たくさんのニュースやエンタメがあふれている今の時代。スピード感のあるものが主流になっているからこそ、本を手に取り、時間をかけて物語の世界へ没頭しているときのリラックス感は格別なもの。
今回は、LEE読者とスタッフの「日常を忘れて没入したいときに」「落ち込んだときなど、立ち直るきっかけが欲しいときに」におすすめの小説をご紹介します。
「日常を忘れて没入したいときに」におすすめの小説2選
#01
LEEメンバー ゆき子さん おすすめ
『時の娘』
ジョセフィン・テイ 小泉喜美子(訳)
凝り固まった考え方がひっくり返され、すがすがしさを味わえる歴史ミステリー!
15世紀のイギリスで王位を奪うために身内を殺害したリチャード三世。彼の真意を、現代の警部がひも解く推理長編。
「目の前のことを忘れてひたすら作品世界に没頭できる小説。同時に、自分の思い込みを手放すことの大切さも教えてくれます」(LEEメンバー ゆき子さん)
#02
LEEメンバー しろみさん おすすめ おすすめ
『螢・納屋を焼く・その他の短編』
村上春樹
現実とファンタジーの境目のような世界観がたっぷり。心のエネルギーチャージに!
『ノルウェイの森』の原点となった『螢』も含む短編集。
「毎日にやりがいを感じられなくなったときに読みました。特に『納屋を焼く』は、妄想と現実が交錯する不思議な物語。自分の生活からは少しずれた世界観に身をひたすことができ、いい気分転換に」(LEEメンバー しろみさん)
「落ち込んだときなど、立ち直るきっかけが欲しいとき」におすすめの小説3選
#01
編集 やまみ おすすめ
『夜が明ける』
西 加奈子
つらさは一人で抱え込まなくていいんだと、頭ではなくて心に訴えかけてきてくれる
男の子二人の思春期から33歳になる過程をベースに現代日本の問題が浮き彫りになる長編。
「貧困や過重労働などの描写に心が痛むも、周りの存在やかけられる言葉がしみます。またつらいときは一人で頑張らなくていいと心に訴えてくる一冊です」(編集 やまみ)
#02
LEE100人隊No.059 ツナさん おすすめ
『タラント』
角田光代
年齢を重ね、挑戦する力が落ちてしまっていた自分。前へ進むヒントをくれた長編
若い頃の経験をきっかけに、何事にも臆病になったみのり。彼女の心の成長を描いた長編。
「何か物事を始める情熱が下がっている今の私と、みのりを重ね合わせて読みました。自分の気持ちに正直に、できることから踏み出す勇気をもらえる長編です」(LEE100人隊No.059 ツナさん)
#03
LEE100人隊No.013 イノさん おすすめ
『ジミー』
青海エイミー
自分の軸を取り戻し、周りへの感謝も再確認できる青春ラブストーリー
17歳のマイのクラスに転校してきた、帰国子女のジミー。彼と親しくなることでマイは変わっていく――。
「若さゆえ周りを気にしてしまうマイと、そんな彼女を見守るジミーの優しさに触れ、あらためて身近な人とのつながりや思いやりの大切さを再確認」(LEE100人隊No.013 イノさん)
あふれる情報に、心がざわつく今こそ「小説」の世界にひたりたい!次回は「今の気持ちに寄り添う小説『友人、家族…人間関係に悩んだ ときに』編」をご紹介。
撮影/新谷真衣 取材・文/石井絵里
こちらは2022年LEE12月号(11/7発売)「『小説』の世界にひたりたい!」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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