おしゃれに体感するSDGs!大人気サステナイベント「PASS THE BATON MARKET vol.6」子連れ参加レポート
-
福島綾香
2021.12.21
今回も大盛況!「PASS THE BATON MARKET vol.6」に行ってきました
企業のデッドストックや規格外品に新たな価値を見出し、必要とする誰かへバトンする蚤の市「PASS THE BATON MARKET」(パスザバトンマーケット)。
先日、コクヨ東京品川オフィス「THE CAMPUS」(ザ・キャンパス)にて開催された第6回に、夫と3歳の息子とともに家族で参加する機会をいただきました。
「日本の倉庫を空っぽに」をテーマに、ファッションから雑貨、インテリア、子ども用品、食料品まで、ジャンル多彩な53社が出展した今回。
キッチンカーも並び、テーマに合わせたワークショップも開催されるなど、盛りだくさんの2日間。冬空の下、終始入場待ちの列が絶えないほどの盛況ぶりでした!
サステナビリティやSDGsの考え方が浸透してきた昨今、こういったイベントも行動のきっかけのひとつになりそう。
そして「PASS THE BATON」は、京都の店舗をはじめ、以前あった表参道や丸の内の店舗も訪れたことがあったので、マーケットとなるとどんな雰囲気なのかな?とワクワクしながら会場へと向かいました。
「日本の倉庫を空っぽに」をテーマに、53社が出展

会場での買い物は全てキャッシュレス(交通系IC、クレジットカード)。こちらも時代に即しています。もちろんエコバッグ持参もマスト!
「PASS THE BATON MARKET」は、企業や産地が抱える“もったいない”や“困りごと”に向き合い、世の中に紹介する場として2019年に始まったイベント。
大量生産、大量消費の時代を経て、モノの価値がめまぐるしく変遷する中、倉庫に眠ってしまったアイテムに光を当てて一堂に集めた、いわば“これまでにない蚤の市”です。
主催するのは、2009年9月から店舗を構え、使わなくなったモノをストーリーとともに別の誰かへ届けてきたブランド「PASS THE BATON」。
今回は思いに共感する53社が出展し、そのうち「三越伊勢丹」や「中川政七商店」などの19ブランドが初参加。衣食住のユニークなお店が揃い、宝探し感覚でお買い物を楽しめる空間でした!
規格外品やデッドストック、パッケージ破損で25%オフ…掘り出し物がたくさん
「無印良品」のブースで目を引いたのは「焼き直しのうつわ」。上から釉薬をかけて焼き直すことで、不要となった器のアップサイクルを目指しているそう。今回は試作品の販売ですが、なんとも味があって素敵でした。こういった企業の新たな取り組みを知ることができるのも魅力的です。

レトロでかわいいトラクター、大切にしてね。
おもちゃの「ボーネルンド」で見つけたのは、「siku」(ジク)というヨーロッパブランドのミニカー。車大好きな息子、「これほしい!」と早々にロックオン。ならば今日の記念に…とレジへ持っていくと、なんと25%オフ!パッケージ破損品のため特別価格で、親としてもうれしいお買い物でした(笑)
「三越伊勢丹」のブースでは、ファッション雑貨やおもちゃなどがずらり。「自社ECサイトで売り切れなかったアイテムも、持って来てみたら大人気で。まとめ買いして下さる方もいるんです」とのこと。まさに“倉庫に眠っていたモノが、必要とする誰かに渡っている”んですね。
そして、第5回から力を入れているのが「家具のポップアップストア」と「パスザバトンの食料品店」。
「家具のポップアップストア」では、初出展の「マルニ木工」が、廃盤になり眠っていた生地を張ったチェアなどを出品。もちろん配送OKなので、掘り出し物探しが楽しそうです。
「パスザバトンの食料品店」では、全国各地の食のブランドから“賞味期限は近いけど、まだまだおいしい”商品や、“規格外品だけど、おいしさだって規格外”の青果などが集結。
子どもに「見た目は少しいびつでも、とってもおいしいんだよ」と教える機会にもなるなと感じました。
一緒に行った夫は、「各ブースに店名の看板があまり大きく掲げられていないから、ブランド名にとらわれずにアイテム自体を見られるのが良い」と話していました。
商業施設などでは決して隣り合わない店同士が並ぶことで、ブランド間の新たな交流が生まれることもあるそう。こういった出会いも「PASS THE BATON MARKET」ならではの魅力なんですね。
ワークショップで、子どもと身近なアップサイクルを体験
会場内では、ネクタイ生地を使った缶バッジ作り、小さなラグ作りなどの「ものづくりワークショップ」も実施。
今回はコクヨによる「オリジナルフレームづくり」に、息子&パパで参加させていただきました。
コクヨのノート工場で発生する紙の切れ端で作ったフレーム(額縁)に、思い思いに筆を走らせ、絵画風の作品や時計などに仕上げるというもの。
まだ3歳の息子、「わかんない、パパやって〜」となるかな…と少々不安でしたが、自由に描けることがとても楽しかった様子。全部の色を混ぜてみたい!となり、かなり奔放な作品が完成しましたが、スタッフの方も褒めてくださり上機嫌でした。

ノートになれず再生工場へ直行するだけだった紙が、子どもの作品やインテリアに生まれ変わる。これも素敵なアップサイクルのひとつですね!

