
オンラインでの買い物が加速している今、無駄買いや失敗を少しでも減らしたいと願う人は多いはず。そこで、おしゃれ賢者たちに 自身の経験を徹底取材。ポチりやすい価格帯の"コスパ服"に絞って必勝ルールをまとめました!
座談会メンバー
スタイリスト 石田 綾さん

井関かおりさんに師事後独立。5歳の男の子のママ。多忙&インドア派につきポチり買いまっしぐら!
Instagram:ishida_aya
スタイリスト 山﨑静香さん

靴ブランドに勤務後、村山佳世子さんに師事。ECブランドリサーチが趣味で寝落ちする瞬間まで行う。
Instagram:shizuka_yamazaki
スタイリスト 亀甲有希さん

福田麻琴さんに師事。地方出身で憧れブランドのリアル買いが難しかった経験からポチり買いに開眼。
Instagram:okame3126
編集 オマツ

4歳娘と2歳息子のママ。コロナ禍+子育てのwパンチでポチり買いが激増するも失敗続きの日々。
結論
EC買いで失敗しない3カ条は…
- 商品画像は、室内と屋外の両方で「色と質感」を見極める!
- 身長・体重だけじゃない! 腕や脚の長さを測定して携帯にメモしておくべし
- 「送料無料」より「返品可能」を重視するべし
ぐんぐん増える「ポチり買い」どうすれば失敗しない!?
オマツ 先日、撮影現場で「ネットで買い物をする機会が本当に増えたよね」って話になったんです。スタイリストさんやライターさんは、職業柄もあって、本来はお店で試着をしたり、店員さんと話してじっくり悩むのが好きな人が多いのですが…。
石田 コロナ禍以降、実際外出が難しい時期が続きましたもんね。
オマツ そうなんです。それで、子育てや仕事に大忙しのLEE読者はもっとネットでのお買い物が増えたのでは?とアンケートを取ってみたところ、実に7割近くの方が「YES」と回答! そして皆さん、ネット買いでの失敗に頭を悩ませていらっしゃったんです。
山﨑 ほぼ全員なのですね!
オマツ ネットでのお買い物は、必然的にコスパブランドが多くなるからか、私も失敗続きで…。今日は「ポチり買いの達人」と噂のお三方に相談したくて、お呼び立てしました。
亀甲 達人なんて恐縮です。でも、たくさんの失敗から学びを得てきているので(笑)、それが皆さんのお役に立てばうれしいです。
石田 私たちみんな、師匠のスタイリストがとても忙しい人だったので、ショップが開いている時間に仕事が終わることがなくて(苦笑)。だから昔からネットで服を買っているよね。
山﨑 あと私、ちょうど学生の頃に「DHOLIC」などの韓国通販ブランドが台頭してきたんですよ。それまでは、ネットで服を購入しようにも商品画像が少なすぎて話にならなかったけど、韓国ブランドはとにかく人物の着用写真が多かった。それがネット買いに目覚めたきっかけでした。
亀甲 着用写真の多さは、最も基本で大事だよね。国内ブランドだと、ベイクルーズのサイトが断トツでポチりやすいと感じています。ショップスタッフによる着用写真がとにかく豊富だから、自分と身長の近い人を保存して、サイトを見るたびに参考にしたり。
山﨑 わかる〜! 「ウール100%だけどチクチクしません」みたいな意見も参考になるから、着用コメントの部分を隅から隅まで読み込んじゃいます。素材や品質表示と同じくらい重視してるかも。
ショップ店員の着用画像は室内・室外の両方を確認して!

ショップスタッフが店舗の中で着用している写真を見てポチったニット。届いたら想像以上にビビッドな色でびっくり!
オマツ 私もショップスタッフの着用写真を確認して買っているつもりなのですが、つい最近、ネット買いをしたニットの色みが想像していたのと全然違ってショックでした…。これなんですけど(スタッフ着用写真を見せる)。
山﨑 …オマツさん、失敗の理由がわかりました。オマツさんが見ていたのは「店内でニットを着ているスナップ写真」だけでしたが、それだと蛍光灯の色みや反射具合によって、本来の色とは少し違うように見えてしまう可能性があるんです。
亀甲 そうそう! 着用写真は「室内で(=蛍光灯の下で)撮ったもの」と「外で(=太陽の光の下で)撮ったもの」、両方を見比べると、本来の色みや生地感が想像しやすいですよ。
オマツ そうなんですね、光の種類は気にしたことがなかった…。
運命の一着を見つけるため、肩幅、腕などパーツの把握を!

