積極的に育児や家事にかかわり、奮闘しているパパたちも。「仕事とのバランスや調整はどうしている? 妻とどんな役割分担をしているの?」。夫側の意見を聞きました。
チュートリアル 福田充徳さん
徳井義実さんとお笑いコンビ・チュートリアルを結成し、「M-1グランプリ」の6代目王者に。『しゃべくり007』(日本テレビ系)など、テレビやラジオなどで活躍。妻と4歳の息子の3人家族。
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働き続けてと僕が妻に言ったから、最大限家事育児をするのが当然
「息子が生まれたのは、僕が42歳のときだったんです。正直なところ、20代30代でこれからガンガン売れたい!と必死な頃だったら、今のようには子育てにかかわれていなかったかも」と話すお笑い芸人の福田充徳さん。
妻もフルタイムで仕事をし、保育園の送迎は朝が福田さん、お迎えは妻。料理はできるときは福田さんが作り、寝かしつけは妻などと役割があり、これまで両親や親戚、シッターなど第三者の支援やサービスを利用せず、夫婦で乗りきってきました。
「いざとなったら応援を頼もうと思っていますが、まずは自分らでできるだけやってみよか、と話していて、たまたまなんですけど、なんとか今日に至ってますね」(福田充徳さん)
育児のことについては、出産前から夫婦でよく話し合いを重ねていたとも言います。育休こそ取らなかったものの、予定日の前後は仕事を空けて出産に立ち会うことができました。夜泣きする息子を抱えて朝を迎え、競争率の激しい地域で保活をし、新生児の頃から夫婦二人三脚の育児が定着。
「妻が仕事を辞めて専業主婦になろうかという話が出たとき、仕事を続けたほうがええんちゃうかと言ったのは僕でした。そう言った手前、僕も家のことはやっていかなあかん、という気持ちで。掃除や洗濯、皿洗い、何でもやりました。でも『ここはもっとこうしてほしい』とか『なんでこれを先にやってないの?』とかね。細かいズレがあって、もめたこともたくさん。
とはいえ、結局は妻に育児と家事を任せることが多いので、すまないなという気持ちです。よく偉そうに女性誌で子育てのこと語ってるなと妻には思われてるんちゃいますか(笑)。僕ができている育児は10のうち、2くらい」(福田充徳さん)
そう謙遜する福田さんですが、レギュラー出演している仕事の日以外は、保育園の送りをしてから間に合う時間からの仕事に、深夜まで及ばない撮影で、と基本的に子育てに影響しないよう仕事の時間帯を調整しているそう。
「家では息子が好きな料理を作ったり、好きな遊び場に連れていったり。悪いことをしたときはピシッと叱ってメリハリをつけてはいますけど、基本的には息子のやりたいことで、休日の予定が決まるような、子ども中心の日々ですね」(福田充徳さん)
お話を聞くほどに、家庭にしっかり軸足を置いた、やさしいお父さんをする様子がうかがえます。
「出張が続くときは、代わりに翌週は保育園や習い事の送迎は僕が行くわ、と折り合いをつけてみたり。仕事の予定はタイムツリーというスケジュール管理アプリで妻と共有しながら、食事や家事の合間に、夫婦で予定を確認し合っていますね」(福田充徳さん)
息子さんが2歳の頃、家族でベトナムへ旅行。街中を散策するときは、福田さんが主に抱っこを担当。
ステイホーム期間中、妻は在宅勤務。その間、長距離のお散歩が福田さんと息子さんの日課に。
急に息子が熱を出したときは、楽屋へ連れていって看病しました
以前、息子さんが朝から体調が悪く保育園には預けられない、でも妻も仕事があるし、自分もテレビの収録がある。というピンチが訪れたことがあったそう。そのとき、福田さんは息子さんを連れて仕事現場へ。楽屋で2時間半、マネージャーなど周囲の人に見てもらいながら、なんとか仕事を終えることができました。
「共演の先輩芸人の方に『子どもの泣き声せぇへん?』と聞かれて、『すんません、僕の息子です〜』『そうか、かわええなぁ』なんて会話をしながら、皆温かく受け入れてくれて、本当に助かりました」(福田充徳さん)
別のある金曜日、この日も朝から息子さんが発熱。週末にかかると通院ができない。妻も仕事が……。
「僕はラジオの収録だったんですが、迷った挙げ句、相方の徳井に任せて、僕は子どもを病院へ連れていくことにしました。僕らの仕事は代わりがきかないし、絶対に休めないと思い込んでいたんですけど、相方も『そうか、わかった!』と二つ返事で受け入れてくれて、ラジオは徳井一人で無事終了。
相方やスタッフさんの理解あっての欠席だったし、自分がもっと若手だったらできなかったかも?とも思うけど、後輩たちだってピンチのときは家庭を優先してもええよ、という一例になるといいですよね」(福田充徳さん)
世のお父さんたちだって、本当は子育ての話をしたいはず
芸人仲間のNON STYLEの石田明さんやロバートの山本博さんとは、お子さんの年齢が近いこともあって、楽屋で会ったときは、いつもパパ友として子育てトークで盛り上がるそう。
「『家にどんなベビーマット敷いてます?』とか『え、もうオムツ取れたん?』とか『ここのストローマグは絶対こぼれへんぞ』とか(笑)。僕、本当はお父さんたちも、もっと子育てトークをしたいんじゃないかなと思うんですよ。
でも、照れ臭いし、相手がどれだけ子育てに関心があるかわからないので、いきなりこぼれないストローマグの話されてもイヤやろな、って話を飲み込んでしまうことがあって。世の中のお父さんたちは、もっと子育てのことを自分から話してもいいんじゃないですかね」(福田充徳さん)
ハーフバースデーの離乳食や季節の行事で作った福田さんの手料理。気合いの入ったデコレーションに、息子さんも大喜び。
いつかは“パパ友会”を開いて、情報交換もしたい!
息子さんを通わせている保育園では、朝の送りをお父さんがしている家庭が多く、毎朝会う人たちと「パパ友会をやりたいですね」と話していたといいます。
「コロナ禍になって実現はできていないけれど、お父さんたちも育児の情報交換に飢えていると思います。みんなでぶっちゃけて子育ての話ができれば、妻には言いにくい悩みが軽くなるかもしれないし、違う角度からの新しい情報が入って子育ての楽しみが増えるかもしれないです。会社の中でも、子育ての話を普段から気軽に話せたら、周囲の協力を仰ぎやすくなるだろうし。
お父さんたちが気軽に協力しあえる楽しいムードがもっと広がるといいですよね」(福田充徳さん)
育児により参加するため実践したこと
- 妻が思いきり仕事ができる環境を、自分がつくると決めた
- いざとなったら仕事の仲間の助けを借りて子どものピンチを乗りきる
- 子育て中のパパ同士、照れ臭さを捨てて育児の会話を楽しむ
【特集】「今日は僕が仕事休むよ」とパパが言える日が来るまで
詳しい内容は2022年LEE3月号(2/7発売)に掲載中です。
撮影/名和真紀子 スタイリスト/三浦知花 取材・原文/田中理恵
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