「ポイ活」は効果的な節約術。ただし注意点も
お金代わりに使えるポイントを貯めて、家計費を浮かせるという「ポイ活」が相変わらず人気です。
ポイント達人たちの間でよく聞くのが「〇〇経済圏」というキーワード。特定のポイントを中心に、通貨がわりとして商品やサービスのやり取りが行われる世界をそう呼びます。
取引ごとに貯まったポイントを使って買い物や生活サービスを利用し、その決済でまたポイントが貯まり――という無限サイクルで成り立っているので、経済圏と呼ばれるわけですね。
中でもおなじみなのは「楽天経済圏」。そこで使われている楽天ポイントは、累計発行数が2.5兆超え(2021年8月31日)、年間発行数も4700億超え(2020年度)で、毎日12.8億ポイントも生み出されていることになります。1ポイント=1円とすると、すごい金額だとわかりますね。
楽天ポイントを稼ぐために、楽天カードを作り、ポイントアップデーに楽天市場で買い物し、楽天銀行や楽天証券で資産形成もしている、という人は少なくないでしょう。
楽天グループでは通信や電気などライフラインサービスも備えているので、うまく利用して楽天ポイントをがっちり貯め、それを買い物やサービス代金に使うのも、たしかに効果的な節約法です。
ただし、大事なのは「使い勝手のいいポイントを貯める」ことだと考えます。
「貯まるポイント」より「使えるポイント」を
たしかに楽天ポイントは人気ですが、「どこで使うか」という逆引きの視点も忘れてはいけないからです。
たとえば、自分が普段買い物をするスーパーやドラッグストア、デパートやカフェでも使えるか。
どんどんたまるポイントも魅力ですが、日々の買い物に使え、お財布の現金が減らずに済むポイントのほうが節約の実感がありますよね。
まず、自分がよく利用するお店で使えるポイントには何があるのか。そのポイントは電子マネーにチャージしたり、スマホ決済の残高として使えるか。
使う頻度が高い場所という目でポイントを見直してみると、より節約に効く「MY経済圏」が見えてくるのでは。
もし、買い物のほとんどをイオン系のスーパーやモールで済ませている人なら、WAON POINTを積極的に貯めたほうがいいですよね。なお、イオンのポイントについては改定もありました。
これまでは、現金や電子マネーでの決済で付与されるWAON POINTと、イオンのクレジット(デビット)カードで付与される「ときめきポイント」の2つがありましたが、ときめきポイントについては9月11日以降の支払い分からWAON POINTが直接貯まることに。いちいちWAONPOINTに交換する手間がなくなり、ユーザーの利便性が高まる変更と言えるでしょう。
今後も各社のポイント競争は過熱化の気配が。キャンペーンに目移りすることなく「使いやすいポイント」を選んでいきましょう。
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松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。
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