなしのための食品購入は、家族の食費とは切り分けて。
交際費やレジャー費の範囲として、そこから出したほうがすっきりします。
月の予算からはみ出しそうな時は、ボーナスから「年末年始食費」などとして取り分けておくのも一つの方法です。
家計のやりくりの基本とは支出を収入の範囲内に収めることですが、イベントが多い時期はどうしてもそれからはみ出すこともあります。
家計が赤字に陥るのは、毎月の使いすぎというより不定期に起きる支出が原因になることが多いのです。
その穴埋めをいつもの家計費でしようとすると、その月の生活費がオーバーし、カード決済を使って先送りにしようとします。すると今度はその引き落とし月が苦しくなり、またカード払いでしのぐ――という悪循環に。
それを防ぐためにも、不定期な支出用として半期ごとにボーナスから取り分けておくか、毎月5000~1万円ずつでも積み立てておくようにしましょう。
家計簿の書き方にも一工夫
家計簿をつけている人は、来年のためにこれらの「年末年始食費」を別枠にまとめて書くのもいいでしょう。
家計簿アプリを使っている人は、食費とは別のラベルを作って合計すると簡単です。
いつもの食費よりどのくらい増えてしまうのかを見える化することで、来年はその数字を参考に備えることができるし、思いのほか使ってしまったと今後の反省につなげる効果もあります。
年末年始に限らず、「食費」はつい膨らみがち。その中身は家庭によってさまざまだからです。
食べるものならどんな目的でも食費に入れてしまうと、そこがブラックボックスに。
交際費的な食事、レジャー先での食事、「SNSで話題になっていたから」など試してみたくて買った調味料やスイーツなどが混然一体となって入っていると、何が増えているかの原因がわかりません。
食費が増えたと感じた時は、ブラックボックスを開けて「どの支出が増えているのか」をチェックすることが大切。
食費を圧迫している犯人がわかれば対策も取りやすくなります。食費を膨らませているぜい肉支出を落とせば、もっとスリムな家計になれるかもしれませんよ。
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松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。
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