三重県・多気町に昨年誕生した、自然と共存する大型商業施設「VISON(ヴィソン)」で、気になるインテリアアイテムをHunt! 後編となる今回は、施設の監修にもかかわった陶芸家・造形作家である内田鋼一さんプロデュースのギャラリーへ。(前編はこちら)
石井佳苗さん/Kanae Ishii
雑誌や書籍、広告など多岐にわたって活躍。初心者にもわかりやすいオンラインレッスンも好評。「白いもの好きとしては、今回は目移りが心配(笑)。時間が足りるでしょうか?」(石井佳苗さん)
Instagram:kanaeishii_lc
公式サイト:https://kanaeishii-stylist.com
vol.3 | area: 三重(後編) | Hunting item: 白い器
“白”がコンセプトのショップで部屋に飾れる器と出会う
「軽やかでもあり、静かな落ち着きもある。白は、さまざまな表情を見せてくれる色だから、飽きることがないんです」(石井佳苗さん)
Hint-1
“白”の色み、質感はさまざま。ひとつでも、組み合わせてもそれぞれの魅力が生まれる
“白”は石井さんにとって特別な存在。
「気づけばいくつも部屋に取り入れている色です。また、ひと言で白といっても、ニュアンスはさまざま。表情がひとつずつ違うから、並べるだけでおのずと奥行きが。それでいて統一感も出せるので、たくさんあってもすっきりした印象になるんです」(石井佳苗さん)
陶器、金属、ガラス……素材の違いにも目を向けつつ、好みの白を吟味。
古いものも新しいものも、あえて分類することなくディスプレイ
アンティークかと思ったら、現代のものでびっくり
石井さんが手に取ったのは、高橋禎彦さん作のガラスカップ。「しっとりした乳白色がアンティークのような雰囲気」(石井佳苗さん)
中央のオブジェは鯉江良二さん作
白の深さを感じられる吉田喜彦さんの作品
Hint-2
器をインテリアに取り入れるなら、まずは「大皿」「片口」を選ぶと間違いなし
お皿をインテリアアイテムにするなら、中途半端な大きさよりも思いきり大きいほうがトレイ感覚で使いやすいそう。
「さらに、ポイントはリム。このように幅広のものは、白い器にありがちな、“いかにも食器”な雰囲気がなく、食卓以外でも違和感なくなじみますよ」(石井佳苗さん)
片口鉢は「この深さ、フォルムは花器にぴったり」と即決。
口があることで表情が出るのです
「質感が、たまらなく好み」と選んだ、古い片口鉢。「同じ白でも三者三様。白って、本当に深い色!」(石井佳苗さん)
ホーロー製という、素材のレア度も◎
金森正紀さん作のプレートはホーロー製。「高台がほぼなくて、フラットなのもインテリア向き」(石井佳苗さん)
白いソフトクリームもいただけます!
内田さんのアトリエがある、滋賀県・比良山の牧場から直送したミルクで作るソフトクリームも人気。「“おいしい白”もお見逃しなく!」(石井佳苗さん)
Hunting item 白い器
「こんなふうに飾ってみたい」とイメージして持ち帰った白い器。予想以上の凛とした存在感に大満足!
飾り方1
トレイ使いよりもワンランク上。広めのリムが、すっきり見える理由です
デスクの上で散らばりがちなメガネや香水などは、フラットな大皿にひとまとめ。
「用途と素材感の違う小さいものを無造作に置いても散漫な印象にならないのは、白い器ならではの清潔感ゆえ。さらに広めのリムが心地よい余白になって、すっきりと見せてくれます」(石井佳苗さん)
「白ならではの清潔感が、空間を引き締めてくれます」(石井佳苗さん)ホーロープレート(直径45㎝・リム幅約7.5㎝)¥22000
飾り方2
古い「片口」を花器として。花が安定して生けやすく、趣も出る
花は花器以外に生けてみると、こなれた印象に。
「特に片口鉢は、初めての人でも形が決まりやすいのでおすすめ。口の部分にもたせかけるような感覚で生けてみると、自然な動きが出せますよ。静かな印象の器に合わせ、グリーンを中心としたあしらいにしました」(石井佳苗さん)
「この安定した存在感は、時代を経たものだからこそ」(石井佳苗さん)明治時代の白化粧片口鉢(幅23.6×奥行き23.2×高さ13.5㎝)¥19800
飾り方3
オブジェのようなフォルムのカップもただ飾るのではなく、お香立てとして活用
小さいながら存在感のある個性的なフォルムの器は、お香立てに。
「半透明の乳白色から漂うやわらかな印象と、曲線的なデザイン。それを引き立てるように、ハードな印象のプレートと組み合わせました。お香も濃い色を選んで、白とのコントラストをきかせています」(石井佳苗さん)
「そのまま飾ってもいいけれど、ひとつ役目を与えることで、部屋になじみ、存在感がきわだちます」(石井佳苗さん)カップ(直径5×高さ10㎝)¥16500
今回のHuntのまとめ
「やっぱり白は魅力的」それを再確認できる素敵な体験でした
Kanae Ishii
これまでは数ある色の中から白を選びとってきたけれど、今回は「すべてが白」という世界のお店でのセレクトだったのが新鮮でした。同じ白でも、青みがかった白、黄みがかった白など、並べて比べることで、それぞれの魅力を実感。白の中にある、さまざまな色合い。そのグラデーションの豊かさを、たっぷり楽しめました。
素敵な雑貨、おいしいもの、そしてパワースポット! VISONとその周辺は私たちの好きなものだらけ
伊勢神宮へはVISONから車で20分。石井さんも帰りに訪れました!
宿泊者が飲食店まで移動できる巡回バスも
Hunting Spot
VISON(ヴィソン)内「Gallery 泛白(うはく) uhaku」
DATA
[VISON]「癒」「食」「知」をテーマとした、宿泊&温浴施設まで網羅する日本最大級の商業リゾート。施設の監修には陶芸家・造形作家の内田鋼一さんを筆頭に多くのクリエイターが携わる。三重県多気郡多気町ヴィソン672番1
https://vison.jp/
[Gallery 泛白 uhaku]緑の中に佇むかわいらしい白い小屋に、国や地域、時代を超えた“白いもの”が並ぶギャラリー&ショップ。定期的に、白をテーマにした個展や企画展なども開催。 ☎︎0598・67・0725 営業時間10:00〜17:00 年中無休
撮影/宮濱祐美子 取材・原文/福山雅美
LEE2022年5月号『スタイリスト石井佳苗さんのINTERIOR Hunting!』より
「石井佳苗さんのインテリア連載」記事一覧はこちらこの記事へのコメント( 0 )
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