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LIFE

木村拓哉さんスペシャルインタビュー「尽きることのない好奇心のその先に」

2021.09.19

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LEE_Special Interview with Takuya Kimura 木村拓哉さん「尽きることのない好奇心のその先に」

初めての刑事役を演じた主演映画『マスカレード・ホテル』が大ヒットを記録。

その続編となる『マスカレード・ナイト』も公開前から大きな話題に。

いつの時代も日本中の注目を集める唯一無二のエンターテイナー、木村拓哉は何から力をもらい、何を楽しみ、どこを目指し進んでいるのか……たっぷり本音で語っていただきました!

「正直、自分の評価や順位にはもう興味がなくて。好奇心をかき立てられる何かに出会いたくて今は歩き続けている気がする」──Takuya-Kimura

人前で“仮面”をつけるのは演じるときだけでいい

「作品自体のおもしろさはもちろんのこと、豪華出演者をはじめとする“お祭り”感もまた『マスカレード』シリーズの魅力のひとつだと思うんですよ。それこそ、夕食にいきなりおせちの重箱がドンッと出てきたような、“マジで?”というワクワク感がそこにあるというか」

東野圭吾原作の人気小説シリーズを実写化。大ヒットを記録した映画『マスカレード・ホテル』。その続編となる『マスカレード・ナイト』が今秋公開。前作に引き続き、またもやホテル「コルテシア東京」で巻き起こる事件を解決すべく、木村さん演じる刑事の新田浩介がスクリーンに戻ってくる。

「劇中で登場人物たちもやたら口にしていますが、本当に“またか”ですよね(笑)。でも、その“またか”を感じるたびに妙にうれしい気持ちになってしまう自分もいたりして。前作から少し時間はたっていたものの、現場には心地よい“おかえり”感が漂っていて、安心して撮影に挑むことができました。ただ、今回はアルゼンチンタンゴを踊らなければいけない場面があって。これが本当に大変だったんですよ。それは自分の中にあった“踊りならなんとかなるだろう”という自負を見事に打ち崩し、今まで経験してきたことをすべて忘れてゼロからスタートするような作業で……。久々に“お先真っ暗”を味わいながらあらためて痛感しましたからね。“この世には、まだまだ自分の知らない世界が存在しているらしいぞ”って」

ホテルでは誰もが仮面をつけることができる、いつもとは違う自分を楽しむことができる。今作ではそんな“仮面”が大きなテーマに。

「人は皆、相手や場面に合わせて仮面を被ったりつけ替えたりするのかもしれないけど。僕自身は“つけたがり”ではないですね。役を演じることはあっても、基本、日常生活では素顔をむき出したまま。その理由は、単純に面倒臭いし必要ないからなんですよ。例えば、こういうインタビューでも相手がいだく木村拓哉像に合わせて受け答えすることは不可能ではないというか。相手が求める“らしさ”を演じることはできるかもしれない。でも、結局それは嘘でしかないわけで。残るのは嘘をついた罪悪感だけ。仮面をつけたところで、そんなものは見る人が見ればすぐにバレてしまうと思うしね。だったら、仮面なんていらないなって。最初から本音で話したほうがよっぽどラクだと思うんですよ」

「これまでの木村拓哉を言葉にするなら“人との出会いに恵まれた男”。本当にそれだけですからね、オレ」」──Takuya-Kimura



好奇心を失ったときに歩みは止まるんだと思う

子どもから老人まで、誰もがその存在を知っている。日本中の視線を常に浴びているからこそ、仮面をつける意味がない。それもまた彼が素顔を貫くひとつの理由なのだろう。デビューしてからずっと第一線を走り続けている木村さん。その原動力はなんなのか、尋ねるとこんな答えが返ってきた。

