今回は9月1日にパナソニックから発売されたばかりのホームベーカリーの新モデル「ビストロ」をご紹介します。今年2月に登場したオーブントースターに続いて、またもやビストロの冠を付けたベーカリーに業界もざわついたのですが、昨年からのステイホームで今、第5次ブームが来ているというホームベーカリーの中で、マットなブラックの佇まいといい、さすが王者の風格。いち早くお借りして使ってみた様子をお届けしますね。
インバーターモーター搭載で音も静か、進化しまくりのホームベーカリー
まずは、ホームベーカリーの歴史を振り返ってみましょう。
パナソニックのホームベーカリーの初代モデルが誕生したのは1987年のこと(なんだか聞いたことのある年だなと思ったら、わが家の次男と同い年でした!)。家庭で焼き立てのパンが食べられるということで、市場全体では年間76万台という大ヒット商品になり、その後は6~7年おきにブームが再燃。2011年の第4次ブームの絶頂期には年間79万台も販売されました。前年にお米からパンが焼けるというGOPANが登場するなどして、米パンブームが到来した時期です。
その後、街中には高級食パンが登場したり、高機能オーブントースターが人気になったりして、家でパンを焼くよりも買ってきたパンをトーストしたりリベイクしたりするのが主流に。ホームベーカリーの人気はやや下火になってきていたのです。ところが昨年からのコロナ禍でステイホームを余儀なくされ、ベーカリーの人気が急上昇。「スーパーの小麦粉が品薄に」なんていうニュースまで流れました。ついに第5次ブームの到来という感じです。
私も発表会で試食をしたり、製品をチェックしてはきたのですが、毎年使ってみているわけではなくて、今回久しぶりに連日パンを焼いてみて、その進化に驚きました。パナソニックでは2014年のモデルからインバーターモーターを搭載していて、細かな制御を可能にしているだけでなく、運転音もかなり静かになっています。
また、パンケースについたリブ(突起)と中央にセットするパン羽根の設計、独自のプログラムによって生地を「たたく」「伸ばす」を3次元でおこなうプロの技法を取り入れているのに加え、室温センサーと庫内温度センサーという2つのセンサーによる温度制御、パナソニックならではのイースト同時投入により、初心者でも失敗なくおいしく焼けるところが素晴らしいんですよね。
看板メニュー「パン・ド・ミ」は香りよくきめの細かい焼き上がり
それでは実際に使ってみましょう。パナソニックのホームベーカリーの看板メニューといえば「パン・ド・ミ」。2011年のモデルから搭載されているメニューです。レシピブックを見てみると、材料は食パンと比べてドライイーストの量が半分、バターがやや多め。焼き上げまでの時間は食パンが約4時間なのに対して、約4時間50分とじっくり時間をかけて作られることがわかります。ドライイーストが少ない分、発酵を長めにとっているのですね。
パン・ド・ミの材料はこちら。
- 強力粉 250g
- バター 15g
- 砂糖 大さじ2
- 塩 小さじ1
- ドライイースト 小さじ1/2(1.4g)
- 水 120ml
- 牛乳 70ml
本来はスキムミルクを大さじ1、水を190ml使うのですが、手元にスキムミルクがなかったので牛乳で代用しました。この場合、牛乳は70mlで水をその分減らします。パン作りでは計量がとても大切になりますが、計量カップやスプーンが付属しているのでその点は心配なし。誰でも面倒がらずに作れますよ。
パンケースに強力粉、砂糖、塩、バターを中央を高くして入れたら、水と牛乳を混ぜたものを周囲に回しながら入れます。ドライイーストは内フタのところにある「イースト入れ」に入れるのがポイント。メニュー1、焼き色を標準にセットしたらスタートボタンを押せば、あとは焼き上がるまで約4時間50分待つだけ。先ほども説明したとおり、インバーターモーターを搭載しているため、想像以上に音が静か。それに発酵の間は元々静かですしね。
4時間を過ぎたころから、次第にパン屋さんのようないい香りが漂い始めて、アトリエの空気清浄機や除菌脱臭機が中→強モードで運転を開始。センサーはおいしそうな香りとそうでないものとの違いは区別がつかないので仕方ないですね…
さあ、ピッピッと焼き上がりの音がしたので開けてみると、こんがりいい色に焼けていました。ミトンを使ってパンケースを持ち、少しゆするとスルリとパンケースから取り出せます。焼き目の皮の部分が薄く、中はしっとりときめの細かい焼き上がりにさすがだと感激しました。
ちなみに、今回のビストロには、高級生食パンを再現した“おうち乃が美”が焼ける「リッチ・パン・ド・ミ」のメニューもあります。私は甘みが強くリッチ感のあるこうした食パンが少し苦手なので、作りませんでしたがお好きな方はぜひ!
これ専用でもいいくらい気に入った糖質約60%オフの「低糖質パン」が激ウマ
最近のホームベーカリーのメニューのトレンドといえば、低糖質パンが焼けること。今回新たに搭載された「低糖質パン」メニューは、日清製粉グループの日清フーズと共同開発で作られた専用の「低糖質パンミックス」と専用プログラムによるもの。一般的な低糖質パンの材料となる、ふすま粉や大豆粉を使用していないのが特徴です。
「低糖質パンミックス」には1回分ずつ計量されている「ドライイースト」も付いているので、こちらで準備するのは無塩バター30gと卵1個、冷水のみ。メニュー14の低糖質パンコースを選択したら、焼き上がりまでの所要時間はわずか2時間5分なのでパン・ド・ミと比べると半分以下。ものすごく早いのがうれしいです。
しかも焼き色がきれいでふんわりと膨らみ、香ばしいにおいはとても低糖質パンとは思えない焼き上がり! これ、普通の食パンだと思って食べる人もいるのではと思います。焼き立てをそのままでももちろんおいしいのですが、翌朝に焼かずにそのままサンドイッチにしたら激ウマ。引きのある独特の食感がサンドイッチにぴったりで癖になりそうなおいしさでした。味にうるさい夫も息子も「うまい!」と大絶賛。
これね、5個セットで2,484円ですけれど、健康のこととか、味のこととか考えたら高くはないかも。私自身は、この低糖質パンを焼くためにだけでもホームベーカリー「ビストロ」が欲しくなってしまっています。
市販の「生食パンミックス」も手軽でおいしい
スーパーや食料品店にはホームベーカリー用の食パンミックスもいろいろと並んでいますよね。加糖練乳や生クリームなどを用意しなくても作れそうだったので、SHOWAの「しあわせの生食パンミックス」というのを使って焼いてみました。用意するのはドライイーストと牛乳だけと手軽です。
メニュー4の「ソフト食パン」コースで、焼き色を「淡」に設定。4時間20分でかなり上部が膨らんだ、ずっしりと重さを感じる“生食パン風”の焼き上がりになりました。食べてみると、少し甘さを感じるしっとりとした味わい。翌日にトーストしてみてもサクッとおいしく食べられました。
ほかにも米粉パンや甘酒、おもちなど全部で43種類のオートメニューが搭載されているほか、好みや作りたいものに合わせて時間などを変えられるマニュアルモードもあります。ホームベーカリーのある暮らしの一番の楽しさは、焼いている時の幸せなパンの香りと、焼き立てのほやほやを食べられること! ビストロはパン作り初心者さんからベテランの方にまでおすすめできるさすがの一台だと思いました。
DATA
- ブランド:パナソニック
- 商品名:ホームベーカリー「ビストロ」SD-MDX4
「神原サリーの愛しの家電語り」は、毎月2回更新。次回もお楽しみに!
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