ウエストサイズも、自分の同じ身長の店員がはいている写真もチェック。にもかかわらず、体型に合わなくてタンスの肥やしに。
オマツ 失敗談、まだあるんです。私は身長152㎝と小柄なので、ボトム選びには特に気をつけているんですが、同じく小柄なショップスタッフさんがはいていて素敵と思ったパンツがあって。丈も余っていない、ウエストサイズを確認したら自分と合っている。よしOK! とポチったら、私の体型ではすごくハイウエストになってしまってはきこなせなかった。
石田 私も背が高くないので、よくわかります。身長や体重だけでは、自分にとっての「ジャストサイズ」って測れないんですよね。肩幅、胸のボリューム、腰位置の高さ…。大人は特に、骨格や体型が顕著に服に出ますから。
山﨑 私、肩幅と腕の長さをメジャーで測って、携帯のメモに保存してます。ECサイトでは肩幅と袖丈は大抵記載があるので。
オマツ えっ、それは目からウロコ! ポチり買いはほぼスマホでするから、すぐに見返せますね!
亀甲 私は極小サイズのメジャーを肌身離さず持っていてサッと取り出していたけど、これからはそのやり方をまねします(笑)。
石田 小柄だからボトムは買えない、みたいに、コンプレックスを理由に自分で制約を増やしていくのはもったいない。自分の体をきちんと把握すれば、誰でも自分にとってのジャストサイズをネットで見つけることは可能なんです。
本当に注目すべきなのは「送料無料」より「返品可能」
石田 私は海外ファッションサイトで買い物をすることも多くなったな〜。というのも、コロナ禍の恩恵なのか、「返品無料」の海外サイトが激増したんですよね。
山﨑 そうですよね! 「SSENSE(エッセンス)」や「FARFETCH(ファーフェッチ)」をよく利用するのですが、どちらも返品無料なのが安心です。昔は「送料無料」にばかり注目していたんですが、手元に届いた商品が「思っていたのと違うな」という失敗を繰り返して、「返品無料」もしくは「返品可能」であるほうが重要なんだって気づいたんです。
オマツ でも私、手元に届いたときに勢いでタグを取ってしまって、返品できなくなってしまったことが数回ありました…(泣)。
石田 確かに、気分が高揚してやりがちだけど、返品の条件が「未使用(=タグ必須)」ってところがほとんどですからね。タグは命綱と心得て、絶対に切らないようにお願いします(笑)。
山﨑 ネット買いの「失敗」の定義って何だろうって最近よく考えるんです。以前は「買ったアイテムが想像と違い、身につけられないこと」だと思っていたけど…。
亀甲 今は違う?
山﨑 生活にまつわる多くのものをネットで買うようになって思うんだけど、器やファブリックは、サイトで見たものと手元に届いたもののイメージが多少違っても、用途に合ってさえいれば使える。でも、ファッションは残念ながら、服のサイズが合わなかったらどんなに素敵でも着られず、出番がなくなってしまう。大好きなファッションを「無駄にする」ことが一番の失敗じゃないかなぁって。
石田 確かに。でも定番アイテムばかりポチるのも味気ないもんね。
山﨑 そうなんです。だから、思いどおりのものを買えるように、ネット買いの目を養う努力は怠らない。でも、最後の砦として「返品可能」というルールがあると、失敗も無駄ではなくなる。そうしたら、心の底からネット買いを楽しむことができるんじゃないかな。
次回は、「大人に似合う『実力派ECブランド』」をご紹介。詳しい内容は2022年LEE1月号(12/7発売)に掲載中です。
スタイリスト/石田 綾 山﨑静香 亀甲有希 イラストレーション/Jasmine Fulford 取材・文/榎本洋子(TENT) 本誌編集部
※商品価格は消費税込みの総額表示(2021年12/7発売LEE1月号現在)です。
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