「それはやっぱり好奇心じゃないですか。正直、僕は自分の評価や順位にはもうあまり興味がなくて。それよりも、“うわ、こんなものがあるんだ、こんな人がいるんだ、こんなことがあるんだ”っていう、まだ知らない何かに出会いたくて歩き続けている気がするんですよ。そして、それはいつも僕のスイッチを入れてくれる。例えば、おもしろい作品や美しい女性や尊敬できる先輩や後輩に出会ったとき、自分の中に湧き上がる“素敵だな”“かっこいいな”と思う気持ちが電源につながることだってあるしね」

そう語りながら「日々の生活もそうですよ。例えばさ、90円で水を売っている自動販売機を見つけたらうれしくないですか? 次の日から、そこでばっか買っちゃうよね。ほかの自動販売機の前を“おまえの水は110円かぁ”って鼻で笑いながら素通りして(笑)。そういうことでいちいち遊んでいますからね、オレ」と笑った木村さん。

「人間は好奇心を失ったときが“止まりどき”だと思うんですよ。そういう意味でも出会いって本当に大切で。人も作品も環境も……新しいことを届けてくれる出会いがあったから自分は成長できた。そして、今も成長させてもらっている。今作のアルゼンチンタンゴなんかまさにそれ。年齢を重ねると世界のすべてを知った気になりがちだけど、それはただの驕りでしかないんだなと、自分はまだまだ未熟なんだと。そう思えることが楽しくもあったりするんですよね」

今は新しい何かに出会ったり挑戦するのが難しい時期。そんなときは好奇心をどう育てたらいいのか? LEE読者に向けてメッセージをお願いするとこんな言葉が。

「そういうときこそエンタメの力なのかなって。“おもしろい”や“楽しい”は家の中でも出会うことができるし。家庭を守るお母さんやお父さんは抱えているものも多いと思うからこそ、作品を観ている間は現実をわきに置き、それを下ろしてもらえたらって思うしね。LEE読者の皆さんにとって今作がそんな作品になったら、うれしいよね」

Special Question for Takuya Kimura 木村さんに今だから聞きたいこと

Q 家族と過ごす時間が増えて負担増。変化した毎日とどう向き合えばいい?

“家の中のことに関しては普段から「気づいた人がやればいい」と思っているんですよ。特に今はこんな時期だからこそ「これは誰の仕事だ」「自分の仕事じゃないからやらない」とか、そういう考えは捨てるべきだと思っていて。一人で抱えるには無理がある、一人だけ疲れていてもしょうがない、だからこそ皆で分け合う。それが"一緒に暮らす"っていうことだと思うしね。”

Q 世界が大きく変化したことで木村さんの生活も変わりましたか?

“これを言うと、周りの人にドン引かれるんだけど。コロナ禍で外食をしなくなり、家での食事を楽しむようになった結果……夕食を15時くらいから食べ始めるようになったんですよ(笑)。だから、撮影現場に行くと夕食休憩前におなかが空いちゃって。『マスカレード・ナイト』の現場では夕方になると弁当が配られたんですけど。先に一人で食べていましたからね。弁当を手にしたその瞬間に(笑)。”

Information

『マスカレード・ナイト』

©2021東野圭吾/集英社・映画「マスカレード・ナイト」製作委員会

©2021東野圭吾/集英社・映画「マスカレード・ナイト」製作委員会

「12月31日、殺人事件の犯人がホテル・コルテシア東京に現れる」。警察に届いた密告状をきっかけに新田刑事(木村拓哉)らが再度集結。もちろん、そこにはホテルマン・山岸尚美(長澤まさみ)の姿も。『マスカレード・ナイト』に集まった500人を超える招待客の中から、果たして二人は犯人を見つけることができるのか!?(9/17から全国東宝系でロードショー)

『マスカレード・ナイト』東野圭吾作

『マスカレード・ナイト』東野圭吾作

¥979/集英社文庫

映画の原作は、累計455万部超えを突破した小説『マスカレード』シリーズの第3作目!


取材・文/石井美輪

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