ニュースで円安の話題を耳にしたり、いろいろなものが値上がりしたり。
円安やインフレが続いていくと、私たちの生活にはどのような影響があるのでしょうか?そもそも、「円安」や「円高」ってどうやって決まるの?
そこで、円安・円高の基本や、暮らしへの影響について、お金のプロにうかがいました!
続く値上げ!今のままで大丈夫?
今さら聞けない「円安・円高」って?暮らしへの影響は?
教えてくれたのは・・・
インデックス投資アドバイザー カン・チュンドさん
1999年にFPの資格を取得後、2000年に独立。投資信託クリニック代表。完全オンラインで個別アドバイスを行うほか、講演などを通じて長期・積立・国際分散投資のメリットを広めている。著書に『積立て投資術』(明日香出版社)など。
Twitter:@4649kang
話題の円安のニュース、本当に理解できていますか?
1ドル=135円を超えたのは20年ぶり!(2022年6月取材時点)
最近、耳にすることも多い円安のニュース。
「円安や円高の動きは、通貨同士の価値のバランスで決まるんです」とカン・チュンドさん。
1ドル80円
[円の価値が上がる=円高]
↑
1ドル100円
↓
[円の価値が下がる=円安]
1ドル120円
弱い国の通貨は安くなるけれど理屈どおりにいかないことも
「円安とは、日本円の価値が相手の通貨に比べて低くなること。最近は円安が進んで『日本円はどうなるの?』と不安な人もいるでしょう。
でも、円は世界の5大通貨(米ドル、ユーロ、英ポンド、人民元、日本円)のひとつで、まだまだ強い力を持っています。日本の将来が超悲観的だと世界中から思われない限り、いきすぎた円安は戻るはず。それほど怖がらなくてもいいのでは」(インデックス投資アドバイザー カン・チュンドさん)
過去40年では、1ドル70円台から140円台までを行ったり来たり。
「大きな流れではその間で収まると思いますが、短期的には大きく円安・円高に動くことや、さまざまな思惑で理屈とは逆に動く場合も。
例えば2011年の東日本大震災の際、日本経済が悲観的に見られる中、為替は急激に円高に。このように為替は予測が非常に難しい。どちらに進んでも大丈夫なように備えておけるといいですね」(インデックス投資アドバイザー カン・チュンドさん)
海外旅行、物価・サービス・・・円安になるとこんな影響が!
海外旅行が高くなるほか、身のまわりの物・サービスにも影響あり
円安になると、海外旅行で日本円を現地通貨に両替する際に使えるお金が少なくなるのは、イメージしやすいもの。でも、国内にいれば関係がないわけではありません。
「輸入品の価格が上がるので、輸入に多くを頼る日本では、最近さまざまなものの値上がりが続いていますね。意外なところでは、水泳教室の月会費が上がるなんていうことも起きています。温水プールの燃料となる原油そのものの価格が上がったことに加え、円安によりさらに輸入価格が上がったことが原因です。
逆に日本の商品やサービスを〝輸出〞する場合は、円安になると高く売れるという側面もあります」(インデックス投資アドバイザー カン・チュンドさん)
為替は短期的には予想がとても難しい!長期的には、その国の経済的豊かさが反映されます
ドル/円はこれまではずっと「円高」!ただ、この先は……!?
過去には1ドル360円と決まっていた時代もありましたが(固定相場制)、1973年からは変動することになり、その後はずっと円高が続いています。
「円高になった理由は、日本が経済的に豊かになっていったから。長期的に見れば、強い国の通貨は高くなり、弱い国の通貨は安くなるのが一般的です」(インデックス投資アドバイザー カン・チュンドさん)
最近の日本では少子高齢化が進み、新しい産業もあまり生まれず、経済が停滞していますが……。
「ではさらに円安が進むかというと、そうも言い切れません。
何か大きなイノベーションが起きれば、再び円高に進むかもしれませんし、想定外の動きも起きる。為替の予測は、株よりももっと難しいと言われているほど。だからこそどちらに転んでもいいようにしておきましょう」(インデックス投資アドバイザー カン・チュンドさん)
取材・原文/西山美紀 イラストレーション/船越谷 香
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