ともすると素っ気なくなりがちな夏カジュアルに、華やかさや存在感を添えてくれるのが甘いテイストのアイテムたち。時代やトレンドを超えて長く愛せる甘口名品を、フェミニン派スタイリスト・石上さんのフィルターを通してお届けします！

「甘口名品で作るカジュアルは、トレンドに左右されない普遍的なスタイルです」

ファッションはもちろん、映画だったり、人だったり。私は昔から、可愛らしいものに惹かれる傾向にあります。多分、わかりやすい女っぽさには、ちょっとした照れがあるんでしょうね（笑）。その一方で、全身シンプルなカジュアルで勝負するのも落ち着かなくって。

そんな私にとって、可愛げのある甘さは＂スパイス＂のような存在。メインに据えてそこからあれこれ引き算するのではなく、＂甘さという抜け感＂を着こなしに＂足す＂感覚で楽しむのが、大人のフェミニンを成功させる秘訣だと思っています。デニムやボーダーやカーゴパンツ。カジュアル好きなら誰もが持っているようなベーシックなアイテムをベースに、甘い服や小物を一点加える。それだけで、いつものカジュアルが、ちゃんと＂よそゆきコーデ＂になってくれます。しかもその着こなしは、実はトレンドに左右されない普遍的なスタイルでもある。今回はそんな視点から、カジュアル派におすすめの甘口名品を選んでみました（石上美津江さん）

スタイリスト 石上美津江さん

『LEE』『MORE』などのファッション誌を中心に活躍。デイリーコーデに特別感を添える、おしゃれ感度抜群の甘めカジュアルに人気が集まる。甘さとメンズライクのバランスが取れた私服スタイルにもファン多数。

Merlette（マーレット）
のティアードワンピース

「数あるフェミニンワンピとは一線を画す、甘ディテールと軽やか素材の絶妙なバランス。まさに名品と呼べる存在だと思っています」

「ティアードやパフスリーブなど、誰しも心ときめく甘いディテールを詰め込んだワンピース。例えばこれが硬いコットン素材だったら、甘くなりすぎたりほっこり見えたりしてしまう。カジュアル派が取り入れやすい抜け感のある軽やかな素材こそが、マーレットが名品たる所以だと思います」

Bilitis dix-sept ans（ビリティス・ディセッタン）
のレースブラウス

「パリの蚤の市を思い出させるような可愛げたっぷりの繊細さは、いつの時代も古びることはありません」

「カジュアルパンツに合わせやすいピンタックブラウスは、チュールスカートで有名なビリティスの隠れ名品。カーゴパンツとのコーデは永遠のスタイルです」

MARIHA（マリハ）
のギャザースカート

「たっぷり、贅沢なギャザー使い。ポロシャツやTシャツなどの、夏のカジュアルトップスとの相性も抜群です」

「薄手のコットンにたっぷりギャザーを寄せたマリハのスカート。マニッシュなポロシャツやシンプルなTシャツなど、カジュアル派の夏の定番トップスにぴったりです。軽やか素材だから大げさになりすぎず着られるはず」

ne Quittez pas（ヌキテパ）
のドット柄パンツ

「毎年登場するドット柄シリーズ。普遍性の高いゆったりめパンツを、ビッグボーダーで今年らしく着こなして」

「ヌキテパのドット柄パンツは、普遍性と同時に、合わせるトップスで今っぽさを表現できるところも秀逸。今年ならオーバーサイズのボーダーと一緒に」

THIRD MAGAZINE（サードマガジン）
のレースシャツ

「ハンサムなバンドカラーシャツに繊細なレースのあしらいをきかせた、甘派にも辛派にもおすすめしたい新名品」

「サードマガジンは、ベーシックなカジュアル服に都会的な遊び心を添えたアイテム作りを得意とするブランド。ハンサムなバンドカラーシャツの衿元と袖口に繊細なレースをあしらった白シャツは、まさに甘さという〝外し〞で抜け感を加えた一枚。フェミニン派だけでなく辛口派にもおすすめしたい新名品です」

Ron Herman（ロンハーマン）
のプリントワンピース

「ロンハーマンは、甘さをヘルシーに仕上げたアイテムの宝庫。夏に映えるプリントワンピは涼しさも運んでくれます」

「甘い服って少し間違えると、暑苦しく見えてしまうこともある。でも、可愛いをヘルシーに仕上げてくれるロンハーマンの柄ワンピなら、どこまでも涼しげです。デニムをレイヤードしてもこの夏らしいですね」

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次回は、「甘口名品」小物編！スタイリスト石上美津江さんが提案します。

撮影／渡辺謙太郎（人物）　魚地武大（TENT）（物）　ヘア＆メイク／中山友恵　スタイリスト／石上美津江　モデル／浅見れいな　取材・原文／磯部安伽
※商品価格は消費税込みの総額表示（2022年5/7発売LEE6月号現在）です。

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