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FASHION

峰典子

シミ・汚れで眠っている服を、京都伝統の「黒染め=深黒加工」でアップサイクル【KUROZOME REWEAR KYOTO】

  • 峰典子

2022.03.29

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汚れが落ちない大切な服。
黒く染めて、もう一回着ませんか?

気に入っているのに着なくなった大切な服。 その中でも、落ちない汚れやシミのせいで眠っているものってありますよね。染み抜きやクリーニングでもダメだった。でも捨てるには惜しくて……。そんな一着を再び袖を通せるようにしてくれるのが、京都で100年以上続く黒染めの老舗によるアップサイクルプロジェクト『KUROZOME REWEAR KYOTO』。洋服を長く着続ける楽しみにつながる「黒染め」の魅力、ご紹介します!

黒よりしっかり黒く染まる、究極の「深黒加工」

KUROZOME REWEAR KYOTO』を手がけているのは、日本古来の最上級正装である黒紋付を約100年(1915年より)にもわたって染め続けてきた老舗染め屋の〈京都紋付〉。世界の名だたるブランドの黒染め加工も請け負っているというその伝統技術を、伊勢丹新宿店〈リ・スタイル〉とのタッグによって、誰でも簡単に体験できるという嬉しいサービスなんです。

お話を聞いてみると、数ある色のなかでも美しく染め上げるのが最も難しいのが「黒」だそう。〈京都紋付〉独自の「深黒(しんくろ)加工」は、光の反射を抑えた技法で、暗く深く染め上がるのが特徴。実際に目の当たりにしてみると、まるで墨汁のようなしっかり奥深い黒色。汚れを隠したい、イメチェンをしたいという方だけでなく、長く着ていて褪せてしまった黒い服を復活させたい!という要望があるというのも納得です。

自転車で擦れた白い服を、真っ黒に染め直し!

私が試してみたものは、真っ白なコットン100%のロングスカート。自転車のタイヤに擦れてしまい落ちなくなった油じみ。石鹸での揉み洗いなどを試してみたものの汚れが落ち切れず。かと言って、なかなか手放せなかった一着……。

KUROZOME REWEAR KYOTO』へ申し込んだ後、染めたい衣類を発送。約一ヶ月ほどで手元に戻ってきました(結果はぜひ下の写真をご覧くださいね)。京都や伊勢丹本店に足を運ぶことなく完結できるのは、この時世にありがたい点。染められる素材は下記の通りなので、まずは希望の衣類が対応しているかご確認を。

 

【素材】

染め替え可能
綿/麻/シルク/羊毛/レーヨン/キュプラ

✖️染め替え不可能
ポリエステル100%/アクリル100%/ナイロン/革/アセテート/トリアセテート/ダウン

 

before:自転車のタイヤで擦ってしまい、ガンコ汚れに効く某石鹸でも効果のなかった残念なスカート。

 

after:汚れの位置すらわからなくなってしまいました。白い部分はステッチとナイロン裏地です。

色落ちなし、嬉しい撥水効果まで。

このしっかりと染まった「深黒加工」。果たして自宅で手に負えるの? 他のものに色移りしてしまうのではと、不安になりそうなものですが、心配無用なことがわかり一安心。こちらの黒染めは洗濯をしても色落ちをせず、なんと汚れや水を弾く撥水効果もあるそうです。(念のために数回は単独洗濯が推奨されています)

春の衣替えシーズン。断捨離の前に「染め直して着る」という選択はいかがですか? きっと想像よりもシックに、うんとモードに。全く違う表情と出会える面白さです。

REWEAR OROJECT

KUROZOME REWEAR FROM KYOTO
Instagram@k_rewear

 

 

峰典子 Noriko Mine

ライター/コピーライター

1984年、神奈川県生まれ。映画や音楽レビュー、企業のブランディングなどを手がける。子どもとの休日は、書店か映画館のインドアコースが定番。フードユニットrakkoとしての活動も。夫、5歳の息子との3人家族。

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