長期化するコロナ禍で、眠れない、起きられない、疲れが取れない……など、"不眠"を訴える人が急増中!実は、眠りの質は免疫力にも大きく関係しているんです。
コロナ禍不眠が増えている理由は? 睡眠の質が落ちる5つのやりがちNG習慣とは?
免疫力を向上させる「質のいい眠り」を得るためのノウハウを、睡眠の専門家がたっぷりレクチャーします!
この記事は2021年5月7日発売LEE6月号の再掲載です。
"不眠"を訴える人が急増中
30~40世代にコロナ禍不眠が増えている!?
メリハリ不足な生活から、睡眠に悩みを抱える人が急増中。その原因とは!?
LEEメンバー520人が回答
コロナ禍で睡眠はどう変わった?
コロナ禍で睡眠の質が下がった・・・27%
ずっと睡眠不足!・・・39%
よくなった・・・8%
睡眠不足ではない・・・26%
「TVを見てもネットを見てもコロナの話題ばかり…。不安な日々が続いて自律神経失調症になってしまい、毎晩なかなか眠れない」(hearbさん)
「家から出ず運動量も減り、生活リズムが崩れ、Netflixにハマり、BTSにハマり…といろんな要因が重なって、ふとんに入る時間がどんどん遅く」
(モコさん)
「リモートワーク中、生活の合間にメールをチェックしたり、もう寝るはずの時間に気になって返信したり。スパッと区切りをつけられず、考え事も増えて、寝つきが悪くなりました」(salalaさん)
「飲みに行く機会がなくなり、習い事も休止中のため、夜の時間が長い。家にいるだけなので、体力を消耗しないせいか、眠りにつくまでとても時間がかかります」(たむさん)
約70%が不眠という結果に!
子どもの夜泣きや家事や仕事による多忙で、もともと睡眠が不十分な人に加え、コロナ禍による生活の変化で睡眠不足に陥った人も。7割もの人が睡眠に悩みを抱えていることが判明。
コロナ禍不眠が増えている3つの理由
1 昼寝遅起きなどの生活リズムの乱れ
私たちの体は体内時計に従っています。夜更かしや遅起き、夜遅くまでの仕事などで生活リズムが崩れると体内時計が狂ってしまい、眠りにくくなったり深く眠れなくなるのです。
2 リモートワーク増や外出減による
体を動かさないと、自然な眠気を呼ぶ適度な疲労感が得にくく。また睡眠ホルモンのメラトニンの原料となるセロトニンの分泌も不足するため、スムーズに入眠しづらくなり不眠に。
3 ガマンの多い生活のストレス
ストレスは悩みや考え事を増やし、脳を覚醒させるため不眠の原因に。友人に会えない、イベントが中止……楽しみやストレス解消法を失い、またそれがストレスになる悪循環に。
睡眠専門医に聞く!
睡眠の質が低下するとどうなるの?心身への影響は?
教えてくれたのは・・・
睡眠専門医 白濱 龍太郎さん
睡眠、呼吸器内科、在宅医療の専門クリニック「RESM新横浜」院長。睡眠の重要性をわかりやすく説き、診療を中心にメディア出演や著作など、多方面で活躍。著書多数。
RESM新横浜:https://www.resm.info/
睡眠の質が低下するとさまざまな健康上のリスクが
日々の診療で睡眠に悩む人を多く診ている白濱さんも「コロナ禍で不眠を訴える患者さんが増えた」と言います。
「リモートワークで生活リズムが乱れたり、外出自粛で運動不足だったり、先行きへの不安からストレスフルだったり……。そうした要因が積み重なって、睡眠不足や寝ても疲れが取れない、などの睡眠の質が低下した人が増えたと考えられます。
逆に『質のいい睡眠』とは、ひと言で言えば日中の疲労を回復し、心身の健康を保つことができる睡眠のこと。時間にして6時間半~7時間半がベストですが、30~40代のLEE世代のように忙しさに追われているとその時間を確保するのは難しいことも。
そこで注目したいのが睡眠の深さです。ひと晩の中で最も深い眠りを『深睡眠』といい、深睡眠をしっかりとれれば、睡眠の質を保つことができるのです。
いい睡眠は免疫力にも大きく関与します。アメリカの研究では、睡眠時間が短く質の悪い人ほどウイルス抗体が作られるスピードが遅く、ウイルス感染の確立が高いという結果もあるんですよ」(睡眠専門医 白濱 龍太郎さん)
ついついやっちゃってない!?
