【動画あり】スピーチ・ボイスデザイナー 魚住りえさんがレクチャー!声のお悩み別「のどトレーニング」
2022.04.05 更新日:2022.10.12
LEE読者から集まったさまざまな声のお悩み。相手に届きやすく魅力的な声になるためのトレーニング方法を、魚住さんがレッスン!
目次
- 悩み1 もともと声が小さかったのですが、マスク生活でさらに聞き取りにくい声になりよく聞き返されます(TKKさん)。
- 悩み2 年を重ねたせいか今まで歌えていた曲の高さまでもっていくことができなくなりました(さとこいもさん)。大人になっても声が高いままで電話口などで年相応に思われません(マリーNさん)。
- 悩み3 滑舌が悪いせいで思っていることがはっきりと相手に伝わりません(ともGONさん)。
- 悩み4 電話応対で自分の声の輪郭をはっきりとさせたいです(sakusakuさん)。
教えてくれた人
フリーアナウンサー・スピーチ・ボイスデザイナー
魚住りえさん
日本テレビでアナウンサーとして活躍後、フリーに。30年間で培ったアナウンス技術を生かした「魚住式スピーチメソッド」を確立。個人レッスンやYouTube配信も人気。
Twitter:rie_uozumi
公式サイト:https://www.rie-speech.jp/
悩み1
もともと声が小さかったのですが、マスク生活でさらに聞き取りにくい声になりよく聞き返されます(TKKさん)。
レッスンのポイント
声を大きく太くするには吐く息の量を増やすのがカギ
「音量が小さく聞き取りにくい人の声は、声として出る息の量が少ない。ましてマスクというフィルターがある状態だと、余計に声がこもりがち。息を吐く量を増やすことが、聞き取りやすくなるためのポイントです」(魚住りえさん)
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STEP 1
腹式呼吸で呼吸をしましょう!
「胸でする呼吸よりも息の量が多くなるのが、おなかを使った腹式呼吸。吐く息の量を増やせば、声帯に負荷をかけずに声を大きくでき、マスクを通しても聞き取りやすさがアップ!」(魚住りえさん)
1. リラックスする
壁に背中をつけ、両足を肩幅に開いて立つ。首と肩の力は抜き、腕を自然に下ろしてリラックス。
2. 息を吐きながらおなかをへこませる
片手をおなかに軽く当て、口から「フゥ~」と息を吐きながらゆっくりおなかをへこませていく。最後は息を吐き切り、腹筋をできるだけ縮める。
3. 息を吸いながらおなかを膨らませる
鼻から息を一気に吸い込みながら、おなかを意識して膨らませる。膨らませるのが難しければ、腹筋をゆるめるイメージでやってみて。
STEP 2
太い息に声を乗せる練習をしましょう!
「腹式呼吸で息をたくさん吐くコツをつかんだらそこに実際に声を乗せていきます。口を大きく開けて、たくさんの息とともに発声すると、ハッキリ聞き取りやすい声に!」(魚住りえさん)
1. 口を閉じて「ん」を発声
鼻から息を吸っておなかに空気を入れ、口を閉じて「ん-」と大きく声を出す。5秒間かけて息を吐き切るまで続ける。
2. 口を丸く開けて「お」を発声
1と同じ要領で、「おー」と大きな声を出す。声を出し切るときに、おなかがへこんでいくことを意識する。
3. 口を大きく開けて「あ」を発声
1と同じ要領で「あー」と声を出す。口を大きく開けると肩に力が入ってしまう場合は、軽めに開けてOK。
悩み2
年を重ねたせいか今まで歌えていた曲の高さまでもっていくことができなくなりました(さとこいもさん)。
大人になっても声が高いままで電話口などで年相応に思われません(マリーNさん)。
レッスンのポイント
声をどこで共鳴させるかで声の高低が変わってきます
「声帯を振動させて発声した声は、口腔や鼻腔、頭蓋骨など頭部のさまざまな空間で振動を増幅させて(共鳴)、声として響きます。声の高さは声を共鳴させる場所に左右されるため、その場所を意識するといいでしょう」(魚住りえさん)
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METHOD 1
共鳴トレーニング
「自分の鼻あたりでいちばん響く声を見つけ、そこを基準にして、低い声はのどで、高い声はおでこでそれぞれ響かせる練習をしましょう。指先で振動を感じてみてください」(魚住りえさん)
