【読書の秋におすすめの「女性によるエッセイ」8選】宇垣美里さん、中村仁美さん…読書家と評判のメンバーがリコメンド
2021.10.09 更新日:2021.10.21
家事、育児と慌ただしい生活にコロナ禍の影響も相まって、親しい女友達との雑談や悩みごとを相談する時間も減りがちに。そんなときにおすすめなのが、女性が書いたエッセイに触れてみること。日々のモヤっとした気持ちをなだらかにしてくれる作品を集めてみました!
モデル、アナウンサー、スタイリスト、料理家……。編集部まわりで読書家と評判のメンバーが、それぞれの視点から、「読むとスッキリできる」お気に入りの女性エッセイを紹介します。
『おいしいレシピができたから』
藤井 恵 ¥1650/主婦の友社
同業の先輩の言葉に触れて、背中を押してもらえた気分に

料理研究家で管理栄養士の藤井恵さんが日々の思いなどを綴った一冊。角田さんは書店で見かけて手に取ったとか。「小さな積み重ねが今のご活躍につながっていると知り、感銘を受けました。私自身も料理を仕事にしていますが、得意な品だけではなく、皆が喜んでくれるものを作りたいという、己の働き方についての思いもクッキリとさせてくれました」(角田真秀さん)
『女ふたり、暮らしています。』
キム・ハナ ファン・ソヌ(著) 清水知佐子(訳) ¥1650/CCCメディアハウス
女の敵は女ではない! 新たな家族の在り方に希望をもらえる

「結婚もいいけれど、それ以外の家族の形があっても構わないのでは?とずっと思ってきたので、友情から同居を始めた著者ふたりのシスターフッドは眩しく、魅力的。新しい道を示してもらいました。人と暮らすのは大変だけど楽しい。安心できる相手となら、より生活がキラキラすると、実家で妹と生活してた頃を思い出して、ほくほくしました」(宇垣美里さん)
『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』
花田菜々子 ¥682/河出文庫
世界って自分が想像するより愉快なのかも!と思えてくる

33歳の既婚者が別居し、どん底な状況を味わう中から「本」を通じて世の中とかかわる人気エッセイ。「誰のどんな人生でも、それなりに浮いたり沈んだり、平坦な毎日ですら、時にはドンヨリだってするもの。この作品に登場する人物は個性的ですが、共感できる部分が多く、読むと優しさに満たされ、涙も。気がついたら心が柔らかくなっていました!」(中村仁美さん)
『犬もどき読書日記』
石山蓮華 ¥1650/晶文社
比較せず、犬の如く自身を“ご自愛”していこうとなれる

「若くて健康的な美少女的な立ち位置を期待されてきた著者が、“犬として生きていこう”と思い、自分のセーフスペースである読書と、日常生活をつなげて綴ったエッセイ。何かの成果や実績を誇れなくても、犬のようにただ存在することに、自分にOKを出していく。その視点に力をもらえます」(長田杏奈さん)
『たちどまって考える』
ヤマザキマリ ¥924/中公新書ラクレ
コロナ禍の今のモヤモヤを上手に昇華させてもらえた!

「人気漫画家のヤマザキさんが、まさにコロナ禍の中で感じることを書いた本。私も彼女と同じく、行動するのが好きで、今の状況にモヤモヤする一人。でも速度を落とし、個人の生き方や希望を考え、冷静な判断力を養う時間も必要と実感。未来のアウトプットのための準備中と思えるようになりました」(福田麻琴さん)
『「ふつうのおんなの子」のちから 子どもの本から学んだこと』
中村桂子 ¥1650/集英社
世に流されず、じっくりと考える姿勢に連帯感を得る

「半世紀以上にわたり遺伝子研究を続けてきた生命誌研究者が、古今東西の児童文学から、この先を生き抜くために大事な“ふつうのおんなの子の力”を考察しているのと、その“ふつう”を科学者らしい視点でアプローチしているのが読みどころ。急がず、時間をかけて答えを出すことの大切さを学べます」(久保田梓美さん)
『コットンが好き』
高峰秀子 ¥825/文春文庫
シンプルかつブレない姿勢は読むたびに励まされます

昭和を代表する名女優が、主に暮らしまわりについて書いた一冊。「自分の物差しを大切に、好きなものを愛でる。モノも生き方もルールに縛られすぎない……と、思い切りのよい生き方や文章に勇気が出ます。きれいごとだけではない社会経験も綴られており、そこから学びを得る部分も多々!」(高山 都さん)
『ねにもつタイプ』
岸本佐知子 ¥660/ちくま文庫
人間が持つ至らぬ点も、愛すべき部分と思えてくる

人気翻訳家の身辺雑記を含んだエッセイ。「思わずくすっとする著者独特の視点があり、さらに声を上げて笑える話も満載。読んでてシンプルにおもしろい! 人の欠点やクセを愛すべき個性としてとらえられるし、自分の足りない要素も、他人の困った点も、等しく愛せる余裕を持たせてくれる一冊」(市川紗椰さん)
詳しい内容は2021年LEE11月号(10/7発売)に掲載中です。
撮影/松村隆史 スタイリスト/河野亜紀 取材・原文/石井絵里
※商品価格は消費税込みの総額表示(2021年10/7発売LEE11月号現在)です。
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