石井さんからの提案で訪れたのは、軽井沢。「大好きな北欧インテリアから、チェックしておきたいNEWショップ、お気に入りのギャラリーまで、LEE読者におすすめしたいスポットがたくさん！」（石井佳苗さん）

石井佳苗さん／Kanae Ishii

雑誌や書籍、広告など多方面で活躍。インテリアのオンラインレッスンも好評。「軽井沢は実はインテリア＆アートスポットも充実。東京から車でも新幹線でもアクセスがいいのも◎」（石井佳苗さん）
Instagram：kanaeishii_lc
公式サイト：https://kanaeishii-stylist.com

vol.6 ｜ area: 軽井沢
実は名店が充実！「軽井沢」の注目3店舗でインテリア旅を

「東京都内だと、ここまで北欧家具が一堂に会するお店はなかなかないから、ワクワクしますね！」（石井佳苗さん）。入店時から気になっていたヴィンテージの照明をチェック。

今年移転した広いショールームに、北欧ヴィンテージ家具がぎっしり

still（シュティル）内「haluta karuizawa instock showroom（ハルタ カルイザワ インストック ショールーム）」

DATA
［still］国道沿いにあった古いドライブインを改修した、「haluta」プロデュースの複合施設。本社機能を長野県上田から移転したほか、大規模なショールーム、話題の飲食店などのテナントが入る。長野県北佐久郡軽井沢町大字追分1372の6
［haluta karuizawa instock showroom］「still」2階にある予約制ショールーム。1階のリペア室で修繕された、1950〜70年代のデンマーク家具が多数並ぶ。コーディネートの相談にも対応。営業時間：13：00〜18：00（17時最終入館）https://www.haluta.jp/

Hint-1
コンパクトなキャビネットがこれほど揃うのはここだけ！　狭い部屋でも“床の間”を作れます

このお店で石井さんがいち押しのアイテムが、小さめのキャビネットだそう。

「必要な空間はちょっとした奥行きと幅だけ。上にオブジェを置いたり、背にした壁に絵を飾れば、場の空気が一気に変わる“床の間”的空間を生み出せます。空間を縦に、立体的に生かせるようになるから、むしろお部屋に広さを感じるようになりますよ」（石井佳苗さん）

ダイニングテーブルから照明までがずらり。「通販ではわかりにくい風合いを、見比べて買えるのがいいですよね」（石井佳苗さん）

さまざまな表情のキャビネットがたくさん。「床が見える脚付きのキャビネットは、狭い場所に置いても圧迫感がありません」（石井佳苗さん）

「この幅のコンパクトさは、“買い”ですよね。脚も長くて存在が軽やか」（石井佳苗さん）

Hint-2
多彩なバリエのソファは、ぜひ座り比べて。一人掛けのハイバックが石井さんの推し

大型から一人掛けまで、圧倒のラインナップ。

「私の持論は、“本当にくつろぎたいなら一人掛けソファ”。頭までゆったりあずけられるよう、背もたれに高さがあるデザインを選ぶのがポイント。マグカップを置けるひじ掛けなら、ティータイムも楽しめます。オットマンを組み合わせれば脚も悠々と伸ばせるし、最高なんですよ」（石井佳苗さん）

「さすがの座り心地！」（石井佳苗さん）ハンス・J・ウェグナーのソファ￥379500

背もたれが籐の希少モデルを発見！　照明も要チェック

同じくウェグナーのデイベッドはhalutaでも人気の商品で、デザイン違いで数点販売されていたほど充実。￥880000

北欧のテーブルはほとんどが伸長するバタフライ式だから狭い部屋に最適

「北欧家具って本当に丈夫だし、よく考えられているんです」とスタッフの方。テーブル¥247500

在宅勤務で新たにデスクが必要になった人、必見！

「自室はなくてもデスクひとつあれば、パーソナルな空間が作れますね」（石井佳苗さん）

北欧雑貨を扱う人気店が、昨年スタートした新機軸の注目店

lagom（ラーゴム）

DATA
デザイナー須長檀さん、理世さん夫妻が営む人気ショップ「NATUR terrace」（軽井沢星野エリア）の姉妹店。文化複合施設「MMoP（モップ）」内に昨年8月オープン。長野県北佐久郡御代田町大字馬瀬口1794の1　☎︎090・4642・3930　営業時間：10：00〜17：00　㊡水曜

店内においしい焼き菓子店も併設
コムギとハカリ

DATA
こだわり素材とひと手間を大切にするヴィーガンスイーツのお店が一角に。人気の焼き菓子のほか、オリジナルの焼き型、自宅でお店の味を楽しめる手作りキットなども販売。☎︎090・4642・3930　営業時間：10：00〜16：00　㊡日〜水曜