1. 「自然でかつ聞き取りやすい声」を見つける
人さし指と中指で鼻先に軽く触れ、自然に「ン~」とハミング。そこから少しずつ音程を上げていき、鼻先の指が最も振動を感じる高さが、自然で印象のいい声の高さ。
2. 高い声を低く落ち着きのある声にしたいとき
人さし指と中指でのどに軽く触れ、1と同様にハミング。そこから徐々に音程を下げていき、のどに触れた指先が最も振動を感じる高さが、低くても聞き取りやすい声。
3. 低い声を高く若々しい声にしたいとき
手のひらを額に軽く当て、1と同様にハミング。徐々に音程を上げていくと、かなり高い音域で振動するはず。その高さが、高くてもいい印象を与えられる声になる。
参考文献『発声と身体のレッスン 増補新版』鴻上尚史/白水社
METHOD 2
声のトーンの使い分けトレーニング
「高い声は明るさや若さ、楽しさ、低い声は落ち着きや深刻さなど、声は高さ=トーンによって印象や心情を表現できます。普段の自分の声を基準に、高く出すイメージと低く出すイメージを感覚的につかみましょう」(魚住りえさん)
声のトーンを使い分けよう
声の高さをドレミの音階に当てはめると、平常心のときが「ド」。上の共鳴トレーニングで見つけた「一番聞き取りやすい声」が「ソ」。そこを基準に、明るさや楽しさを表現するときは「ラ」や「シ」、落ち着きや深刻さを表現したいときは1オクターブ低い「ラ」や「ソ」をイメージして発声する。
悩み3
滑舌が悪いせいで思っていることがはっきりと相手に伝わりません(ともGONさん)。
レッスンのポイント
発声のための筋肉を総動員! 滑舌をスムーズに
「言葉がくぐもる人は、口の開け方が小さく、声の出し方のクセでいつも同じ筋肉しか使っていない可能性も。唇、頬、舌、のどなどさまざまな部分の筋肉を使って声を出すようにしましょう」(魚住りえさん)
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METHOD
パマタカラ体操
「パ」と「マ」で唇を、「カ」はのどの奥を、「タ」と「ラ」は舌の筋肉を使います。発声に必要なさまざまな筋肉の動きがスムーズになり、滑舌がなめらかに。
破裂音の「パ」は、唇を閉じた状態から一気に広げて発音。パパパパパ……と息が切れるまで、連続して発音し続ける。
「マ」は「パ」よりさらに強く上下の唇を押しつけて、鼻から息を抜きながら発音。マママママ……と息が切れるまで続ける。
「タ」は、上あごに一度ついた舌を下あごに打ちつけて発音するため、舌の筋トレになる。タタタタタ……と息が切れるまで続ける。
「カ」はのどの奥を締めるようにして発音。のどに力を入れることでのどの筋トレに。カカカカカ……と息が切れるまで続ける。
「ラ」は舌を丸めて舌先を前歯の裏につけて発音。舌をたくさん動かすので、動きがなめらかに。ラララララ……と連続して発音する。
仕上げに一音ずつ続けて「パマタカラ、パマタカラ……」と言う。できるだけ早く、何度も繰り返して言ってみて。
悩み4
電話応対で自分の声の輪郭をはっきりとさせたいです(sakusakuさん)。
レッスンのポイント
基本の母音をはっきりと! 話し声全体がクッキリします
「聞き取りづらく不明瞭な声の人は、口をしっかり開けて話していない可能性があります。基本のあいうえおの口をしっかり作ることで、声の輪郭がクリアになり、相手に言葉が届きやすくなります」(魚住りえさん)
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METHOD
あいうえお体操
基本となる日本語の母音「あいうえお」をクリアに、口を大きく開けて発音しましょう。電話の声はもちろん、普段の会話でも口がラクに動くようになります。
上下の歯が見えるくらい、大きく丸く口を開ける。
口の両端を思いっきり左右に引っ張る。
口を丸い形にしてすぼめ、そこから前に押し出す。
笑顔を作るように、口角を上げて口を左右に引き、下唇を下げる。
「あ」と「う」の中間程度に口を丸く開けて、前に出す。
詳しい内容は2022年LEE4月号(3/7発売)に掲載中です。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/畑野和代 イラストレーション/多田景子 取材・原文/遊佐信子
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