元月組トップスター珠城りょうさん「宝塚歌劇団退団後の初仕事では、雲の上の存在と共演!」【『Greatest Moment』ライブ配信も】
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高見澤恵美
2021.11.12
【元・宝塚歌劇団月組トップスター、珠城りょうさん】退団公演での気持ちや、『Greatest Moment』への意気込みは?【インタビュー後編】
宝塚歌劇団月組トップスターとして活躍し、今年の8月に退団。新たな道を歩み始めた珠城りょうさんの卒業後の舞台第一弾は、宝塚の花組と月組の100周年を祝うコンサート『Greatest Moment』。月組への想いや、組や芝居に重きを置く価値観など、ストレートな気持ちを伺いました。
【インタビュー前編】珠城りょうさん「悩んだ末に辿り着いた、退団後の進路」宝塚“最後の日”を振り返って
――アットホームな雰囲気の“珠城さんの月組”、すごく素敵でした。
珠城:ありがとうございます。そうやって、「組が素敵」と言ってもらえることが私は一番うれしかったです。退団公演では特に言っていただいたんですよ。本当にあったかい組で、組のみんなが私を見る目線であったり、私がみんなを見る目線で、言葉にしなくても、そこに深い絆があるのが見えるということを本当にたくさんの方が言ってくださって……。そういったお言葉を聞いたときに、トップとして5年間頑張ってきてよかった!と、心から思えたので、みんなには本当に感謝しています。私1人では、そんな月組を作ることはできなかったから。私の気持ちに応えてくれた月組のみんながいたからこそできたこと。本当にうれしかったです。
――退団公演はお芝居、ショー共に宝塚の歴史に名を刻む作品となりましたが、客席の感無量の様子や、こらえきれない涙には気付きましたか?
珠城:はい、涙も伝わっていますよ。すごくありがたかったです。
――最後の日、珠城さんご自身も同期の話をした際に涙ぐんでいましたね。そのことを恥じらう姿もまた印象深くて。
珠城:同期のことにしても何にしても、個人的な感情。それで涙を流してしまったのがすごく恥ずかしかったんですよね。
――でも感極まるものがあった。
珠城:私は月組で初舞台を踏んで、ずっと月組で育ってきたので、月組への愛着もありますし、それで94期として月組で一緒に頑張ってきた者同士が同じ日に卒業ということに、思いがありました。同期も今年すごく退団が多くて、どんどん数も少なくなってきたんです。自分がトップのときも同期が頑張ってる姿が励みになっていましたし……。残っている同期にも頑張ってほしいなという気持ちもあって、思いがあふれてしまった、というのはありますね。
自分のためではなく、“月組のために”
――珠城さんは言葉の端々からも、ご自身より、組やお芝居を優先されているのが伝わってきます。
珠城:トップになった時点で、“自分のために”じゃなくて“月組のために”というのが一番だったんです。自分のために頑張って、自分のための作品を作るのではなく……。みんなが向上できるもの、みんなが意欲をもって挑戦できるもの、そういった作品にチャレンジしていきたいという思いでした。下級生時代、お世話になっていたいろんな方が、そういう気持ちで務めてらしたのを学んだからなのですが。
――“芝居の月組”と言われますが、その伝統や熱量は感じていましたか?
珠城:下級生の頃から、上級生の皆さまが本当に細かいところまでこだわって作ってらっしゃるイメージがありました。月組では、役を通して“自分というスター”をアピールするというよりは、その役の人物として、その世界観に存在するということに重きをおいてる感覚がありました。多分そういったところを見て学んできたからこそ、“自分”より“組”を優先させるというスタンスに繋がったのだと思います。決して私の代だけで築いたものではなく、脈々と受け継がれてきている空気感なのかなとは思いますね。“芝居の月組”、月組としてのプライドみたいなのは、あります。芝居に対してはストイックな姿勢というのは、月組では自然とありましたね。
――今回は花組と月組の100周年を記念した舞台ですが、花組との違いを感じることは?
