最近も大英博物館で未公開作品が展示されるなど、世界的に人気の高い葛飾北斎。北斎が生涯のほとんどをすごした東京・墨田区では、彼にまつわる作品を収蔵する「すみだ北斎美術館」があります。
その「すみだ北斎美術館」で企画展「学者の愛したコレクション ―ピーター・モースと楢﨑宗重―」が2021年12月5日(日)まで開催中です。
世界有数の北斎コレクターによるコレクションは、その色鮮やかさにびっくり!
ピーター・モースさんは北斎の研究家で世界有数のコレクター。彼が所有していた貴重な北斎のコレクションから95点を紹介しています。
たくさんの作品を残した北斎の中でも、特に著名な「冨嶽三十六景」。その1点である「武州玉川」が白眉。
現存する「武州玉川」は摺りが不鮮明なものが多い中、モースさんが所有していた作品は初摺(しょずり)か、初摺に極めて近いため鮮明! 北斎の息遣いが聞こえてきそうです。
モースさんが最も大切にした作品群が「新板浮絵」と題されたシリーズ。
保存状態がかなりよく、とっても色鮮やか! ピンクというのか、淡い朱色というのか絶妙な色の雲の下には人々が描かれ、当時の風俗もわかります。
個人的に好きなのが北斎漫画。そのコレクションも。
表情がわからないのにビシバシおもしろさが伝わってくるって、どれだけ画力が高いんだ……。
浮世絵の地位向上に努めた美術史家の展示では、歌川派などの作品も
楢﨑宗重さんは昭和〜平成に活躍した美術史家。美術史において浮世絵の価値を高めることに尽力し、北斎をはじめとする浮世絵師の研究に取り組んだ人物です。彼の展示では北斎だけでなく、同時代に活躍した絵師や後年浮世絵に影響を受けた作家の作品も紹介し、体系的に浮世絵を知ることができます。
作品には楢﨑さんの解説がところどころ添えられ、作品の魅力をより深く理解できる趣向の展示です。
歌川派の作品も。広重の風景画、国芳にはおなじみの猫も描かれていますね。
奇想の天才絵師と称される河鍋暁斎の暁斎漫画も。
突飛な様子が描かれ、笑いを誘います。線が緻密で躍動感たっぷりですね。
「すみだ北斎美術館」は東京・両国にあります。両国観光がてら、鑑賞して北斎のすごさを体感してください。
「すみだ北斎美術館」
住所/東京都墨田区亀沢2-7-2
「学者の愛したコレクション ―ピーター・モースと楢﨑宗重―」会期/~2021年12月5日(日)前期~11月7日、後期11月9日~12月5日※前後期で一部展示替あり
開館時間/9:30~17:30(入館は閉館の30分前まで)
休館日/毎週月曜(月曜が祝日の場合は火曜休館)、12月29日~1月1日
「すみだ北斎美術館」公式サイト
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津島千佳 Tica Tsushima
ライター
1981年香川県生まれ。主にファッションやライフスタイル、インタビュー分野で活動中。夫婦揃って8月1日生まれ。‘15年生まれの息子は空気を読まず8月2日に誕生。