Hint-3
コーナーごとにイメージの異なる小物のディスプレイがインテリアの参考になる

箱のような空間を、大きな家具の存在感でゆったりコーナー化。

「ものとじっくり向き合える“余白”を残しつつ、食卓、窓辺、寝室……のようにそれぞれのコーナーがほどよく作り込まれて、“家に持ち帰ったとき”のイメージがわきやすいんです」（石井佳苗さん）。

色の合わせ方、光の生かし方など、もの選び以外にもインテリアのヒントがたくさん。

棚がリボンで吊られてる!? 「実際は板を壁に固定。リボンは飾りのオリジナル家具なんです」とオーナーの須長理世さん

骨董と新しいグラスをミックス。中段は檀さんの作品

マリアンヌ・ハルバーグさんの陶器に注目

Hint-4
石井さんもときめいた！　地元の職人と作る、ほかにないオリジナル家具

「このディスプレイ台、素敵！と思っても、『ごめんなさい、非売品で』ってトラップ、多いじゃないですか（笑）。ここは、置かれている家具全部、オーダーで購入できるのが魅力的」（石井佳苗さん）。

もちろん、すべてオーナーの須長檀さんによるデザイン。

「シンプルで、それでいてユニークな個性と存在感。欲しいものが次々と見つかります」（石井佳苗さん）

開放感ある空間で、家具の魅力がより光る

このラフなたたずまいがかわいい！

簡易的に見えて座り心地◎の椅子。￥66000

壁に立てかけるタイプのコート掛け。「これは才色兼備！」（石井佳苗さん）

石井さん好みのカップボード発見。「背板がないから、光をきれいに通します」（石井佳苗さん）

世界的蒐集家によるプリミティブアートのギャラリー

tào（タオ）

DATA
インドネシアを中心としたプリミティブアート（原始美術）の蒐集家である稲葉京氏のコレクションを展示。長野県北佐久郡軽井沢町長倉586の19　☎︎0267・48・1118　営業時間：11：00〜18：00（4〜11月中旬のみ）　㊡木曜

Hint-5
さりげなく生けられる掛け花入れやうつわなど、まずは実用できるアートから

プリミティブアート初心者でも親しみやすいのは、青銅器や陶磁器と古材を組み合わせて、花器に見立てた掛け花入れ。

「草花と絡めると、アートが日常の風景に。時代を経たものが放つ存在感は唯一無二。周りの空気を一変させます」（石井佳苗さん）。

青銅器は、主に13〜15世紀のもの。その長い歴史に想いを馳せ、壮大なロマンを感じて！

高杯のようなデザインの青銅器と古材を組み合わせた掛け花入れ。￥143000

木製の大ぶりな器をアイアンの脚にのせて。￥77000

青銅で作られたオイルランプを“釣り花”に見立てて。器は黒田泰蔵さん作。￥176000

青銅のオイルランプに台座をつけ、オブジェに。黒田泰蔵さんの器を組み合わせて。￥143000

Hint-6
小ぶりで挑戦しやすい、選び抜かれたオブジェが充実。審美眼を鍛えるにはいいものを多く見るに限る！

「アートの楽しみ方って、いかにそのものから力を感じられるか。『アートってわからない』と苦手意識で遠ざける前に、何かひとつ手に取ってみて」と石井さん。

「最初は『これっておもしろいな、気になるな』でいいんです。それも、ちゃんと心が動いたということだから。“本物”がある場所に出かけ、まずひとつ、家に連れ帰る。それが第一歩」（石井佳苗さん）。

この不思議な表情、気になっちゃうなあ

「いい顔！」と石井さんが心惹かれたのは、紀元前後のドンソン文化に作られたという人物像

今年は、ジャワ島で発見されたプリミティブなものをモダンに仕立てたオブジェを中心に展示

木肌の感じが、なんとも心地いいですね

チーク材のお盆。「100年ほど前のものです。裏返して台にしても素敵ですよ」とオーナーの山口史乃さん。￥55000

うーん、お買い上げしちゃいたい

陶芸家・黒田泰蔵さんの初期の作品も。（各）￥165000

「古布など壁に飾るアートも気になる……」（石井佳苗さん）

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撮影／宮濱祐美子　取材・原文／福山雅美
こちらは2022年LEE11月号（10/6発売）「スタイリスト石井佳苗さんのINTERIOR Hunting！」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示（掲載当時）です。

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