睡眠の質を落とすやりがちNG習慣5
LEE世代がなんの気なしにやりがちな「あれこれ」の習慣。実は入眠をジャマして眠りを浅くする要因かも!?
ちょっとした意識ですぐに変えられることも多いので、今日からさっそく見直してみて!
睡眠不足の悪習慣1
パジャマ代わりに家着兼用のTシャツ&スウェット
動きやすいTシャツやスウェット、ジャージも、睡眠時には不適な面も。
「就寝中は汗をかくので、ジャージなど吸湿性が低い素材は深い眠りの妨げに。
また、厚手のスウェットなどは寝返りがしにくい場合も。吸湿性が高く、体の動きにしなやかに沿うように作られたパジャマにきちんと着替えるのがベストです」(睡眠専門医 白濱 龍太郎さん)
睡眠不足の悪習慣2
子どもを寝かせた後の自分時間にスマホ
日中のストレスをリセットしたり、情報を仕入れたり、仕事を再開したり、使い方は人それぞれ。でも夜のスマホは要注意。
「人間の睡眠と覚醒を調整するのは光。画面から出るブルーライトは、睡眠物質のメラトニンの分泌を抑制することがわかっています。入眠しづらくなり、深睡眠がとりにくくなります」(睡眠専門医 白濱 龍太郎さん)
睡眠不足の悪習慣3
歯磨きは寝る直前にする
寝る準備をすべて整えてから最後に歯磨き、という人は多いけれど、質のいい睡眠のためには避けたい。
「歯磨きで歯肉を刺激すると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されてしまい、スムーズな入眠の妨げに。できれば寝る1時間前には歯磨きを済ませておくのがベストです。寝る前に再度口中をスッキリさせたいなら、水でうがいをするにとどめて」(睡眠専門医 白濱 龍太郎さん)
睡眠不足の悪習慣4
夏は暑いからシャワーしかしない
自然な眠気を誘うには夏でも湯船につかりたい。
「私たちの体は深部体温(体の深い部分の体温)が下がると眠くなるという特性が。ゆっくりお湯につかって深部体温を上げ、それが自然に下がっていく過程を利用して自然に眠気が訪れるのがベターです。
夏場は夕方にひとまずシャワーで汗を流して、寝る1時間半~2時間前に2度目の入浴をするのもおすすめです」(睡眠専門医 白濱 龍太郎さん)
睡眠不足の悪習慣5
朝食はコーヒーのみかトーストなど軽めに
朝イチは食欲がわかないという人も多いけれど、夜の睡眠のためには朝食は重要。
「朝食に含まれる栄養素が、夜の睡眠ホルモンの原料になります。バランスよくいろいろ食べるのがベストですが、難しければ睡眠にいい栄養素が含まれるみそ汁やバナナだけでもOK。食べない、コーヒーだけというのは避けましょう」(睡眠専門医 白濱 龍太郎さん)
質のよい眠りとは?
2回目のノンレム睡眠までの4時間がカギ!
睡眠は、浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」をひと晩に4~5回繰り返す。
ノンレム睡眠は体と脳がしっかり休息できている状態で、中でも最も深い眠りを「深睡眠」といい、1回目と2回目のノンレム睡眠が深睡眠になりやすい。
つまり、寝入ってから4時間以内にきちんと深睡眠がとれることが、睡眠の質を保つうえでとても重要!
イラストレーション/ツルモトマイ 取材・原文/遊佐信子
この記事は2021年5月7日発売LEE6月号『今こそ、免疫力の上がる「睡眠」』の再掲載です。
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