第5回のワークショップでは、ファイルの切れ端をその場で溶かし、かわいい定規を作ったそう。
ワークショップは全て事前予約制ですが、当日参加OKの体験ブースも。この日はキッズコーナーで、子ども服ブランド「ファミリア」の端材を使ったクリスマスツリーのオーナメント作りなどが行われていました。
子どもが飽きることなく、家族みんなで楽しめる仕掛けがあるのもうれしいですね。
大量生産・消費からサステナブルへ。コクヨの取り組み

コクヨの新たな文具ブランド「KOKUYO ME」では、廃棄衣料をアップサイクルした素材で作ったノートカバーなどを発売。レザーのような質感や、衣料の色を生かした深い色合いが魅力
第4回から「PASS THE BATON MARKET」の会場となっている、コクヨ東京品川オフィス「THE CAMPUS」。
以前、街に開かれた新オフィスとしてレポートしましたが、今回はイベント会場としての活用。しかし、ただの場所貸しではなく、コクヨとPASS THE BATONの考え方が合致したからこその実現だといいます。
文具メーカーであるコクヨは、ノートなどの規格品を次々生産し、販売店へ不足なく届けるのが仕事。まさに“大量生産、大量消費をするメーカー”だったところから一歩踏み出し、サステナブルな方向へとシフトしている只中だといいます。
社員1人ひとりにこの意識を広めるには、ただセミナーなどを聞くより、こういったイベントに関わることで機運が高まると考えたそう。当日スタッフも社内から挙手制で募り、主体的な参加を促しています。
また、こういったオフィスエリアでのイベントで大人が楽しく働く姿を見せることで、子どもたちに「働くって楽しいんだな」と感じてほしいという思いもあるのだとか。
確かに、お子さんと一緒にワークショップのスタッフをしていた社員の方もいて、こういった取り組みも素敵ですね。
出展企業をはじめ、PASS THE BATONもコクヨも…多くの企業が、時代とともに変化する価値観に合わせ、新たなあり方を模索しているのだなと改めて感じる機会にもなりました。
「前回で倉庫が空っぽになってしまったので、今回は出られません!」の声がうれしい
6回目を迎え、毎回多数の企業が賛同し、来訪客の多さからも関心の高さが伺える「PASS THE BATON MARKET」。
出展を依頼した企業から「前回で倉庫が空っぽになってしまったので、今回は出られません!」と言われたり、「以前参加し、倉庫が空っぽになったので、商品開発を思い切ってできるようになりました」との声もあったりするといい、まさにイベントのテーマが浸透、そして実現してきているようです。
コクヨの方は「昔は規格外品を販売したり、こういったイベントに参加したりすると“ブランドに傷がつく”時代もありましたが、今は消費者意識としてもむしろプラス。PASS THE BATONが規格外品やB品のイメージを刷新したことも大きいと思います。サステナブルなどの正義を掲げても、まずは前面に“おしゃれ、いいな、楽しい!”という印象がないと、なかなかとっつきにくいもの。その意味では『PASS THE BATON MARKET』はとても好印象で、企業もお客さんも参加しやすいですよね。コクヨとしても、これからもこのイベントを続けていきたいです」と語ってくださいました。
私自身も、モノの価値や消費について考えつつも「子連れで気軽に行けて、掘り出し物がお手頃価格で買えるイベント」として純粋に楽しく、有意義な時間を過ごすことができたので、ぜひまた足を運びたいなと思いました!

戦利品のひとつ、「プチバトー」のスタイ&タオルハンカチ。旧パッケージ品や過去のノベルティなどがお安く販売されており、「プチバトーのアイテムがこの価格?!」とうれしくなり購入。近々会う予定の育児中の友人へ、「PASS THE BATON MARKET」のお土産話とともに渡そうと思います。

「旬八青果店」で購入した、息子の大好物のいちご。小粒でもしっかり甘くておいしかったね!
「PASS THE BATON MARKET」は、今のところ2022年も定期的に「THE CAMPUS」にて開催予定とのこと。
詳細が決まり次第、PASS THE BATON、またはコクヨの公式サイトにて告知予定なので、ぜひチェックしてみてくださいね!
関連記事はこちら
この連載コラムの新着記事
-
無印良品マニアが便利さに感動! 新作キッチングッズ3選【調理用トング、シリコーン蓋&結束バンド】
2025.03.04
-
【OMO7大阪 by 星野リゾート】大阪・関西万博を楽しみ尽くすコンテンツを体験してきました!
2025.02.28
-
【美尻トレーナー岡部友さんが教える「痩せる食べ方と行動」10のヒント】そのダイエットの常識、間違ってるかも?
2025.02.28
-
千葉の新施設『THE FARM スロウマウンテン成田』に宿泊してみた!キャンプ&グランピング初心者におすすめの新アウトドアホテルをレポート【子連れ旅2025】
2025.02.27
-
【引っ越し上手の元駐妻ライターが伝授】3年連続引っ越しで学んだ、準備~新居片付けまでスムーズに進める5つのポイント
2025.02.23

福島綾香 Ayaka Fukushima
ライター
宮城県仙台市出身。夫、息子(2018年9月生まれ)、娘(2023年11月生まれ)と4人暮らし。これまでフリーペーパー、旅行情報誌などの編集を経験。趣味は食べること、旅行、読書、Jリーグ観戦。