合計2万円ポイント受け取れます
マイナンバーカードの普及策として始まった「マイナポイント」事業ですが、カードの交付枚数率は全国で49%(令和4年9月末現在)とのこと。約半数まで来ましたね。
でも、これでは十分ではないということで、総務省は9月末までとしていたポイント付与対象となるカードの発行期限を12月末までに延長しました。当初想定していたより伸びが鈍かったというのでしょう。
忙しくてカードを申請しそびれていた人や、9月末以降に誕生したお子さんも、これで申請できることに。改めてマイナポイントの手続きをおさらいしておきましょう。
マイナポイントを受け取るには、マイナンバーカードの取得およびマイナポイント事業に参加しているキャッシュレス決済(クレジットカード、電子マネー、スマホ決済など)が必要です。
マイナンバーカードを取得し、決済サービスを紐づけたうえで2万円のチャージまたは買い物をすると、利用金額の25%のマイナポイント(上限5000円分)を受け取ることができます。これが第一段のマイナポイント。
次に、カードを健康保険証として利用できるよう申込むと7500円分、預貯金口座を公金受け取り口座として登録すると7500円分がさらに受け取れ、合計15000円。これが第二弾で、やはりキャッシュレス決済との紐づけが必要ですが、受取先を第一弾と変更しても構いません。
第一弾の5000円と第二弾の15000円を合わせて合計2万円がもらえるというわけです。
実際には「マイナポイント」が付与されるのではなく、受け取れるポイントは選んだ決済サービスのポイントとなります。
情報サイト「ナビナビ」の調査によると、ポイントを申し込んだ人が紐づけた決済サービスで、最も多かったのはPayPayや楽天ペイなどの「QR・バーコード決済」で37.2%、 次いで「電子マネー」が35.7%だったそう。
QRコード決済の場合、ポイント付与のタイミングが早いことが人気の理由のようです。
なお、マイナポイントの申し込み期限は令和5年2月末までとなっています。
申請すると「おトク」から、持っていないと「ソン」に?
これまで政府は「ポイントをもらえてトクですよ」という旗振りでカードの普及を促そうとしてきました。しかし、それでも申請をためらう人はいます。
面倒だから、個人情報の扱いが心配だから、必要性を感じないから――さまざまな理由があるでしょう。
ただ、この先交付率を上げようとして起きそうなことといえば、「持っていない人がソンをする」ようになってくる気がします。
まず、マイナンバーカードを健康保険証として使用した場合は追加でかかる医療費負担が安くなり、従来の保険証を利用した場合は高くなるようになりました。
また、2024年には現行の保険証を廃止する方向へ舵を切っています。これまでの「アメ」方式から「ムチ」方式に方向転換する兆しかもしれません。
今後、運転免許証との一体化も想定されていますが、「マイナンバーカードがない人は運転できません」なんてことになったら困りますよね。
手続きのデジタル化は悪いことではありませんが、国民に不便をかけることのないよう強くお願いしたいです。
【連載】 松崎のり子さんの「知らなきゃ損するお金の話」
https://lee.hpplus.jp/column/2140579/
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松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。
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