珠城:私はもちろん月組しか知らないので、花組さんのことは存じ上げないから分からないのですが、きっと、その組による特性ってあると思うんですよ。でも月組は、“芝居の月組”と呼ばれているからこそ、芝居に対するプライドが強い。いい意味でみんな頑固ですし、私も「ここだけは譲れない」と思ってるところはやはりプライドを持ってやっていました。職人気質というか。かつ、それぞれの作り出すものを尊重するところもあるなと思いますね。上級生の方もそうなのですが、尊重しながら導いていく印象があります。
“雲の上の存在”と今再びの共演
――『Greatest Moment』では、そんな伝統ある月組のレジェンド的な先輩方との共演が叶います。
珠城:今回はトップの中でも私が最下級生。すべてが勉強になることばかりだと思います。こういった舞台でしか観られなかった組み合わせもたくさんあるんですよ。皆さまに楽しみにしていただきたいですし、自分にとってもごほうびとしか思えないような組み合わせ。本当に緊張するんですが、楽しみです!
――月組から専科に移られたばかりの紫門ゆりやさんとも共演されますが、やはり心強いですか?
珠城:紫門さんが出られること、知らなかったんですよ! 後から知ったときは本当にうれしかったですし、ゆりさんもすごく喜んでくださって。「稽古場で再会したら泣いちゃうかも」っておっしゃって……。私も下級生時代から、ゆりさんとは本当にいろんなご縁があったので、卒業後の自分のスタートの舞台で、また専科に行かれた紫門さんと新しい形で一緒に舞台に立てるというのは、本当に楽しみですし、心強いなと思ってます。
――専科の凪七瑠海さんとも、久々の共演!
珠城:そうなんです! カチャさんは、在団中は専科に行かれてからはなかなかご縁がなかったので、とても楽しみでうれしいなと思ってます。
――在団中の大先輩、瀬奈じゅんさん、霧矢大夢さんともご一緒されますね。
珠城:本当に楽しみでしかないです。瀬奈さんと霧矢さんは、自分にとっては雲の上の存在過ぎて、こうやって並んで舞台に立つということがまず信じられないんですよ。退団してすぐに、一緒の舞台に立つなんて、正直おこがましいと思いました。でもお二人とも、私がトップになってからも、あたたかく見守ってくださって。退団公演を見に来てくださったときも、本当にあたたかいメッセージをくださいました。だから少しでも成長した姿をそばでお見せできたらと。必死に食らいついていきます!
宝塚歌劇 花組・月組100th anniversary『Greatest Moment』
1921年に宝塚歌劇の花組・月組が誕生してから今年で100年。その偉業を讃え、それぞれの時代を彩った伝説のスターたちが集結。さまざまなバージョンで懐かしの楽曲や名シーンを披露する。11/13(土)からいよいよ東京公演が開幕。さらに自宅で楽しめるライブ配信も決定!
【東京公演日程】
●2021年11月13日~11月22日:東京国際フォーラムホールC
【ライブ配信日程】
11月13日(土)17:00公演(ALL)
11月20日(土)17:00公演(月組B)
11月21日(日)12:00公演(花組B)
(※アーカイブ配信はなし)
【ライブ配信チケット料金】
視聴券のみ4000円(GoToイベント適用で3200円)
(※各公演の開演30分後まで購入可能)
珠城りょう 1st CONCERT『CUORE』
【公演日程】
●2022年4月30日~5月3日:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
●2022年5月13日~5月15日:東京国際フォーラム ホールC
シャツ¥60500・パンツ¥60500 / 共にエリコカトリ(ムール)℡03-5787-8911) コート¥72600 / リト(℡03-3470-4157) リング・ブーツ/スタイリスト私物
※商品価格は消費税込みの総額表示(2021年10月現在)です。
撮影/富田恵 ヘア&メイク/赤松絵利(ESPER) スタイリスト/重光愛子(A.K.A.)
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高見澤恵美 Emi Takamizawa
LEEwebエディター・ライター
1978年、埼玉県生まれ。女性誌を中心に女性の性質や人間関係の悩みに迫り、有名無名千人超を取材。関心あるキーワードは「育児」「健康」「DIY」「観劇」など。家族は夫と4歳の息子。