来年もきれいに着られる! ニット、ダウン、コートの洗い方&しまい方
【ニット、ダウン、コート…家で洗える? クリーニング? 】洗濯のプロが教えるホームクリーニングの基準、ポイント
2022.03.12
寒い季節にお世話になったニットやダウンなどの冬物衣類、来年も気持ちよく着られるようにきれいに洗ってしまいたい。洗濯のプロが、洗濯の基準、基礎知識、便利グッズなど、ポイントを伝授! ホームクリーニングの正解がここにあります。
教えてくれたのは?
クリーニング カラキヤ
向山正幸さん
今年で創業112年、大手衣料ブランドからの信頼もあついクリーニングの老舗「カラキヤ」で品質管理の責任者を務める。クリーニング歴40年の大ベテラン。日々の営業の傍ら、シミ抜き技術の研究開発にも熱心。
クリーニング カラキヤ
東京都港区高輪2の7の8
☎03・3445・0974
●Instagram:karakiya1909
●公式サイト:www.karakiya.com
洗濯のポイントを押さえればおうち洗いでも十分きれい
「ニットやダウン、コート類は家で洗えるものも多く、ぜひホームクリーニングにトライしてほしいアイテムです」と向山さん。
「洗剤の選び方や乾かし方などのコツを押さえれば、家庭でも十分きれいにできます。ひとまずしまって翌年着る前にクリーニングに出す方もいますが、保管中の黄ばみや虫食いを予防するには、シーズン終了後は洗ってからしまう(しまい洗い)のが鉄則です。
専門店でのクリーニングとホームクリーニングの大きな違いは、なんといっても仕上がり。専門店は洗剤の種類や使い分けに精通し、洗い方や乾燥、アイロンの技術も高度なので、ダメージを最小限に抑えつつ、ニットやダウンはボリュームをつぶさず、コート類はパリッと仕上げることが可能です。
デリケートな素材のものや、買ったばかりのものは専門店へ、ある程度着たものは自宅で、と使い分けてもいいですね」(向山正幸さん)
教えて洗濯のプロ!
これ、家で洗えますか? お店にまかせたほうがいいですか?
ニットやダウンなど同じアイテムでも、素材や作りによって自宅で洗いやすいものと、クリーニング店にまかせたほうが安全なものとがあります。自宅で洗う場合は、あくまで自己責任で。心配なときは無理せず専門店へ!
ニット
ウール、アクリル、綿、一般的なカシミヤやアンゴラなどで、汚れが軽めのものは家でも洗いやすい。油分を多く含む高級カシミヤや、色落ちしやすい天然皮革、繊細なビーズなどの装飾があるニットは、仕上げが難しいのでお店が安心。
「綿ニットでも、白地に色ロゴが入っている場合などは色移りの恐れがあるので、お店がいいでしょう」(向山正幸さん)
家でOK!
●ウール、綿、一般的なカシミヤ アンゴラなど
お店にまかせて
●高級カシミヤ、ビーズや天然皮革の飾り付きなど
ダウン
ダウンの中身にはダウン(芯がないフワフワした羽毛)とフェザー(芯がある羽根)が使われることが多く、量販店で買える一般的なタイプやフェザーの使用率が高いものは、ドラム式洗濯機があれば家で洗いやすい。
「ダウン比率が高いもの、高品質なグースを使用した高級ダウンなどふっくら感を重視したいものは、お店にまかせるのが安心です」(向山正幸さん)
家でOK!
●一般的なダウン
お店にまかせて
●高級ダウン
コート
ポリエステルやナイロン、綿ポリエステル混紡のコートは、シワになりにくいので、家でも可。
「ウレタンコーティング(通称『ゴム引き』)加工や、生地を張り合わせたボンディング素材は、乾燥が不十分だとはがれる恐れがあるので専門店へ。シワを伸ばすのが難しい綿コート、重いウールコートも、お店のほうがきれいで確実です」(向山正幸さん)
家でOK!
●ポリエステル、ナイロン 綿ポリ混紡など
お店にまかせて
●綿素材 ゴム引き、ボンディング加工など
ブーツ
普通に水で洗ってしまうと皮の色が落ちたり皮が硬くなってしまうため、天然皮革のブーツを洗濯するなら、専門店にまかせるのが安心。唯一、フェイクのムートンブーツは家で水洗い可。
「汚れが多い、ニオイが気になる場合以外は、自宅で専用のクリーナーや防水スプレーなどでお手入れして、正しく保管しておけば十分でしょう」(向山正幸さん)
家でOK!
お手入れのみOK
洗うならお店に
●レザー、スエードなどの天然皮革
お店にまかせて
洗うなら
●リアルムートン レザー
ホームクリーニングのポイントをマスター
覚えておきたい洗濯の基礎知識
おしゃれ着洗剤は
生地にやさしい中性で防縮効果あり
家での洗濯に使う洗剤は、主に弱アルカリ洗剤とおしゃれ着(防縮)洗剤の2種類。
「特に冬物衣料の洗濯には、生地を傷めにくい中性で、かつ繊維の絡まりを防ぐシリコン入りのおしゃれ着洗剤を使いましょう。汚れ落ちは弱アルカリ洗剤より弱いけれど、汗や汚れの少ない冬物の汚れ程度なら十分です」(向山正幸さん)
おしゃれ着(防縮)洗剤
中性洗剤に防縮成分や柔軟剤成分が入っている。デリケートな衣類や軽い汚れに。
弱アルカリ洗剤
いわゆる普通の液体洗濯洗剤。汗や汚れの多い衣類や、汚れをきちんと落としたいときに。
虫食い・傷みの原因は
残った汚れと湿気
衣類を食べるのはカツオブシムシ類とイガ類という2種類の虫。
「ウールやカシミヤ、シルクなど動物性素材が好物で、かつ皮脂や食べこぼしなどの汚れが残っていると虫のエサになるので『しまい洗い』が大切。
湿気も生地のはがれやカビの原因になるので、保管時は防虫剤と除湿剤がマストです。効果が薄れないよう、必ず表示の使用法を守って使いましょう」(向山正幸さん)
「冬物を 洗う・しまう」にあると便利!
洗濯ネット
洗濯機で洗う際、生地が引っ張られたり摩擦で傷むのを防ぐ。
「アイテムによって適切なネットのサイズが変わるので、サイズ違いをいくつか用意すると◎」(向山正幸さん)
平干しネット
ハンガーだと型崩れしやすいニットなど干すのに便利。
「なければ、残り湯が温かいうちに湯船のフタの上に乗せ、ひと晩換気扇を回すという方法もあります」(向山正幸さん)
防水スプレー
洗濯後の仕上げには防水スプレーを。汚れがつきにくく、落ちやすい。
「コニシの『防水スプレー ハイパワー』は効果が高く、シミになりにくいのでおすすめです」(向山正幸さん)
除湿剤
クローゼットの湿度はカビや変色、異臭の原因。
「クローゼット内に除湿剤を一緒に置いて保管しましょう」(向山正幸さん)
次回は「やさしく洗ってふっくら仕上げる 『ニット』編」をご紹介。
撮影/伊藤奈穂実 イラストレーション/ツルモトマイ 取材・文/遊佐信子
※商品価格は消費税込みの総額表示(2022年3/7発売LEE4月号現在)です。
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