「現代人の股関節はかなり硬くなっています」
そう話すのは、NSCA認定パーソナルトレーナー、筋肉デザイナーの藤本陽平さん。
「デスクワークに家事、育児など、生活の中で小さな動きしかしていない人がほとんど。忙しさからの緊張やストレス、冬は寒さも加わって体が縮こまり、股関節の動きが鈍くなります」
体の中心、股関節を動かさないと、周囲の大きな筋肉も硬くなり、ひざ、腰、肩甲骨など別の部分にも負担が。血管も圧迫され、血流が悪くなるので、冷えやむくみなどのトラブルにもつながってしまいます。
そこで、LEE2月号では隙間時間に行えるストレッチをご紹介!まずは骨盤の位置を戻し、姿勢を正すための"リセットストレッチ"から「ヒップリフト」をお届けします。
★動画コーナー「LEEチャンネル」では、鍼灸・マッサージ師、さかえみきこさんの「巻き方ケア」もご紹介中!
これだけは毎日!【基本のストレッチ】
「姿勢が悪いままストレッチをしていてもあまり効果がありません。心地よくリセットしたうえで、股関節を動かすストレッチを。股関節は伸ばす、開くというイメージがありますが、実はいかに曲げて動かすかが最大のポイント。腰や脚を部分的に動かすだけではなく、しっかり股関節から曲げて動かすことで普段の生活での動きの可動域も広がります。正しい姿勢や歩き方もスムーズに行えるように!」
股関節ストレッチの効果を高めるポイント
1 どの動きでも"骨盤を立てる"を意識
股関節を鍛えると、後ろに倒れがちな骨盤が起きて正しい位置に。両手で骨盤を触って、骨盤を立てるように意識しながらストレッチを行うと◎。
2 呼吸を止めない
呼吸を止めると筋肉が緊張してしまうので、息を吐きながらゆっくり伸ばして。力が抜けるのでストレッチしやすくなり、リラックス効果も。
3 ひとつの動作は10~20秒
筋肉は、勢いをつけて瞬間的に伸ばすだけではまったく柔らかくなりません。10~20秒数えながら、じっくり伸ばすと、ほどよい刺激を受けて柔軟性がアップ。
4 少しずつでも継続を
ストレッチは、1週間に1回たくさんやるよりも、ほんの数分でも毎日少しずつ行うほうが効果的!
5 無理せず"ほどよく"伸ばす
無理に伸ばすと筋肉を痛めてしまい逆効果。また、筋肉が柔らかすぎても正しい姿勢の維持ができないので、"柔らかすぎず、硬すぎず"を目指して。
"開脚"も、90度まで開けばストレッチ効果は十分!
「一般的には片脚45度ずつ、合計90度開けば十分。それで股関節は十分柔らかいといえるし、ストレッチ効果もあります。180度開けばダンスや運動をするときの可動域が広がるというよさはありますが、硬いのを急に広げようとするのは逆効果。無理せず90度開くことを、まずは目指して」
ヒップリフト
1 まずは腰の緊張をやわらげる
仰向けに寝て、お尻の下にバスタオル、もしくはヨガマットを丸めたものなど、厚さ約10cmのものをはさむ。両手でひざを抱えて、前後にゆらゆら、10~30秒揺らす。腰が伸びて、緊張がやわらぐ。
2 脚のつけ根と股関節を気持ちよく伸ばす
1の状態から片脚を伸ばす。特に、ひざの後ろ側を伸ばすイメージで、足首を曲げてかかとを突き出す。脚のつけ根、股関節が一緒に伸びるストレッチ。反対側の脚も。10~30秒。
3 ぐーっと全身を伸ばす
脚をまっすぐ伸ばして、両手を上に。脚は肩幅ぐらいに広げ、腰を反らせないように。息を吐きながら、手と脚をぐーっと気持ちいいと感じる程度に伸ばす。足首を曲げてもOK。10~30秒。
4 足先をゆらゆらしてリラックスを
両手を脚のつけ根に置いて、脚を左右にゆらゆらと動かす。足先だけでなく、股関節からしっかりと動かすように意識して。約20回ゆらゆらしてリラックス。
夜寝る前、家事で肩こりを感じたときなど、こまめに実践を!
次回は、椅子の背を使った3種のストレッチをお届けします。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/木下優(ロッセット)(キベッツさん分) スタイリスト/門馬ちひろ モデル/キベッツ和代(LEEキャラクター)山本 愛(’15年度LEEキャラクター)イラストレーション/きくちりえ(Softdesign) 取材・原文/野々山 幸
詳しくは2017年1/6発売LEE2月号に掲載 [最新号] 試し読み・定期購読はこちら
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